迷惑千万とは? 読み方と意味
迷惑千万は「めいわくせんばん」と読み、この上なく迷惑である様子を指します。
・こんな夜中に家に押しかけて来るなんて、迷惑千万だ
・まるで私にメリットがあるかのように説明しているが、常識的に考えれば迷惑千万なオファーだ
なお、千万は「せんばん」と読むときは、「さまざま」や「甚だ(はなはだ)」「まったく」「万が一にも」といった意味があります。
・千万に心を砕いて、おもてなしの準備をした
・明日の試合に千万負けることがあれば、私は監督を辞任しようと思う
迷惑千万のように他の言葉とつなげると、その程度が甚だしいというニュアンスを生みます。
・そのような話し方は無礼千万だろう
・君の行為は迷惑千万だ
また、千万を「せんまん」と読むと、万の千倍という意味になります。転じて、非常に数が多いときにも使われます。
・川に沿って、千万のランタンが飾られていた
・言いたいことは千万ある
他に、千万を「ちよろず」と読むこともあります。
めいわく‐せんばん【迷惑千万】
出典:小学館 デジタル大辞泉
[形動][文][ナリ]この上なく迷惑であるさま。「迷惑千万な話」
迷惑さを伝えたい! さまざまな表現をチェック
迷惑をかけられたときは、単に「迷惑だ」でもよいのですが、相手に迷惑の程度がうまく伝わっていないかもしれません。非常に迷惑をかけられていることを正確に伝えるためにも、次のような表現を使ってみるのもよいでしょう。
・大迷惑
・迷惑千万極まりない、迷惑極まりない
・とんだ迷惑
・本当に勘弁してほしい
いずれも非常に迷惑をかけられたときに使える表現です。それぞれの言葉のニュアンスや使い方を見ていきましょう。

大迷惑(だいめいわく・おおめいわく)
大迷惑は、「だいめいわく」や「おおめいわく」と読み、大変な迷惑や、非常に煩わしく嫌だと感じることを指します。
・毎日、家に夕食を食べに来るなんて、大迷惑です
・ここに車を止めないでください。家族全員が大迷惑に感じています
何度も「迷惑だ」と伝えても相手が行動を改めてくれないときなどには、「大迷惑だ」とはっきりと伝えることが必要です。
迷惑千万極まりない、迷惑極まりない
極まりない(きわまりない)とは、この上なく甚だしいことです。「迷惑」や「迷惑千万」の後につけると、甚だしく迷惑だという意味になります。
・住宅地で窓を開けっ放してドラムを叩くのは、迷惑千万極まりない行為だ
・向かいの家の子どもが、うちの塀に向かってシュートの練習をしている。迷惑極まりない
「極まりない」はさまざまな言葉につなげて使われます。
・駅の手すりを触った手で食事をするなんて、不衛生なこと極まりない
・危うく詐欺に遭いそうになったが、巧妙極まりない手口に思わず感心してしまった
・彼は無礼極まりない人間だ
・机の上は乱雑極まりない状態で、その中から資料を探すのは至難の業だ
・こんな吹雪の中を運転するなんて、愚か極まりない行為だ
強調したい言葉の後ろにつなげると、「非常に……している」という感情が伝わりやすくなります。
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とんだ迷惑
「とんだ」は、話し手の判断の範囲を超えていることを指す言葉です。「意外な」「取り返しのつかない」「とんでもない」「よくない」などの意味で使われます。
・とんだ長居をいたしました。そろそろお暇いたします
・集中力が切れていたのか、とんだ失敗をしでかした
・君は遠慮をしているつもりなのかもしれないが、それはとんだ心得違いというものだ
予想以上の迷惑をかけられたときや、常識を超える程度の迷惑をかけたときには、「とんだ迷惑」と表現します。
・お忙しいところ、とんだご迷惑をおかけいたしました
・急に尋ねてくるなんて、とんだ迷惑だよ
「とんだ」は、「とんだ美人だ」のように強調するときにも使うことがあります。
本当に勘弁してほしい
「勘弁(かんべん)する」は、本来は他人の過失や要求を許してやることですが、うんざりした気持ちを表現する際にも使われることがあります。
・今日も朝から調子外れのバイオリンが聞こえる。もう本当に勘弁してほしい
・気軽な気持ちで声をかけてくれるのは理解しているが、こちらも負担なので、今後は勘弁してください
ストレートに「迷惑だ」と伝えるよりも、少し含みのあるニュアンスがあるといえます。
そもそも迷惑とは?
そもそも「迷惑」とは、ある行為がもとで他の人が不利益を受けたり、不快を感じたりすることです。また、どうしてよいか迷うことや戸惑うことも「迷惑」と表現することがあります。

「傍迷惑(はためいわく)」は迷惑?
「傍迷惑(はためいわく)」とは、周りの人が迷惑をすることや近所迷惑のことです。「迷惑」は自分が迷惑に感じていることを指しますが「傍迷惑」は自分だけではなく他人が「迷惑に感じているだろう」と思われる状態を指します。また、他人が迷惑に感じているといいつつ、本当は自分が迷惑に感じていることを表現している可能性もあります。
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「迷惑」と「厄介(やっかい)」は何が違う?
「厄介(やっかい)」とは、面倒なことや、扱いに手数がかかり煩わしいことです。「迷惑」と類似していますが、他人によってかけられる「迷惑」とは異なり、「厄介」は自分が自分に課した事柄に対しても使われます。
迷惑行為かどうか気になったら相手に尋ねてみよう
日常会話での「迷惑」は、おもに他人の行為に対して使われます。どのような行為が相手にとって迷惑になるかは、行為の受け手しかわかりません。相手に迷惑をかけているのか気になったときは、率直に「ご迷惑ですか」と尋ねるのもよいかもしれません。
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