目次Contents
この記事のサマリー
・「イレギュラー」とは不規則・例外的なこと。英語“irregular”が語源です。
・ビジネスでは「イレギュラーな対応」など、通常と異なる業務に使います。
・対義語は「レギュラー」、「通常」。
仕事で「今回はイレギュラーな対応で」と聞くと、ついドキッとしてしまうことはありませんか? 予期せぬ出来事や予定外の業務を意味する「イレギュラー」という言葉。その意味を正しく理解していないと、いざというときスムーズな対応ができず、戸惑ってしまうかもしれません。
この記事では、そんな「イレギュラー」の語源から、ビジネスや日常での具体的な使い方、さらに言い換えや対義語まで、知っておきたい知識を学びます。
「まさか」の事態にも慌てず、スマートに対応できるヒントもご紹介しますので、ぜひ最後まで読んで、言葉の引き出しを増やしてください。
「イレギュラー」とは? 正しい意味と使い方をおさらい
まずは「イレギュラー」という言葉の基本から確認しましょう。
「イレギュラー」の意味
「イレギュラー」という言葉は、辞書にこう記されています。
イレギュラー【irregular】
[名・形動]
1 不規則なこと。変則なこと。また、そのさま。「―な測定値」
2 「イレギュラーバウンド」の略。
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
つまり、イレギュラーは、「決められた規則や通常の形から外れること」を意味します。
「イレギュラー」の語源
「イレギュラー」は英語の“irregular” が語源で、もともとは「不規則」や「不定期」といった意味を持ちます。
日本語で耳にすることが多いのは、野球中継です。「イレギュラーした!」というように、スポーツ用語としての「イレギュラーバウンド」が広く浸透していますね。筆者自身、子どもの頃に「不規則に弾むことなんだ」と、この言葉を理解した記憶があります。

「イレギュラー」の使い方と例文
実際にどのような場面で「イレギュラー」を使うのでしょうか? 日常、ビジネス、スポーツの具体例を見ていきましょう。予定外の出来事をスマートに表現できれば、会話やメールでも活用できます。
「イレギュラー」日常会話での使い方
日常生活では、想定外の出来事や予定変更を「イレギュラー」と表現します。少しくだけた会話の中でも耳にすることが多いでしょう。
例文:
「今日は電車が止まって、イレギュラーな一日になってしまったね」
「そのお店、今日はイレギュラーで早く閉まってしまったみたい。」
「イレギュラー」ビジネスでの使い方
職場では「イレギュラーな業務」「イレギュラーな対応」といった形で使います。マニュアル通りに進められないケースを説明する場合に便利ですが、あまりに頻発すると準備不足の印象を与えることもあるため注意が必要です。
例文:
「イレギュラーな案件ですが、明日までに対応をお願いします」
「今回はマニュアルでは対応しきれず、イレギュラーな判断が求められました」
「イレギュラー」スポーツでの使い方
スポーツでの使用例は、ニュースや会話でも頻繁に登場します。
特に野球で使う「イレギュラーバウンド」は代表的な用例ですね。これは、ボールが地面の凹凸などで予想外の方向に跳ねる現象を指します。英語では“bad hop”や“nasty hop”と言います。
例文:
「グラウンドの状態が悪く、イレギュラーバウンドが多発した」
「あの失点は、イレギュラーが原因だから仕方ないね」

