『お気遣い』と『お心遣い』の使い分けをマスター!
感謝の気持ちを伝えるときなどによく使うフレーズ、「お気遣いありがとうございます」と「お心遣いありがとうございます」どちらも使ったことや聞いたことがあると思うのですが、状況に応じて使い分けていますか? 早速、意味をチェックしてみましょう。
◆お気遣いとお心遣いはなにが違うの?
【気遣い】とは、
1:あれこれと気をつかうこと。心づかい。
2:よくないことが起こるおそれ。懸念。
【心遣い】とは、
1:あれこれと気を配ること。心配り。配慮。
2:祝儀。心付け。
いずれも感謝の気持ちを伝える際に用いるのは[1]の意味。いろいろ気にかけてくださってありがとうございます、という気持ちを込めて使います。気遣いの意味の説明に心づかいと含まれているように、相手に気をつかう様を指すとても似ている言葉ですよね。しかし、お気遣いとお心遣いは、同じく相手への気配りに対する言葉ですが、そのニュアンスは異なります。
『お気遣い』は「気をつかうこと」、『お心遣い』は「心をつかうこと」。
「気」は「意識」、「心」は「思いや内心」という意味であり、気遣いは意識的に相手に対応するのに対し、心遣いは心から、思いやりをもって相手に対応するというニュアンスの違いが感じ取れますね。
つまり相手を想っての行動のうち、お気遣いのさらにワンランク上がお心遣いというイメージです。
◆ものを伴う相手の好意への感謝は『心遣い』
お心遣いの2つ目の意味には祝儀とあるように、贈り物をいただいた際などは『お心遣い』を使います。“ものを伴う相手の行為に対する感謝”は『お心遣い』になるんですね。
そういった違いから「どうぞお気遣いなく」と言いますが、「どうぞお心遣いなく」とは言わないんですよ。
いかがでしたか? 微妙なニュアンスの違いですが、場面によって使い分けることで、相手への感謝の気持ちがきちんと伝わるようにしたいですね。
言葉の意味/デジタル大辞泉
鶴田初芽
都内在住のOLライター。マナーインストラクターであり、実用マナー検定準一級や敬語力検定準一級など、ビジネスにおけるマナーや、マネーに関する資格(2級ファイナンシャル・プランニング技能士、金融コンプライアンスオフィサー、マイナンバー保護オフィサー)などを保有。丁寧な暮らしに憧れ、断捨離修行中!