目次Contents
この記事のサマリー
・「下記」と「以下」は、どちらも文章の下に記されている内容を指します。
・「以下」には「数量や程度が基準値より下であること(例:18歳以下)」という意味もあります。
・「下記」は「記」「以上」とセットで使うこともできます。
「下記」と「以下」という言葉、ビジネス文書でもよく使う言葉ではないでしょうか? どちらも似ていますが、使い方には違いがあります。
辞書に基づき、両者の正確な意味と適切な使い分け方を整理していきましょう。
「下記」と「以下」の違いを整理
「下記」と「以下」という言葉について、実務で誤用しないためのポイントをわかりやすく整理します。
「下記」と「以下」の意味
最初に「下記」について、辞書で意味を確認しましょう。
か‐き【下記】
ある記事や文章のあとに書きしるすこと。また、その文章。「詳細は―のとおり」⇔上記。
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「下記」は「この文章の下に記されている内容」を指します。
「下記のとおり」「下記をご参照ください」などの形で使い、直後に具体的な内容を記します。箇条書きや具体的な情報を提示する前に用いるのが一般的です。
例:「詳細は下記をご確認ください」
一方、「以下」には複数の意味があります。辞書で確認しましょう。
い‐か【以下/×已下】
1 数量・程度・優劣などの比較で、それより下の範囲であること。数量では、基準を含んでそれより下をいい、その基準を含まないときは「未満」を使う。「室温を一八度―に保つ」「六歳―は無料」「待遇は世間並み―だ」「あいつの理解力は小学生―だ」⇔以上。
2 それより後に述べること。下記。「―省略」⇔以上。
3 代表となるものを含んで、それに関連するすべてのもの。「校長―教職員一同」
引用(一部抜粋):『デジタル大辞泉』(小学館)
「以下」の持つ意味のなかでも「2.それより後に述べること」という意味では、「下記」の類語だといえます。
例:「以下のとおり、お知らせいたします」
なお、「以下」には「数量や程度が基準値より下であること(例:18歳以下)」という別の意味もありますよ。
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)

「下記」と「以下」ビジネスメールでの使い分け
両者は意味が似ているため、どちらを選ぶか迷うこともありますよね。ここでは、2つの言葉の使い分けと、メールや文書での使い方を確認します。
「下記」と「以下」の使い分け
「下記」は、書面上の記述を前提とした言葉です。一方、「以下」は文書でも会話でも使えることから比較的汎用的で、より広い場面で使える表現です。文書の性質に応じて使い分けましょう。
「下記」「以下」「以上」の正しい使い方
ビジネス文書や案内状では、「下記のとおり」または「以下のとおり」と記した後に中央に「記」と書き、その下に用件を箇条書きで示すことがあります。さらに文末に「以上」を加えることで、「終わり」の意味を示しますよ。
具体的には、このような構成が一般的です。
本文:
「次回の会議日程は、下記のとおりです」または「次回の会議日程は、以下のとおりです」
記
日時:10月5日(水)14:00〜
場所:第3会議室
議題:事業計画案の確認
以上
このように「記」で本文と項目を区切り、「以上」で終えることで、文面がすっきりした印象に整えることができます。「以上」は書き終わりを表す語で、「記」や「以上」が省略された文書は、不備と受け取られる場合もあります。
ちなみに「下記のとおり」「以下のとおり」のどちらを用いても誤りではありません。
メールの場合でも、「下記(または「以下」)のとおりご案内いたします」「以上」といった形で応用することで、情報がより伝わりやすくなります。
参考:『デジタル大辞泉』、『使い方の分かる 類語例解辞典』(小学館)

混同しやすい関連語との違い
「下記」や「以下」と同じく、文中で位置や範囲を示す語には「上記」や、「前述」と「後述」などがあります。これらを正確に区別して使うことで、文章の流れが明確になり、読み手に論理的な印象を与えます。
「上記」
「上記」は、文章の前、または上に書かれた内容を指す言葉です。「下記」「以下」が「これから書く内容」を示すのに対し、「上記」は「すでに書かれた内容」を示します。
前述した情報を再確認する際に便利です。
例:
「上記の件につきまして」
「上記のとおりご連絡いたします」
「前述」「後述」
「前述」は「前に述べたこと」、「後述」は「あとで述べること」を指します。
文書全体の構成や、話の順序を示すときに使います。報告書や研究資料など、体系的に情報を整理する文章で効果的で、文書の構成を意識したい際に重宝します。
例:
「前述のとおり、当社は〜」
「詳細は後述いたします」
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)

「下記」と「以下」の違いに関するFAQ
ここでは、「下記」と「以下」の違いに関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「以下」は数量表現でも使えますか?
A. はい。例えば「六歳以下」「十八度以下」など、基準を含んでそれより下を示します。
数量で基準を含まない場合は「未満」を使います。
Q2. 「下記」「以下」のNGな使い方はありますか?
A. 「下記」と「以下」を同一文中で混在させるのは避けましょう。
最後に
「下記」と「以下」は、どちらもこれから書く内容を示す日本語ですが、使い方や印象には明確な違いはありません。「以下」は比較的柔軟な使い方ができ、数量の範囲を示す際にも活躍します。
実務的な使い分けのルールを理解しておくことで、あなたの文書全体の印象が引き締まり、相手に誤解なく伝わるようになります。次に文章を作るときは、どちらがよりふさわしいかを意識してみてください。
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