「時は金なり」とは?
「時は金なり」という言葉、文字にするとたった5文字です。しかし、端的に真理をついていますよね。一度は耳にしたことがある表現なのではないでしょうか? 本記事では、この「時は金なり」の意味や英語表現、使い方を紹介します。また、時間に関する言葉についても知見を深めていきましょう。
「時は金なり」の意味
「時は金なり」とは、「時間はお金のように貴重であるから、大切にしなければならない」ことを表したことわざです。ただし、時間はお金のように稼ぐことはできません。失った時間を取り戻すことも。したがって、ひょっとしたら時間は、お金よりも大切にすべきことなのかもしれませんね。
「時は金なり」の英語表現
実は、「時は金なり」ということわざは、もともと英語圏のことわざだったという説があります。英語では、「Time is money」ということわざがあるのですが、このことわざが日本に入ってきて、「時は金なり」と翻訳されたのだとか。
移入後は日本独自に発展を遂げ、「時間を大切に努力をすれば、成功し富を得ることができる」という意味をも含むようになったと言われています。
時間はお金と同じように大切だという考え方は、世界共通の認識であるということが、このことからうかがえますね。
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)・『故事俗信ことわざ大辞典』(小学館)
「時は金なり」の使い方を例文を用いて紹介
「時は金なり」の使い方を紹介します。「ことわざって、普段あまり使う機会がないな」という方も多いかと思いますが、ぜひ積極的に使ってみてください!
1:「遊ぶのを我慢して資格の勉強をした。その結果、恵まれた今があるから、まさに時は金なりだった」
やりたいことやつらい気持ちを我慢して、将来のために今の時間を使うのは簡単なことではありません。しかし、このような時間の使い方は、のちの自分にいい影響を与えてくれるはず。それは、お金に限らず、経験や信頼、仲間かもしれませんね。
2:「時は金なりだって分かっているけれど、ついついスマホを触ってしまうのが最近の悩みだよ」
「時は金なり」は、カジュアルな場面の会話などでも使うことができます。また、時間は有限で有効活用すべきだと分かっていても、ついつい無駄遣いをしてしまう… なんて方も多いのではないでしょうか? 時間の使い方は工夫する必要がありますが、休息の時間も必要です。そのあたりのバランス調整はとっても難しいですよね。
3:「時は金なりと言います。皆さんで協力して、効率よく作業を進めていきましょう!」
職場などで、士気を高めるために使うこともできますよ。ことわざなので、決まり文句のように添えることで、場の空気を引き締める効果が期待できるでしょう。
時間に関連する言葉について
ここまでは、「時は金なり」について紹介してきました。昔から時間の使い方や感覚は大切にされています。そのため、時間に関することわざや慣用句がたくさんあるのです。そこで、一部にはなりますが、時間に関連する言葉をすこしだけ紹介しますね。
1:時の花をかざす
「時の花をかざす」という言葉を知っていますか? 「時勢にあって栄える」という意味です。あまり馴染みはないかもしれませんね。日本語らしい繊細で美しい表現です。
日本では、平安時代からその季節の花や草木を髪に挿す「挿頭(かざし)」という文化がありました。このことから、「時の花をかざす」が「時勢にあって栄える」という意味で用いられるように。
2:時は人を待たず
「時は人を待たず」とは、「時間は過ぎやすく、チャンスは失われやすい」ことを表します。読んで字のごとく、時間は私たちを待ってはくれません。だからこそ、時間というものは非常に大切にすべきもので、「時は金なり」とも言われるのです。
3:時を争う
比較的、馴染みのある表現も紹介します。「時を争う」とは、「ある物事を少しでも早く行おうとする」こと。「一刻を争う」などとも言いますね。切迫した状況に際して使われることが多いです。
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)
時間を大切にする方法は?
本記事では、「時は金なり」しかり時間の大切さをお伝えしてきました。しかし、分かってはいても時間を大切にするってなかなか難しいですよね。そこで、最後に時間を大切にする方法について、一緒に考えてみませんか? 気の持ちようで、時間の使い方はいかようにもなります。ぜひ、今から実践してみましょう!
1:やることリストを作成する
寝る前に次の日のやることを書き出して、リスト化しておきましょう。朝のルーティンにしてもいいですね。やることを明確にしておくと、一日の時間の使い方を組み立てやすくなります。
また、チェック式にしておけば、タスクをこなすごとに達成感を得ることができるのでおすすめです。
2:スマホに利用制限をつける
「だらだらスマホを触ってしまう」という方は、スマホの機能で利用制限をつけてみましょう。没頭してしまっても、強制的にロックされてしまえば「こんなに時間を使っていたんだ」ということが客観的に分かります。
3:リラックスする時間も確保する
いかに「時は金なり」とは言っても、ずっと頑張り続ける必要はありません。頑張るときとリラックスするとき、この両方をバランス良くすることこそが、結果的に「時は金なり」に繋がります。
「この時間は好きなことをする時間!」と決めたら、その時間は自分がいちばんリラックスできることや楽しめることをする時間にしましょう。オンとオフのスイッチの切り替えを意識してみてください。
最後に
「時は金なり」への理解は深まったでしょうか? 時間は平等だからこそ、使い方によってその人の人生が左右されると言っても過言ではありません。ぜひ、この機会にご自身の時間の使い方と向き合ってみてくださいね。
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