「再三再四」とは?
「再三再四」という言葉は、あまり馴染みがないという方が多いと思います。しかし、「再三」ならどうでしょうか? 「再三言っても聞かない」のように、しばしば使われることがあります。「再三」には覚えがある! という方もいらっしゃるかもしれませんね。
本記事では、「再三再四」という四字熟語の意味や英語表現を紹介します。「四字熟語って、日常生活では使いにくい印象がある…」という方のために、「再三再四」やその他、日常生活でも使いやすい四字熟語の使い方も一緒に見ていきましょう!
「再三再四」の意味
「再三再四」とは、「何度も繰り返し行われるさま」を表す四字熟語。「ある動作が二回も三回も行われること」を表す、「再三」を強調した言い回しです。ちなみに「再三」は「さいさん」と読み、「再三再四」は「さいさんさんし」と読みます。声に出すと意外と言いにくく、早口言葉のような四字熟語です。
「再三再四」の英語表現
四字熟語は、4つの漢字で端的に物事を表現します。そのため、英語での言い換えも難しそうなイメージを抱きがちです。ところが! そんなことはありません。このような場合には、シンプルに考えるのがポイントになります。
「再三再四」は、「繰り返しの動作」を表す四字熟語。したがって、英語では「repeat」を用いて表現することができます。例えば、「She repeated the mistakes of the past(彼女は、過去の間違いを繰り返す)」のように用いて、「再三再四」と同じ意味を伝えることが可能です。
他には、「over and over again」という表現で表すこともできます。「何度も何度も繰り返して」という意味です。「I have studied English over and over.(何度も繰り返し英語の勉強をした)」というように用います。
「再三再四」の使い方を例文を用いて紹介
続いては、実際に「再三再四」はどのように使うことができるか紹介します。
1:「再三再四にわたり注意されていたようだが、入居者の騒音が収まることはなかった」
「再三にわたり」とも言います。「何度も繰り返し行ってきましたが」というニュアンスです。「再三再四」は、繰り返し行われる忠告や指摘、注意喚起などに対して使うことができます。
2:「もう冬服は買わない! と、再三再四言っていたのに結局買っちゃったよ…」
「再三再四」は、角ばった漢字のかたちや言葉の響きから、なんとなく会話のなかで使いにくいイメージを持たれがちです。しかし、この例文のように会話のなかでも使うことができます!
3:「再三再四言ってきたが、何度言っても直らない彼女の悪癖にうんざりする」
実は、「再三再四」はネガティブな事柄とあわせて使われることが多い四字熟語です。これまで紹介してきた例文も、「繰り返し行ってきた注意や宣言が、意味をなさなかった」という意味とともに「再三再四」が使われています。
したがって、「再三再四成功してきた」のような、ポジティブな言い方はあまり一般的ではありません。
日常生活でも使える便利な四字熟語集
普段の会話のなかで、四字熟語を使って話すことはあまりないかもしれませんね。日常生活のなかでもネットスラングが使われるような昨今では、ますます使う機会が減っていくのではないでしょうか? そんな時代だからこそ、あえて四字熟語を織り交ぜながら会話を楽しんでみるのもまた一興。かえって新鮮で面白いかもしれません。
そこで、日常生活でも使いやすい四字熟語を紹介します!
1:一朝一夕
「一朝一夕」とは、「短い時間」のこと。「いっちょういっせき」と読みます。「一日か一晩か」から「一朝一夕」という言葉が生まれました。「それは、一朝一夕にできることではないから、すごいよ」など、会話のなかでも使うことができます。「一朝一夕にできない」という言い回しのなかには、「長い年月をかけなければ成し遂げることは不可能だ」という意味が込められています。
この例文のような言い回しをすることで、相手のその努力を尊敬の意を込めて褒め称えることができますよ。
2:満身創痍
「満身創痍」は、「まんしんそうい」と読みます。「全身が傷でいっぱいであること」という意味です。そこから転じて、「徹底的に痛めつけられる」という意味で使われることもあります。
例えば、「毎日休みなく働いて、もう満身創痍だ」のように、外傷だけでなく疲労や精神的な傷を例えることも可能です。
3:四面楚歌
「四面楚歌」とは、「敵に囲まれて孤立している状態」や「敵に包囲され、助けがないこと」を表します。「職場での環境は、まさに四面楚歌だ」のように使うことが可能です。ビジネスシーンなどにおいては、自分の意見に賛同する人が周りにいない状況を指します。
4:試行錯誤
「再三再四」と同じように、「繰り返すこと」を表す四字熟語も紹介しますね。「試行錯誤」は、「さまざまな方法を試し、失敗も繰り返しながら問題を解決したり成長したりすること」です。「しこうさくご」と読みます。
「再三再四」は、「(ネガティブな意味で)何度も繰り返している」ことを表す場合が多いです。しかし、「試行錯誤」は、「(前に進もうというポジティブな意味で)何度も繰り返している」という意味合いで使われます。
最後に
「再三再四」をはじめ、四字熟語は案外日常生活の中でも使うことができます。「再三再四」は「再三」をより強調した言い方です。「再三」と言っても意味は通じますが、とくに注意喚起などの場では「再三再四」と言ったほうが念押しとして効果がありそうですね。
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