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2023.09.30

「了解」と「承知」はどう違う? ビジネスシーンにおける使い分けを紹介

「了解」には「物事を理解して承認すること」、「承知」には「事情や物事などを知ること」という違いがあります。「了解です」「承知しました」などと使いますね。本記事では、「了解」と「承知」の使い分けや、類語表現などについて紹介します。

「了解」と「承知」、使い分けていますか?

日常生活においてもビジネスシーンにおいても「了解」や「承知」という言葉は頻繁に使われます。なんとなく意味も分かったうえで自然と使っている人が多いのではないでしょうか?

とはいえ、「了解と承知の違いが分かりますか?」という質問は、なかなか難しいものです。そこで、本記事では、「了解」と「承知」の違いについて一緒に見ていきましょう。また、例文で具体的な使い方や類語表現も紹介します。

打ち合わせをする女性
(c)Adobe Stock

「了解」の意味

まずは、「了解」と「承知」の意味について見ていきましょう。

「了解」には、大きく2つの意味があります。1つ目は、「物事を理解して承認すること」という意味です。2つ目は、「文化的なもの、歴史的なことを生の表現であるとし、追体験することによって把握すること」という哲学用語として使われています。これは、ディルタイ哲学で用いられる用語です。

馴染みがあり、かつ使われる多くの場合は1つ目の意味になります。

「承知」の意味

続いて、「承知」の意味についてです。「承知」には3つの意味があります。1つ目は、「事情や状況を知ること」、2つ目は、「相手の事情などを理解し、許すこと」です。そして3つ目は、「要求や依頼などを承諾すること」という意味になります。

「承知」はいずれの意味としても使われることが多いですね。

「了解」と「承知」の違い【まとめ】

「了解」と「承知」の辞書的な意味合いについて説明しました。ここで、それぞれの意味から違いについて紹介します。「了解」と「承知」はほぼ同義語で使われるため、日常会話のなかでそこまで深刻に考えて使い分けなくても大丈夫です。

「了解」は「理解すること」に重きが置かれ、「承知」は「承認する、承諾する」に重きが置かれるという微妙なニュアンスの違いがあります。

「了解」の使い方を例文で紹介

それぞれの違いはなんとなく分かりましたか? 使い方についても、大きな違いはなく、置き換えて使えることもあります。

1:「了解です。スケジュールを調整しておきます」

「了解」には、「理解する」というニュアンスが強く含まれています。この例文の場合、予定が変更になったことを理解したということですね。また、「了解です」という使い方は「了解」特有だと言えるでしょう。「承知です」とはあまり使いません。

パソコンで仕事をする女性
(c)Adobe Stock

2:「悪天候による渋滞に巻き込まれ、1時間ほど到着が遅れるとのこと、了解しました。気を付けていらしてください」

この例文の場合、「理解しました」は「承知しました」と言い換えて使うことができます。「了解」は「承知」よりも、ややカジュアルな印象の言葉です。したがって、社内で使う場合は問題ないでしょうが、社外の人やとくに目上の人と話す際は気を付けたほうが良いでしょう。

「了解」の後ろに謙譲語の「いたす」を付けて、「了解いたしました」とへりくだる表現をするという方法もありますよ。

3:「了解! 30分後に〇〇の前で集合しよう!」

この例文の使い方は、「承知」といちばん違う使い方と言えるかもしれません。親しい間柄でも、「承知!」とはあまり言わないですよね。「分かったよ」というニュアンスを込めて「了解」と言うことがあります。

会話だけでなく、LINEなどのメッセージツールでも活用されますよ。

「承知」の使い方を例文で紹介

「承知」の使い方についても触れていきましょう。ビジネスシーンなど、オフィシャルな場では、「了解」よりも「承知」を使ったほうがきちっとした印象になりますので、参考にしてみてください。

1:「承知しました。〇日までに資料を作成しておきます」

「承知」には、「相手の頼み事などを受け入れ、了承する」というニュアンスがあります。内容を把握するだけでなく、了承したことになりますので使う際は注意しましょう。

2:「ご迷惑をおかけしていることは重々承知しておりますが、何卒ご検討のほどよろしくお願いいたします」

「重々承知しております」という表現もしばしば使われます。とくに謝罪する際などに使われることが多いです。こちらに非があるということを自覚していると相手に伝える効果があります。

3:「承知いたしました。担当に連絡があったと伝えます」

「承知しました」よりもさらに丁寧な表現が「承知いたしました」です。「承知しました」よりも改まった感じがいたしますね。

「了解」「承知」の類語表現について

とくにビジネスシーンでは、会話のキャッチボールが重要になります。「話をしっかり聞いて、理解していること」が相手に伝わるようにしなければならないからです。しかし、「了解しました」「承知しました」を繰り返し使うのも気が引けますよね。

そこで、最後に「了解」や「承知」以外の類語表現について紹介します!

1:承りました

「承知」の「承」と同じ漢字ですね。「承りました」で「うけたまわりました」と読みます。意味は、「承知」と同じです。「承りました」は、実際に声に出してみると分かりますが、嚙みやすい語呂。したがって、言いやすい「承知しました」を使う人が多いですが、同じ返答ばかりになってしまうときには「承りました」を入れても良いでしょう。

2:了承

「了承」は「りょうしょう」と読みます。「事情を理解して納得すること」というニュアンスです。シンプルに「了承しました」というように使います。

打ち合わせをする女性たち
(c)Adobe Stock

3:かしこまりました

目上の人へ、理解の意を表す言葉として「かしこまりました」という表現があります。「かしこまりました」は、同僚や部下には使わないので注意してくださいね。

最後に

「了解」と「承知」の違いは掴めましたか? 微妙なニュアンスの違いですが、知っておくと便利です。そのほかにも、相手への理解を示す表現について紹介しているので、ぜひひとつの参考にしてみてくださいね。

TOP画像/(c) Adobe Stock

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