目次Contents
この記事のサマリー
・「お加減いかがでしょうか」は体調や病状を気遣い、丁寧に尋ねる敬語表現です。
・ビジネスメールや目上の人への挨拶文で安心して使える言い回しです。
・相手の体調を気遣う別の表現は「ご自愛ください」「お大事にしてください」「息災をお祈りしています」などがあります。
例えば上司や目上の人が体調を崩された時には、どんな言葉をかけますか? 入院などでお見舞いに行く時なども、かける言葉に迷いますよね。そんな時におすすめの表現が「お加減いかがでしょうか」です。
体調を崩してしまった相手に対して、気遣いを見せる表現になります。
本記事では、「お加減いかがでしょうか」の使うタイミングやこの言葉に関する注意点を見ていきましょう。また、それらを踏まえた使い方を例文付きで紹介します。
「お加減いかがでしょうか」以外にも、相手の体調を気遣う表現があるので、それらも一緒に見ていきましょう。
「お加減」のニュアンス
そもそも、「お加減」とはどういう意味なのでしょうか? 「お加減」は「お」と「加減」に分けることができます。「お」は接頭語で、「御」という漢字が使われることもありますね。他の語の頭につき、丁寧な意をつけ足す役割があります。
「加減」には、いくつか意味があるのでこの機会におさらいしましょう。「加減」は名詞で、体の具合・程度・調整の具合などを表します。「お湯加減」「味加減」のように、前の名詞と結びついて程度・具合を表すこともあります。
前者は、「加えること・減らすこと」「程よく調節すること」「ものや物事の状態」「からだの具合」という意味で使われ、「お加減いかがですか」はこちらのパターンになりますね。
後者には、「お湯加減」など「程度」を表したり、「そのような傾向があること」「ちょうど良い程度であること」などを表したりする場合に使われます。
辞書では、次のように説明されていますよ。
か‐げん【加減】
一[名](スル)
1 加えることと減らすこと。数学で、加法と減法。
2 適度に調節すること。程よくすること。「暖房を―する」「―して採点する」
3 物事の状態・程度。物のぐあい。「風の―で波の音が聞こえる」「湯の―をみる」
4 からだのぐあい。健康状態。「お―はいかが」「―が悪い」
二[接尾]動詞の連用形や状態を表す名詞に付く。
1 ぐあい・程度の意を表す。「焼き―」「塩―」
2 そのような傾向、そのような気味である、の意を表す。「うつむき―」
3 ちょうどよい程度である、の意を表す。「ちょうど食べ―のメロン」「入り―の湯」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)

「お加減いかがでしょうか」を使うタイミング
「お加減いかがでしょうか」は、相手の体調を気遣う表現です。療養中・欠席中など、相手の体調を気遣う場面で用います。状況によっては負担になるため、頻度や連絡手段に配慮しましょう。
上司や目上の人が入院した際にメールで使ったり、会社に復帰した際の一言目に言ったりすることが多いです。
「お加減いかがでしょうか」に関する注意点・返し方
「お加減いかがでしょうか」にまつわるポイントをいくつか紹介します。「お加減いかがでしょうか」と言われた時の返し方についてもここで押さえておきましょう。
何度も聞かない
いかに相手の体調が優れなかったとはいえ、何度も聞くと辟易とさせてしまいます。「顔色を窺っているのか?」と嫌な気持ちになる人もいるかもしれません。
「お加減いかがでしょうか」は定型句、いわゆる社交辞令的にも使われる表現なので、基本的に使うのは一度にするのが無難です。
使う場所を見極める
相手によっては、周囲に体調不良であったことを隠している場合もあります。自分一人にしか伝えていなかったということですね。したがって、周りに人がいる状態で、「お加減いかがですか」と問うと、周囲に体調が優れなかったことが周囲に知られてしまいます。
相手が何事もなかったかのように振舞っているようであれば、周りに人がいない時を見計らって「お加減いかがでしょうか」と聞くのが良いかもしれませんね。

