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2023.11.20

「玉に瑕」ってどういう意味? 使い方や類語、間違えやすい表現も解説

「玉に瑕」とは、ほとんど完全である中で、ほんのわずかな欠点があること。それさえなければ完全である状態のことを表します。「玉に瑕」の「瑕」は「傷・疵」などと表記を間違えやすいため、注意しましょう。本記事では、「玉に瑕」の意味や使い方、類語・対義語表現について解説していきます。

「玉に瑕」の意味は?

「玉に瑕」という言葉を聞いたことはあるでしょうか? 読み方は「たまにきず」です。読み間違いや誤用もされやすい表現ですので、まずは意味をしっかり確認していきましょう。

パズル
(c)Adobe Stock

「玉に瑕(たまにきず)」とは、ほとんど完全であるのに、ほんのわずかな欠点があることです。ここでいう玉(たま)は「光沢のある美しい石・宝石」を意味します。そして瑕(きず)は、欠点や不完全な部分を意味する言葉。どれだけ綺麗な宝石でも、ほんのわずかな傷がついていたら販売することはできませんよね。

このように、「それさえなければ完全であるのに…」という状態を「玉に瑕」と言います。優れた人物や事柄に惜しい欠点を見つけたときは、このように表現できるでしょう。また、「玉に瑕」は漢字表記や読み方の間違いが多い慣用句でもあります。「玉」を「珠」と表記したり、「瑕」を「傷」「疵」と表記しないよう気をつけましょう。

「瑕」が「暇(ひま)」と似ているため、読み間違えるケースも多いです。漢字や読み方を間違えないよう、使われている漢字の意味も理解しておくと良いでしょう。

「玉に瑕」の由来とは…?

「玉に瑕」は古くからある言葉で、中国に由来しているのだとか。ここではその由来について詳しく解説していきますね。

カラフルなビー玉
(c)Adobe Stock

「玉に瑕」は「玉瑕(ぎょっか)」という言葉に由来していると言います。「玉瑕」とは、傷がついている宝石のこと。古代中国の思想書、『論衡(ろんこう)』や『淮南子(えなんじ)』には「玉瑕」の記述が残されています。玉瑕のように、たとえ優れた材料からつくられる優れた宝石でも、わずかな傷があれば宝石とは呼べない。

そんな様子から、「玉に瑕」という言葉が生まれたと言います。

使い方を例文でチェック!

立派なものにわずかな欠点があることを指す「玉に瑕」ですが、人と物どちらに対しても使うことができます。実際に例文を用いて、使い方を見ていきましょう。

ブロック
(c)Adobe Stock

1:人当たりが良くて皆から好かれる彼女だが、遅刻癖があることが玉に瑕である

仕事ではテキパキと時間通りに行動していても、プライベートになると時間にルーズになってしまう… という方もいるでしょう。数回は許してもらえるかもしれませんが、遅刻が何回も続くと、たとえ仲の良い友人であっても愛想を尽かされてしまうかもしれません。プライベートでも、時間管理には気をつけたいですね。

2:普段は面倒見が良く、頼りになる先輩だが、女癖が悪いという噂があるのが玉に瑕だ

性格や人柄が完璧であっても、異性関係がこじれている人は悪い印象を持たれてしまいがちです。たったひとつの欠点がその人の良さを薄めてしまう。まさに「玉に瑕」ですね。特に職場では噂が広まりやすいので、人付き合いでは揉めないよう心がけましょう。

3:とても美味しいケーキなのに、トッピングが崩れているのが玉に瑕で残念だ

今回は人ではなく物に使うパターンですね。食べ物は味だけでなく、盛り方などの見た目も大切です。いくら美味しい食べ物でも、雑な盛り方がされていると残念に思えてしまいますよね。ある部分だけに注意を払うのではなく、全体的に気を遣うことが大切なのです。

4:このパソコンは便利だが、重くて持ち運びにくいのが玉に瑕である

パソコンの中でも、スマートで軽く、持ち運びやすいものもあれば、大きい画面で見やすさに特化しているものもあり、種類は様々です。しかし最近は、次々と新しい商品が生まれていますよね。現代の技術では、便利な機能と持ち運びやすさを兼ね揃えた機械を作ることも実現可能でしょう。

「玉に瑕」の類語を紹介

「玉に瑕」の類語表現には「白壁の微瑕(はくへきのびか)」「弁慶の泣き所(べんけいのなきどころ)」「玉の盃底無きが如し(たまのさかずきそこなきがごとし)」などがあります。それぞれの意味について、以下で解説していきますね。

1:白壁の微瑕(はくへきのびか)

「白壁」とは、白い宝玉のこと。白い色の美しい宝石にわずかな傷があることから、ほとんど完璧な物事に対してわずかな欠点があることを意味します。「玉に瑕」と同義で使うことができるでしょう。

2:弁慶の泣き所(べんけいのなきどころ)

これは皆さんもよく知っている言葉ですね。弁慶ほど武勇に優れた人でも、痛がって泣くほどの急所。転じて、弱点のことを指します。「玉に瑕」とは若干ニュアンスが違いますが、優れた人の唯一の弱点、という意味で類語表現として挙げられるでしょう。

3:玉の盃底無きが如し(たまのさかずきそこなきがごとし)

外見は極めて良いものの、肝心な部分が抜けており、使い物にならないということ。「玉の盃」とは、立派な材料で作った美しい杯のことです。どんなに美しい杯でも、底が抜けていれば使えませんよね。由来には、中国の思想書『韓非子』が関係しているそうです。

「玉に瑕」の反対の意味をもつ表現は?

「玉に瑕」の類語表現として、3つの表現を解説しました。若干ニュアンスの違いがあるため、シチュエーションによって使い分けが必要でしょう。次は、「玉に瑕」の反対語を紹介します。

「玉に瑕」の反対語として「瑕に玉(きずにたま)」という言葉があります。「玉に瑕」をそのまま逆さにした慣用句ですね。「欠点だらけの中に少しだけ美点があること」を表します。「店は狭く、店員の態度も気に食わないが、料理の味だけは美味しい。瑕に玉である」というように使うことができるでしょう。

最後に

いくら綺麗な宝石であっても、わずかな傷で良さが台無しになってしまう。そんな様子を表したのが「玉に瑕」という言葉です。自分の中では些細な欠点だと思っていることも、早いうちに改善しておくべきでしょう。

TOP画像/(c)Adobe Stock

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