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2020.10.02

「痛み入ります」の意味や使い方とは? 類語・使える相手・注意点もご紹介

「痛み入ります」という言葉を聞いたことがありますか? ビジネスなど、フォーマルなシーンで目上の相手の厚意に対して、恐縮しながらも感謝伝える際に用いられます。今回は、「痛み入ります」の正しい意味や使い方を例文を用いて解説していきます。

【目次】
「痛み入ります」の意味や使える相手とは?
「痛み入ります」の使い方を例文でチェック
「痛み入ります」と言われた時の返答例は?
「痛み入ります」の類語は?
「痛み入ります」と「恐れ入ります」の違い
「痛み入ります」を使う時に注意したいこと
「痛み入ります」の英語表現
最後に

「痛み入ります」の意味や使える相手とは?

聞いたことはあるけれど、今一つ意味がわからない言葉のひとつ「痛み入ります」。若い世代には馴染みがないかもしれませんが、知っておくと安心です。

(c)Shutterstock.com

「痛み入ります」はどういうシーンで使われる言葉なのでしょう。意味とともに解説しましょう。

◆痛み入りますの意味

「痛み入る」とは、目上の相手の厚意や親切に対して、恐縮しながらも、感謝の気持ちを伝えるときに使う言葉です。「痛み」から、何かネガティブな意味を想像していた人もいるかもしれませんが、基本的には感謝を表すポジティブな表現です。ただし、「恐縮」、つまり「申し訳なく思いつつも」というニュアンスが含まれることが特徴と言えるでしょう。

◆痛み入りますを使える相手

「痛み入ります」は、かなりフォーマルなシーンで使う言葉です。使う相手は、必ず目上の人。たとえば、かなり立場の違う上司がアドバイスしてくれたとき、「ご忠告、痛み入ります」というように使います。

また、「痛み入ります」は、最大級の感謝・誠意を表す言葉として覚えておきましょう。普通の「ありがとう」と同じ気持ちで使うと、逆に嫌味に感じられることがありますので注意したいものです。

「痛み入ります」の使い方を例文でチェック

(c)Shutterstock.com

では、「痛み入ります」の具体的な使い方を確認しておきましょう。

1:お力添え、痛み入ります

お力添えに深く感謝するという意味です。「ご厚情、痛み入ります」もほぼ同じ意味です。

2:わざわざご足労いただき、痛み入ります

「わざわざ来てもらってありがとう」を、最大級に感謝し、同時に申し訳なく思っていることを伝えています。

3:ご高配、痛み入ります

ビジネスシーンでよく見かけるフレーズです。「平素は格別のご高配を賜り、誠に痛み入ります」というフレーズをビジネスレターなどで見かけますね。かなりへりくだった姿勢から感謝の意を述べています。

「痛み入ります」と言われた時の返答例は?

(c)Shutterstock.com

では、逆に「痛み入ります」と言われたらどうしますか? ビジネスシーンでは言われる側に回ることもありますので、失礼のない返事を覚えておきましょう。

1:滅相もありません

まずよく使われる返事として「滅相もありません」があります。「滅相もございません。こちらこそありがとうございます」などと答えましょう。

2:とんでもないことです

「痛み入ります」の返答として、「とんでもないことです」という言葉もあります。これは「滅相もない」と同じような意味ですが、注意したいのはその誤用。「とんでもないです」「とんでもございません」などをよく聞きますが、実は間違いなので注意しましょう。

3:ありがとうございます。お役に立ててよかったです

慣れない「痛み入ります」という言葉で感謝を伝えられたからと言って、返す側も慣れない言葉を使わなければいけないということはありません。素直に、お礼を返し、「役に立ててよかった」と伝えるほうが好感が持てるかもしれません。

「痛み入ります」の類語は?

(c)Shutterstock.com

自分で使うにはちょっとハードルが高そうな「痛み入ります」。言い換えられる類語を知っておくと心強いですね。

1:お心遣いに感謝します

「痛み入ります」を、やさしく言い換えるとこうなります。相手の年齢や、あなた自身の年齢によっては、この言い方のほうが、気持ちが素直に伝わるかもしれません。

2:深謝いたします

ビジネスシーンで使える類語として覚えておきたいフレーズです。特にメールなど、書き言葉の場合には「本当にありがとうございました」とするよりも、「深謝いたしております」としたほうが、よりフォーマルな雰囲気になります。

3:恐縮です

「痛み入ります」に代わる言葉として便利な言葉です。「痛み入ります」と同様に、相手に感謝する気持ちや、申し訳ない気持ちを含んでいます。「お忙しいところ恐縮ですが…」と形式的に使うこともできますし、「お取り計らいに恐縮しております」と深く感謝の意を示すときにも使えます。状況に応じて使い分けましょう。

「痛み入ります」と「恐れ入ります」の違い

(c)Shutterstock.com

「恐縮です」に似た言葉で、「恐れ入ります」という言葉がありますね。「恐れ入りますが、お戻りになったらご一報ください」などというように使われます。「痛み入ります」は、相手の行為に胸が痛くなるほどの思いで感謝するという意味で使われ、申し訳ないほど、というニュアンスが含まれます。

一方で、「恐れ入ります」は、へりくだっていうニュアンスのほうが強くなります。微妙な違いなので難しいですね。深い感謝の気持ちを伝えるとき以外は、「恐れ入ります」「恐縮です」とすれば、おおむね問題ないでしょう。

「痛み入ります」を使う時に注意したいこと

すでに述べましたが「痛み入ります」はかなりフォーマルなシーンで、しかも確実に深い感謝の意を伝えたいときに、目上の人に対してだけ使う言葉です。カジュアルな場で「痛み入りますー」などと軽々しく言うと、相手に「失礼な!」と思わせてしまうかも。

また「ご忠告、痛み入ります」も、内容によっては「言われなくてもわかっているよ!」という皮肉にとられるといった心配もあります。「痛み入ります」を使うシーンは、かなり限定的であることを覚えておきましょう。

「痛み入ります」の英語表現

深い感謝の気持ちを英語で伝えたいときにはどういえばいいのでしょう。欧米には感謝の意を伝えるときに、申し訳なく思うという文化はあまりありません。相手に対する感謝は、真っ直ぐに感謝として伝えるのが一般的です。

なので「痛み入ります」は「Thank you so much.」となります。「ご厚情、痛み入ります」の場合には、「Thank you so much for your kindness.」。「痛み入ります」の用法は、英語のほうが簡単ですね!

最後に

(c)Shutterstock.com

「痛み入ります」の意味や使い方、使う際の注意点などを解説しました。なかなか使うチャンスは少ないかもしれませんが、いざというときにスマートに使いましょう。ビジネスシーンでは、感謝の意を示す機会は多いもの。その最大級として知っておけば、きっと役に立つはずです。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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