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この記事のサマリー
・「参画」は計画段階から関わることを意味し、「参加」は既にある集まりや活動に一員として加わることです。
・「参画」と「参加」は関わり方の深さが異なる点に注意しましょう。
・「参画」に似た言葉は「関与」「参与」などがあります。「参加」の言い換えは「加入」「入会」「所属」などです。
新しいプロジェクトのメンバーを選ぶとき、はたまた会議の議事録を作成するときに、「参画」と「参加」、どちらを書けばいいか迷う瞬間はありませんか? 言葉の選び方によって伝わる意味が変わるからこそ、正確に使いこなしたいものです。
この記事では、「参画」と「参加」の使い分けをシーン別に解説します。それぞれの言葉が持つ意味の違いも、例文を交えて理解を深めていきましょう。
ニュースでよく聞く「参画」とは?
まずは、「参画」という言葉の意味を確認しましょう。
「参画」の読み方と意味
「参画」は、「さんかく」と読みます。辞書で意味を確認します。
さん‐かく〔‐クワク〕【参画】
[名](スル)事業・政策などの計画に加わること。「法律案の作成に―する」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「参画」は、事業や政策などの計画に初期の段階から加わることを意味します。
例えば、新しいプロジェクトのメンバーに「参画してほしい」と依頼されたら、それは単に会議に出席するだけでなく、企画の段階から意見を出し、主体的にプロジェクトを動かしていく役割を期待されているということです。

幅広く使う「参加」との違い
「参画」と並んでよく使うのが「参加」です。それぞれの言葉が持つ違いを整理しておくと、仕事でのコミュニケーションがさらにスムーズになりますよ。
「参加」の読み方と意味
「参加」は、「さんか」と読みます。こちらも辞書で意味を確認しましょう。
さん‐か【参加】
[名](スル)
1 ある目的をもつ集まりに一員として加わり、行動をともにすること。「討論に―する」「―者」
2 法律上の関係または訴訟に当事者以外の者が加わること。「訴訟―」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「参加」は会議やイベント、セミナーなど、すでに準備された場に一員として加わるときに使います。計画に携わらない場合でも成り立つのが特徴です。
例文で確認!「参画」と「参加」はこう使い分ける
言葉の意味を頭で理解しても、実際に使うとなると迷ってしまうものですよね。そこで、ここからは「参画」と「参加」の例文を並べて、その違いを一緒に見ていきましょう。具体的なシーンをイメージしながら確認すると、よりスムーズに使いこなせるようになりますよ。
「参画」を使うシーンと例文
「参画」は、企画や計画の段階から関わるときに使います。
新商品開発の場面
「次の新商品開発プロジェクトに参画してください」
企画立案から携わり、意見を出しながら、プロジェクトを動かす役割が求められています。
社会貢献の場面
「女性が参画する社会づくりが進められている」
女性がただ集まりに参加するだけでなく、政策や意思決定の場に加わり、積極的に社会を変えていく役割を担えるよう整備していることを表しています。
「参加」を使うシーンと例文
「参加」は、すでに用意された活動やイベントに加わり、一緒に楽しんだり、行動を共にしたりする場合に使います。
会議の場面
「本日のプロジェクト会議に参加します」
会議に出席し、議論に加わることを意味します。
イベントの場面
「明日は地域のチャリティーイベントに参加する予定です」
イベントに参加し、活動の一員となることを意味します。
「参画」と「参加」二つの違いを整理
繰り返しになりますが、「参画」は、ゼロからイチを創り出すような、初期段階から関わる場合に使います。一方、「参加」は、用意された活動に加わる場合に使いますよ。
例えば「街づくり」について話すとき、
・住民がアイデアを出し合い、計画を立てる場合は「参画」
・すでに計画された清掃活動やイベントに加わる場合は「参加」
です。

「参画」の類語
「参画」と意味が近い言葉はいくつかあります。ここでは代表的な2つの言葉を見ていきましょう。
「関与(かんよ)」
「関与」は、物事に関係すること全般を指します。深く関わるという意味もあります。
「参与(さんよ)」
「参与」は、事業や計画に関わることに加え、「相談を受ける」ことも意味する言葉です。学識経験者を行政事務に参加するときの職名としても使われます。
「参加」の言い換え表現もマスターしよう
「参加」は幅広い場面で使えますが、状況によっては他の言葉を選んだ方が適切な場合もあります。ここでは、「参加」の言い換え表現を確認していきましょう。
「加入(かにゅう)」
「加入」は、ある目的を持った団体や組織に、仲間として加わることを指します。
「参加」は深い結びつきを持たないのに対し、「加入」はある会の一員であることを強く意識したり、恩恵を受けたり、義務を負う場合に使うのがポイントです。
「入会(にゅうかい)」
「入会」は、組織に入って会員になることを指します。例えば、趣味のサークル、フィットネスクラブ、オンラインサロンなど、特定のコミュニティの一員になるときにぴったりの表現です。
参考:『使い方の分かる 類語例解辞典』(小学館)

「参画」と「参加」に関するFAQ
ここでは、「参画」と「参加」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「参画」と「参加」は同じ意味で使えるの?
A. いいえ。
「参画」は計画段階から主体的に関わることを表し、「参加」は既にある活動や集まりに加わることを指します。
Q2. ビジネスメールで「参画してください」と書いても大丈夫?
A. はい。
ただし依頼する場合は「企画段階から関わってほしい」という期待を込める意味になるため、相手の立場や役割を考えて使いましょう。
最後に
「参画」と「参加」は一見似ていますが、実際には役割や関わり方の深さに違いがあります。「参画」は計画段階から関わること、「参加」は出来上がった場に加わることを表します。
働く中で「どちらを使えばいいのかな?」と迷ったときは、相手にどの程度関わってほしいのかを意識すると答えが見えてきます。この違いを理解しておくと、ニュースやビジネスシーンでも自信を持って言葉を選べますね。
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