「イレギュラー」の言い換え表現
「イレギュラー」は便利な言葉ですが、相手や場面によっては、もう少しフォーマルな言葉に言い換えた方が、より的確に伝わることがあります。特にビジネスシーンでは、状況に応じた適切な表現を選ぶことが大切です。ここでは、代表的な類語を3つ紹介します。
「異例(いれい)」
「異例」は、「通常とは異なる」「今までに例がない」という意味で、公的な場面でもよく使います。
ビジネス文書やニュース記事などで見かけることが多い表現です。
例文:
「入社2年目での昇進は異例のスピードです」
「異例の寒さで、農作物に影響が出ている」
「不測(ふそく)」
「不測」は、「予測できない」「思いがけない」という意味を持つ言葉です。「不測の事態」という表現で、ビジネスや行政文書でも頻繁に用います。
例文:
「不測の事態に備え、代替案を準備しています」
「不測のトラブルで、会議が延期になった」
「特別(とくべつ)」
「特別」は、「他とは違う」「特に用意された」といった意味を持つ言葉です。「イレギュラー」の持つ予測外の意味とは異なり、はっきり区別して扱う印象が強まります。
例文:
「特別な対応として、早朝に臨時便を運行しました」
「今日は誕生日なので、特別にケーキを用意しました」
「イレギュラー」の対義語
「イレギュラー」は「通常ではない」「例外的」という意味を持つ言葉です。その反対語としては、「通常・正規」を意味する「レギュラー」と「通常」が代表的です。それぞれの使い方と違いを見ていきましょう。
「レギュラー」
英語の“regular”に由来する言葉で、「正規・定型」という意味を持ちます。
日常会話では、「レギュラーコーヒー」「レギュラーメンバー」のように、ごく当たり前のことや正規の立場を指して使います。
例文:
「この商品は、レギュラーサイズが一番人気です」
「彼は常にレギュラーメンバーとして活躍している」
「通常(つうじょう)」
「通常」は、「特別ではなく、普通の状態」を意味する言葉です。
公的な文書やビジネスメールでもよく使う、シンプルでフォーマルな表現です。特別な条件ではないことを強調する際に便利です。
例文:
「通常は9時から営業しております」
「この業務は、通常の流れで進めてください」
イレギュラーな事態にどう対応する?
ビジネスや生活の中で、「イレギュラー」な出来事は避けられません。突然のトラブルや予定外の業務に直面すると、誰もが動揺してしまうものです。そんなときに冷静さを保ち、状況を前向きに切り抜けるためのポイントを3つ紹介します。
落ち着いて状況を把握する
予期せぬ事態に直面すると、慌てて判断を誤ってしまいがちです。まずは深呼吸をして、「いま何が起きているのか」を整理しましょう。
筆者自身、突然のシステム障害に立ち会ったとき、このワンステップだけで気持ちが落ち着いた経験があります。
冷静になることで、その問題が緊急性の高いものか、あるいは落ち着いて対応できるものかを見極めることができます。まずは状況を正しく把握することが第一歩です。
相談・報告で連携を図る
イレギュラーな出来事を一人で抱え込むのは危険です。特にビジネスシーンでは、上司や同僚に早めに報告することで、チーム全体で適切な対応ができます。
「想定外のトラブルが起きましたが、こう対応しました」と伝えるだけでも、周囲の信頼感が高まります。共有や連携は、トラブルの二次被害を防ぐ有効な手段です。

振り返りと改善
イレギュラーな対応が終わった後は、必ず振り返りを行いましょう。「なぜ発生したのか」「今後はどう予防できるのか」を整理することで、次に同じような事態が起きても落ち着いて対処できるようになります。
例えば、「不測のトラブルに備え、代替案を常に準備しておく」といった工夫は、リスク管理として役立ちます。
イレギュラーな出来事を完全に避けることはできませんが、経験を活かして改善する姿勢が信頼につながるのです。
「イレギュラー」に関するFAQ
ここでは、「イレギュラー」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「イレギュラー」はカタカナ語で失礼にあたりますか?
A. 失礼ではありません。
ただし、ビジネス文書ではややカジュアルに響くこともあるでしょう。かしこまった場面では「異例」「不測」「臨時」などの日本語に置き換えると安心です。
Q2. 「イレギュラー」を敬語と組み合わせてもいいですか?
A. 問題ありません。
「イレギュラーな事態が発生いたしました」「イレギュラー対応をお願い申し上げます」など、丁寧語・謙譲語と組み合わせて使えます。
Q3. 「イレギュラー」を会話でスマートに使うコツは?
A. 具体的な状況と一緒に使うと伝わりやすいです。
例えば「今日はイレギュラーですが、午前中に会議が入りました」と言えば、聞き手がすぐに理解できます。
最後に
本記事では、「イレギュラー」の意味や使い方、言い換え表現などを紹介しました。どんな事態でも冷静に対処できる人は余裕があって格好よく見えますよね。そこで、イレギュラーなトラブルに冷静に対応する方法についても紹介しました。
自分なりに、気持ちを落ち着かせる方法を持っておくと、イレギュラーな事態にも冷静に対応しやすくなるかもしれませんね。
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