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「二度あることは三度ある」とは
「二度あることは三度ある」という言葉で、注意を促されたことはありませんか? この言葉に込められているのは、「警戒」。本記事では「二度あることは三度ある」について、意味や使い方などを調べてみました。
まずは、辞書で調べた「二度あることは三度ある」について、一緒に見ていきましょう。
意味と読み方
二度あることは三度ある
読み方:にどあることはさんどある
二度あったことは必ずもう一度ある。物事は繰り返されるものである。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
二度続けて起きたことを、三度目の予兆として考えて警戒するという意味の「二度あることは三度ある」。同じようなことが二度あった場合、もう一度繰り返されるという意味です。不吉なことや、好ましくないことに対して用いることが多いでしょう。
江戸時代には知られていた?
「二度あることは三度ある」の由来について、明確なことはわかっていません。しかし、かつて村落で誰か2人続けて亡くなったときは、3人目の死者の代わりに人形を葬る風習があったそうです。こうしたことが、言葉の成り立ちに少なからず影響しているのかもしれません。
参考:『故事俗信ことわざ大辞典』(小学館)
「二度あることは三度ある」の使い方
「二度あることは三度ある」の使い方を見ていきましょう。まずは、どのようなときに使う言葉なのかを紹介します。
どういうときに使う?
意味にもあるように、同じようなことが二度続けて起こった場合に、「二度あることは三度ある」を使います。特に、あまりよくないことが生じた場合に用いることが多いでしょう。災難だと思えることに対して警戒する、自分の失敗などを繰り返さないために戒める場合に使います。
例文:ビジネスシーンで使う場合
ここからはシーン別に「二度あることは三度ある」の使い方を見ていきましょう。まずはビジネスシーンで使う場合を紹介します。
《例文》
・今週、同じような内容のトラブルが立て続けに起こりました。担当者は違いましたが、二度あることは三度あるといいますので、気を引き締めて取り組みましょう
・同じような失敗が二度続いた。二度あることは三度あるというし、計画自体を見直す必要がありそうだ
・二度目の点検漏れが発生したとき、二度あることは三度あるというから、作業フローを見直すように指示したが、どうやらやっていないようだ
トラブルやクレーム、失敗、点検ミスなどが発生し、もう一度同じことが起こる可能性があるから警戒するよう呼びかける、あるいは指示をしたという例文です。失敗を生かすためにも、早めに対策を練り、三度目が起こらないようにしたいですね
例文:日常で使う場合
日常で使うパターンを紹介します。
・また寝坊してしまった。今月二回目だ。二度あることは三度あるというから、今日は早く寝なきゃ
・パスケースを落としたと思ったら、今度は定期入れをなくしてしまった。こういうときは、二度あることは三度あると思って、気を引き締めよう
・うっかりしていて、立て続けに書類の提出が遅れてしまった。先生から「二度あることは三度あるというから、気をつけてね」と注意された
・日常で「二度あることは三度ある」を使う場合も、ミスや失敗などが多いですね。次に同じことが起こらないよう注意するのはもちろん、もう一度同じ失敗をしないよう戒めるときにも用いられています。
「二度あることは三度ある」を会話で使う
「二度あることは三度ある」を会話で使うパターンを見ていきましょう。
会話例
リビングで母と娘が話しています。
娘「スマートフォン、家に忘れて外出してしまったわ」
母「また? この間もそうだったよね」
娘「いつもと違う場所に置いて、そのまま忘れてしまうんだよね」
母「仕事が忙しいから、疲れているんじゃない? 二度あることは三度あるっていうから、注意するほうがいいわよ」
娘「そうだね。今夜はいつもの場所に置くようにするよ」
どこかにポンと置いて、そのまま忘れてしまうというのは、よくあることですよね。特に、財布や鍵、スマートフォンはやりがちかもしれません。しかし、それがトラブルにつながることもありますから、注意したいですね。
「二度あることは三度ある」の類語
「二度あることは三度ある」の類語を見ていきましょう。2つ紹介します。
「歴史は繰り返す」
「歴史は繰り返す」とは、過去に起こったことは、同じようにして、その後の時代にも繰り返し起こるという意味。ローマの歴史家であるクルチュウス=ルーフスの言葉とされています。個人はもちろん、世界事情などでも使われる言葉です。
《例文》歴史は繰り返すというから、過去の文献を調べてみるのもいいだろう
「一災起これば二災起こる」
一度災難が起こると、これに伴って他の災難を呼び起こすという意味で使う「一災起これば二災起こる」。一度ある災いは二度ある、悪いことは重なることを表します。読み方は「いっさいおこればにさいおこる」。この言葉は、災難や悪いことに対して使うと考えてください。
《例文》昨日小さな地震があった。一災起これば二災起こるというし、防災グッズを見直しておこう
「二度あることは三度ある」の対義語
「二度あることは三度ある」の対義語も見ておきましょう。こちらも2つ紹介します。
「三度目の正直」
「三度目の正直」が意味するのは、占いや勝負で、一度や二度は当てにならないが、三度目は確実であるということ。この意味が転じて、物事は三度目には期待どおりの結果になることを意味します。
《例文》二回連続で負けてしまったが、三度目の正直という言葉があるし、もう一度だけやってみよう
「柳の下に何時も泥鰌は居ない」
一度柳の下で泥鰌(どじょう)を捕らえたからといって、それがいつもそこにいるわけではないということを意味する「柳の下に何時も泥鰌は居ない」。一度偶然に幸運を得られても、再度同じ方法で幸運が得られるものではないことを表します。「やなぎのしたにいつもどじょうはいない」と読みます。
《例文》今回上手く行ったのは、ビギナーズラック。柳の下に何時も泥鰌は居ないと捉えて、より努力するよう促した
最後に
「二度あることは三度ある」について、意味や使い方などをまとめました。かつては、村落で誰か二人続けて亡くなった際、三人目の死者の代わりに人形を葬るなど、三度目の禍を避けるための風習もあったとされています。人に注意を促す際に用いることができますので、上手く活用したいですね。
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