「お加減いかがでしょうか」と言われた時は感謝の気持ちを伝える
今まで見てきた事例とは反対に、自分に対して「お加減いかがでしょうか」と言ってもらった場合はどのように返答すれば良いのでしょうか?
気にかけて体調を心配してくれているということなので、素直に感謝の言葉を述べましょう。その際には、心配をかけてしまったことへの謝罪の意も込めて「ご心配をおかけしてすみませんでした。お気遣いありがとうございます」と言うのがおすすめです。
「お加減いかがでしょうか」の使い方を例文で紹介
ここでは、「お加減いかがでしょうか」の具体的な使い方について紹介します。
「お元気そうな姿を拝見できて安心いたしました。その後のお加減はいかがでしょうか?」
病気や怪我などで会えない期間が続き、久しぶりに姿を見ることができた際などに使うことができます。「その後」というのは病気や怪我などの不調の後ということですね。
「もし差支えが無いようであればお見舞いに伺いたいのですが、お加減はいかがでしょうか?」
お見舞いなどで会いに行きたい際などで使える表現です。伺いを立てる時は、相手の体調や都合を優先するようにしましょう。
相手の体調を気遣う別表現を紹介
最後に、「お加減いかがでしょうか」以外で、相手を気遣うニュアンスの表現についても紹介します。
ご自愛ください
「ご自愛ください」は、健康に気をつけて無理をしないでください、という意味のあいさつ表現です。「自」分を「愛」するという漢字からも意味が推測できますね。
ただし、「ご自愛ください」はすでに体調を崩している相手には使わないのが一般的。体調不良の相手には「お大事にしてください」を使い、「ご自愛ください」は体調が落ち着いた後や、健康な相手への気遣いとして使うのが適切です。
お大事にしてください
「ご自愛ください」と同じように、相手の体調を労わる表現です。「お加減いかがでしょうか」のあとに「お大事にしてください」とつけ足すことで、より相手を思いやる気持ちがあらわせるでしょう。

息災をお祈りしています
「息災」とは、「病気をせずに元気でいること」「仏の力で災難を防ぐこと」という意味があります。読み方は「そくさい」です。「息災をお祈りしています」は相手の体調が元気であることを願うという点で、「お加減いかがでしょうか」の相手の体調を思いやるニュアンスと似ていますね。
「お加減いかがでしょうか」に関するFAQ
ここでは、「お加減いかがでしょうか」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「お加減いかがでしょうか」はどんな意味ですか?
A. 相手の体調や病状を気遣い、具合を丁寧に尋ねる敬語表現です。主に体調不良時や療養中の相手に対して使います。
Q2. ビジネスメールでも使えますか?
A. はい、取引先や上司など目上の相手に対しても使える丁寧な表現です。
Q3. NGな使い方は?
A. 明らかに元気な相手に対して使うと不自然です。また軽い雑談で多用すると大げさな印象になることがあります。
最後に
本記事では、「お加減いかがでしょうか」のニュアンスや使い方、使うタイミングを紹介しました。具体的な使い方も例文で挙げているので、ぜひ参考にしてみてください。今回は主に、ビジネスシーンおける使い方を紹介しました。
しかし、「お加減いかがでしょうか」は別の使い方もできます。例えば、「お湯のお加減はいかがでしょうか」や「味付けのお加減はいかがでしょうか」などです。「加減」という言葉にさまざまな意味があるため、他にもどんな使い方があるか考えてみるのも面白いかもしれませんね。
TOP・アイキャッチ画像/(c)Shutterstock.com

監修・武田さゆりさん
国家資格キャリアコンサルタント。中学高校国語科教諭、学校図書館司書教諭。現役教員の傍ら、子どもたちが自分らしく生きるためのキャリア教育推進活動を行う。趣味はテニスと読書。



