「ミスリードを誘うストーリーだ」といった言葉を、聞いたことはありませんか? ミスリードは、ドラマや小説に関する解説記事や、ビジネスシーンでも使われる言葉です。本記事では、ミスリードの意味や誤用と思われてしまう表現、類語まで詳しく解説します!
「ミスリード(mislead)」とは?
まずは、ミスリードの基本的な意味や語源について解説していきます。イマイチ意味がわからない、という方はぜひチェックしてみてください!
意味・語源
ミスリードとは、「相手を誤解させること」「見出しと記事の内容が大きく異なること」。このように、2つの意味があります。
もともとは、英語の「mislead」が語源です。「mislead」は、「誤った」という意味の「mis」と、「仕向ける」「導く」という意味の「lead」という2つの言葉から成り立っています。この2つを合わせることで、「誤るように導く」=「誤解させる」といった意味になるのです。
ミスリードは、ミステリー小説やアニメ、ドラマなどにおいて、読者や視聴者に誤解を与えるような表現をさして使われることが多いですね。そのほか、大袈裟な見出しや煽るような見出しを立てているものの、実際の記事内容とは大きく異なる… といったネットニュースに関しても、ミスリードという言葉が使われます。
混同しやすい「ミスリード(misread)」の意味は?
「ミスリード」と聞いて、ひょっとしたら「misread」と勘違いした方もいるかもしれません。「mislead」も「misread」も、カタカナにすると「ミスリード」ですが、意味が異なります。
意味・語源
ミスリード(misread)とは、「mis」と「read」が組み合わさった単語。すでに説明したように、「mis」の意味は「誤った」で、一方、「read」の意味は「読む」です。つまり、ミスリード(misread)とは「読み誤る」「誤解する」ことをさします。
「mislead」も、「misread」も、「誤解」という意味を含む点は同じです。ですが、「mislead」は「誰かに何かを誤解させる」という使役の意味合い。一方、「misread」は、自分自身が「誤解をする」という意味なので、その点が違いです。
なお、「mislead」も「misread」も、正しい英単語ではあります。しかし、基本的にカタカナ語で「ミスリード」が使われる時には、「mislead」の方の意味をさすことが多いです。
使い方を例文でチェック!
続いては、ミスリードの実際の使い方を紹介します。ミスリードは、「ミスリードをする」「ミスリードを招く」といった表現で使えますよ。ここでは、ミスリードが持つ2つの意味、それぞれに分けて使い方を紹介します!
1:「相手に誤解をさせる」という意味で使う場合
まずは、ミスリードの1つ目の意味「相手に誤解をさせる」の使い方を紹介しましょう。この意味でミスリードを使う場合、どんでん返しがある小説やドラマ、映画などに関して使うことが多いです。例えば、犯人はAだと思わせるストーリー展開だったのに、実はBだったなど。
なお、「ミスリードを誘う」という表現も時折目にしますが、ミスリードという言葉自体に「相手に誤解をさせる」という使役の意味合いが含まれています。そのため、「ミスリードを誘う」だと、「重複表現で誤用だ」と思われてしまう可能性もあるため注意しましょう。
<例文>
・ミスリードを招くようなセリフや役者の芝居は、見事なものだった。
・この映画には、ミスリードする描写がたくさん盛り込まれていて、とても面白い。
・ミスリードの要素がある小説は、いつの時代も人気だ。
2:「見出しと記事の内容が大きく異なること」という意味で使う場合
次に、「見出しと記事の内容が大きく異なること」という意味で使う場合の例文を紹介します。この場合は、ネットニュースや新聞、広告などについて使うことが多いです。具体的には、商品の内容が実際よりも良いように見せる広告や、読者を煽るような見出しを立てた記事など。
期待して商品を購入したり、記事を閲覧したのに、「実際はそうでもなかった」と、失望させてしまうため、この意味でミスリードを使う場合はネガティブな意味合いを含むことが多いです。
<例文>
・この広告は誇張した表現を使っているため、ミスリードと思われかねない。
・大袈裟なタイトルは、ミスリードを招いてしまうので避けるべきだ。
・読者のミスリードを招く記事は、炎上しやすい。
類語や言い換え表現は?
ミスリードの正しい意味を把握しているという方は、意外と少ないかもしれません。誤解を避けるために、言い換え表現を使った方が無難なこともあるでしょう。ここでは、ミスリードの言い換え表現をいくつか紹介します。
1:誤解させる
ミスリードの言い換え表現として、「誤解させる」が一番シンプルですし使いやすいでしょう。あらためて意味をおさらいしておきます。誤解とは、「ある物事に関して、間違った解釈をすること」。
「誤解させる」は、「誤解」に、使役の「〜させる」がついた言葉ですから、「間違った解釈をさせること」という意味になります。「ミスリードを招くストーリー展開だ」は、「誤解をさせるストーリー展開だ」と言い換えて使ってみましょう。
2:勘違いさせる
「勘違いさせる」も、ミスリードの言い換え表現として適切でしょう。勘違いとは、「事実を間違って理解すること」という意味なので、「勘違いさせる」は「間違って理解させること」をさします。
3:誤情報
フェイクニュースの増加とともに、「誤情報」という言葉を見聞きする機会も増えたのではないでしょうか。「誤情報」とは、その漢字が表す通り、「誤った情報」です。ミスリードは「見出しと記事の内容が大きく異なること」という意味を持ちますから、場合によっては「誤情報」と言い換えることもできるかもしれません。
最後に
今回は、ミスリードという言葉について様々な角度から解説しました。「(自分が)誤解をする」という意味で覚えていた方は、この機会に「相手に誤解をさせる」「見出しと記事の内容が大きく異なること」という意味で覚え直してみてくださいね。
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