「都合がいい」とは?
「都合がいい」という表現には、大きく分けて2種類の使い方があります。一つは、ビジネスシーンで相手のスケジュールを伺いを立てるときです。もう一つは、マイナスの意味で相手を形容する場合に使います。
本記事では、それぞれの意味をおさらいしたうえで、「都合がいい」の使い方や、敬語表現、「都合がいい」人の特徴について紹介しましょう。
「都合がいい」の意味
まずは、「都合がいい」の読み方から。「都合」は、「つごう」と読みます。「都合」にはいくつかの意味があり、「他の人や事柄に影響を及ぼす事情」「具合が良いか、悪いか」「予定や金銭などのやりくりをすること」「すべて、ひっくるめて」などです。次に、場合に分けて、細かく意味合いをチェックしていきましょう。
スケジュールを立てるという意味での「都合がいい」
「都合がいい」という表現をされるときは、一般的に、「他の人や事柄との兼ね合いがうまくいくこと」という意味で使われることが多いようです。
いつなら自分と相手のタイミングが合うかどうかを聞くときに、「都合のいい日はある?」というように使います。気心の知れた相手であれば、このような使い方で問題ありません。ただし、上司など目上の相手に使いたい場合は、表現を工夫したほうが丁寧ですので、後の項目で解説しましょう。
マイナスの意味での「都合がいい」
スケジュールを立てるときに使われる「都合がいい」には、特にマイナスのイメージはありません。しかし、「都合がいい」人、となるとネガティブなニュアンスになります。
本来、「都合がいい」とは、「他の人や事柄との兼ね合いがうまくいくこと」などといった意味です。しかし、他人の事情を考えずに、自分のことしか考えない人に対しては、皮肉的に「ずいぶんと都合がいい人だな」というように使うことがあります。
「都合がいい」の英語表現とは?
特にビジネスシーンにおいて、アポイントメントを取ったり、スケジュールを調節したりする機会も多いでしょう。そんなときに、英語での表現の仕方も覚えておくと役に立ちますよ。
1:When would you be free?(都合のいい日はいつですか?)
相手にいつ空いているかということを聞きたい場合は、「when」を使って質問しましょう。「would」は、相手に丁寧な印象を与える表現です。
2:Are you available on Sunday?(日曜日は都合が良いですか?)
「available」は、「利用可能」「都合がいい」という意味をもつ形容詞です。「on」の後に日時をつけ足すことで、「○○日は空いていますか?」と質問することができます。
「都合がいい」の使い方を解説!
続いて、「都合がいい」の使い方について解説します。「都合がいい」は、相手とのスケジュールを合わせる際に、「いつなら都合がいい?」などと使うことができますが、上司や取引先の相手など、場合によっては言い方を変えたほうがいいケースも。
「都合がいい」の敬語表現も交えながら、実践的な使い方を紹介しますので、ぜひこの機会にマスターしてみてくださいね。
1:ご都合はいかがでしょうか?
「都合」に尊敬の意を表す接頭語「ご」をつけて、敬意を高めた表現です。「いかかでしょうか」は、ビジネスシーンで使うことのできる便利な表現のひとつで、相手の状態を問うときに用いられます。
「○日に合同ミーティングを予定しておりますが、ご都合はいかがでしょうか?」など、既に日時が決まっていて、相手が出席できるかどうかを知りたい場合などに使われることが多いようです。
2:ご都合のよい日時を教えていただけますか?
「ご都合はいかがでしょうか?」という表現も不適切ではありませんが、「都合」といっても、体調だったり日時だったり、「都合」が指す範囲は広いです。そのため、より明確に日時について聞きたい場合は、「ご都合のよい日時を教えていただけますか?」という表現を用いたほうがいいでしょう。
3:ご都合のよい日時を教えていただけますと幸いです。
「ご都合のよい日時を教えていただけますか?」は、かなり丁寧な表現です。しかし、「教えていただけますか?」という言い回しが、上から目線の印象を与えることも。
「ご都合のよい日時を教えていただけますと幸いです」というように後半部分を変えることで、さらに丁寧な印象になりますよ。
「都合がいい」人の特徴とは?
ここまでは、主に「他の人や事柄との兼ね合い」に着目して使い方を解説してきました。そこで、最後に「都合がいい」人の特徴についても軽く押さえておきましょう。いい意味で使われることの少ない「都合がいい」人。自分に当てはまっていないか要チェックです。
1:自己主張をしない
「都合がいい」人は、責任を負いたくないという人が多い傾向にあります。そのため、他人の意見に同調する人が多いといえるでしょう。そして、トラブルが起きた場合には「ほら言ったでしょ?」と都合よく責任を周りに押し付けようとすることもしばしば。
2:感情に波がある
自分が得をする場面や、楽しいことをしているときは機嫌がよく、反対に、面白くないことが起きると不機嫌になる…。といったように、自分の損得によって感情をあからさまに表に出す人も、「都合がいい」人といえるでしょう。自分の感情をコントロールできずに、周りを振り回すことから、「都合のいい」人は子どもっぽいところがあるといえるかもしれませんね。
3:言い訳が多い
「都合がいい」人は、自分を正当化するために言い訳がましくなる場合もあります。プライドが高く、自分の非を認められない人も多いため、人のせいにしたり、解釈を捻じ曲げたりしがち。「都合がいい」人は、無意識のうちに言い訳をしてしまっている可能性も。この機会に一度、自分の言動を振り返ってみてくださいね。
最後に
「都合がいい」とは、「他の人や事柄との兼ね合いがうまくいくこと」。スケジュールがうまくすり合わせられた時などに使われますが、人に使う場合は、皮肉的な意味合いになるので要注意の言葉です。
本記事では、そんな多様な使い方ができる「都合がいい」という表現について、実践的な使い方も交えながら紹介しました。
TOP画像/(c)Shutterstock.com