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「お加減いかがでしょうか」とは?
例えば上司や目上の人が体調を崩された時には、どんな言葉をかけますか? 入院などでお見舞いに行く時なども、かける言葉に迷いますよね。そんな時におすすめの表現が「お加減いかがでしょうか」です。
体調を崩してしまった相手に対して、気遣いを見せる表現になります。本記事では、「お加減いかがでしょうか」の使うタイミングやこの言葉に関する注意点を見ていきましょう。また、それらを踏まえた使い方を例文付きで紹介します。
「お加減いかがでしょうか」以外にも、相手の体調を気遣う表現があるので、それらも一緒に見ていきましょう。
「お加減」のニュアンス
そもそも、「お加減」とはどういうニュアンスなのでしょうか? 「お加減」は「お」と「加減」に分けることができます。「お」は接頭語で、「御」という漢字が使われることもありますね。単語の先頭について丁寧なニュアンスをつけ足す役割があります。
「加減」には、いくつか意味があるのでこの機会におさらいしましょう。加減には、名詞として使う場合と、動詞の連用形や状態を表す名詞につく場合の2パターンがあります。
前者は、「加えること・減らすこと」「程よく調節すること」「ものや物事の状態」「からだの具合」という意味で使われ、「お加減いかがですか」はこちらのパターンになりますね。
後者には、「お湯加減」など「程度」を表したり、「そのような傾向があること」「ちょうど良い程度であること」などを表したりする場合に使われます。
「お加減いかがでしょうか」を使うタイミング
「お加減いかがでしょうか」は、相手の体調を気遣う表現です。したがって、相手の容体が落ち着いたと思われるころに使われる傾向にあります。上司や目上の人が入院した際にメールで使ったり、会社に復帰した際の一言目に言ったりすることが多いです。
「お加減いかがでしょうか」に関する注意点・返し方
「お加減いかがでしょうか」にまつわるポイントをいくつか紹介します。「お加減いかがでしょうか」と言われた時の返し方についてもここで押さえておきましょう。
1:何度も聞かない
いかに相手の体調が優れなかったとは言え、何度も聞くと辟易とさせてしまいます。「機嫌を窺っているのか?」といやな気持ちになる人もいるかもしれません。
「お加減いかがでしょうか」は定型句、いわゆる社交辞令的にも使われる表現なので、基本的に使うのは一度にするのが無難です。
2:使う場所を見極める
相手によっては、周囲に体調不良であったことを隠している場合もあります。自分一人にしか伝えていなかったということですね。したがって、周りに人がいる状態で、「お加減いかがですか」と問うと、周囲に体調が優れなかったことが周囲に知られてしまいます。
相手が何事もなかったかのように振舞っているようであれば、周りに人がいない時を見計らって「お加減いかがでしょうか」と聞くのが良いかもしれませんね。
3:「お加減いかがでしょうか」と言われた時は感謝の気持ちを伝える
今まで見てきた事例とは反対に、自分に対して「お加減いかがでしょうか」と言ってもらった場合はどのように返答すれば良いのでしょうか?
気にかけて体調を心配してくれているということなので、素直に感謝の言葉を述べましょう。その際には、心配をかけてしまったことへの謝罪の意も込めて「ご心配をおかけしてすみませんでした。お気遣いありがとうございます」と言うのがおすすめです。
「お加減いかがでしょうか」の使い方を例文で紹介
ここでは、「お加減いかがでしょうか」の具体的な使い方について紹介します。
1:「お元気そうな姿を拝見できて安心いたしました。その後のお加減はいかがでしょうか?」
病気や怪我などで会えない期間が続き、久しぶりに姿を見ることができた際などに使うことができます。「その後」というのは病気や怪我などの不調の後ということですね。
2:「もし差支えが無いようであればお見舞いに伺いたいのですが、お加減はいかがでしょうか?」
お見舞いなどで会いに行きたい際などで使える表現です。伺いを立てる時は、相手の体調や都合を優先するようにしましょう。
相手の体調を気遣う別表現を紹介
最後に、「お加減いかがでしょうか」以外で、相手を気遣うニュアンスの表現についても紹介します。
1:ご自愛ください
「ご自愛ください」とは、「自分のこと(体調を含む)を大切にしてください」という気持ちを伝える表現です。「自」分を「愛」するという漢字からも意味が推測できますね。自分の身を削って仕事をしている人などに対して「無理せずご自愛くださいね」などと使います。
2:お大事にしてください
「ご自愛ください」と同じように、相手の体調を労わる表現です。「お加減いかがでしょうか」のあとに「お大事にしてください」とつけ足すことで、より相手を思いやる気持ちがあらわせるでしょう。
3:息災をお祈りしています
「息災」とは、「病気をせずに元気でいること」「仏の力で災難を防ぐこと」という意味があります。読み方は「そくさい」です。「息災をお祈りしています」は相手の体調が元気であることを願うという点で、「お加減いかがでしょうか」の相手の体調を思いやるニュアンスと似ていますね。
最後に
本記事では、「お加減いかがでしょうか」のニュアンスや使い方、使うタイミングを紹介しました。具体的な使い方も例文で挙げているので、ぜひ参考にしてみてください。今回は主に、ビジネスシーンおける使い方を紹介しました。
しかし、「お加減いかがでしょうか」は別の使い方もできます。例えば、「お湯のお加減はいかがでしょうか」や「味付けのお加減はいかがでしょうか」などです。「加減」という言葉にさまざまな意味があるため、他にもどんな使い方があるか考えてみることも面白いかもしれませんね。
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