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この記事のサマリー
・「飛ぶ鳥、跡を濁さず」は、去る前に後始末を整え、残る人に負担を残さない心がけのことです。
・「立つ鳥跡を濁さず」と同じ意味を持ちます。
・退職時や引越し、会場の片付けの後などに使える言葉です。
退職や引っ越し、集まりの帰り際など、何かを終えてその場を離れる瞬間には、その人らしさがふとにじむものです。「飛ぶ鳥、跡を濁さず」は、そんな区切りの場面で使われることわざ。
似た表現との違い、退職時の使い方、英語表現まで知ると、何気なく聞いていた言葉の印象が変わるかもしれませんよ。
「飛ぶ鳥跡を濁さず」とは?
まずは、読み方と意味から確認していきましょう。
読み方と意味
「飛ぶ鳥跡を濁さず」は、「とぶとりあとをにごさず」と読みます。「立つ鳥跡を濁さず」と同じ意味を持つ表現です。
「立つ鳥跡を濁さず」は、立ち去る人は、あとが見苦しくならないようにするべきだという意味。退きぎわのいさぎよさを表すことわざです。
辞書では次のように説明されていますよ。
立(た)つ鳥(とり)跡(あと)を濁(にご)さず
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
立ち去る者は、あとが見苦しくないようにすべきであるということ。
退きぎわのいさぎよいことのたとえ。飛ぶ鳥跡を濁さず。
つまり、「飛ぶ鳥跡を濁さず」は、去るときに後始末をきちんとし、残る人が困らないようにする姿勢を表します。退職や異動、引っ越し、会場を使ったあとの片付けなど、何かを終えてその場を離れる場面で使われますよ。

「飛ぶ鳥跡を濁さず」を用いた例文
次に、「飛ぶ鳥跡を濁さず」を使った具体的な例文を見ながら、使い方を解説します。
「彼女は会社を辞める際、残された業務をきちんと引き継ぎ、同僚に感謝の言葉を伝えて退職した。まさに、飛ぶ鳥跡を濁さずの態度だった」
例文では、会社を辞める際、きちんとした引き継ぎと感謝の意を示して退職した様子が描かれています。職場に混乱が生じぬように対応し、これまで一緒に働いた同僚に感謝の言葉を伝えることで、責任ある行動と品位を示す。まさに、「飛ぶ鳥跡を濁さず」の振る舞いだといえますね。
「友人のパーティーで彼がグラスを割ってしまったが、素直に謝罪。修理費を支払い、後片付けもした。彼の行動は、飛ぶ鳥跡を濁さずの精神に沿っていた」
例文では、パーティーでグラスを割ってしまったものの、帰る前に謝罪し、片付けまで手伝った様子が描かれています。単に弁償するだけでなく、その場を離れる前に後始末をしている点が、「飛ぶ鳥跡を濁さず」にあたります。主催者やほかの参加者に負担を残さないようにする姿勢が、このことわざの意味に合っていますね。

「教師としての最終日、彼は生徒たちに感謝の言葉を述べ、全員との別れをしっかりと行なった。彼の退職は、飛ぶ鳥跡を濁さずだ」
教師として最終日を迎えた彼が、生徒たちに感謝の言葉を述べ、必要な引き継ぎや別れのあいさつを丁寧に済ませる様子が描かれています。単に別れを惜しむだけでなく、残る人たちが困らないように整えている点で、「飛ぶ鳥跡を濁さず」といえるでしょう。
「飛ぶ鳥跡を濁さず」の類似表現
次に、「飛ぶ鳥跡を濁さず」と近い場面で使える表現を紹介します。ただし、ここで紹介する言葉は、完全な類語ではありません。「後始末をする」「状態を戻す」という点では重なりますが、「退きぎわのいさぎよさ」まで含むとは限らないため、違いもあわせて確認しましょう。
「原状回復」
「原状回復」は、「げんじょうかいふく」と読みます。ある事情によって変わった現在の状態を、本来の状態に戻すことを表す言葉です。賃貸物件の契約終了時に、物件を契約前の状態に近づけて返す場合などに使われます。
「飛ぶ鳥跡を濁さず」と重なるのは、去る前に後始末をするという点です。一方で、「原状回復」は状態を戻すことに重点がある表現で、退きぎわのいさぎよさや周囲への配慮まで含むとは限りません。
言い換えとして使うよりも、関連表現として覚えておくといいでしょう。
例文:
・「アパートを退去する際、契約内容に沿って原状回復を行なった」

「元通り」
「元通り」は、以前と同じ形や状態であることを表す言葉です。日常生活でもよく使われますね。
「飛ぶ鳥跡を濁さず」と近い場面で使えるのは、使った場所や物を以前の状態に戻す場合です。ただし、「元通り」は状態そのものに注目する言葉であり、「去る人のふるまい」や「退きぎわのいさぎよさ」を直接表すものではありません。
例文:
・「イベント終了後、展示物を撤去し、会場を元通りの状態に整えた」
「飛ぶ鳥跡を濁さず」の英語表現
「飛ぶ鳥跡を濁さず」に似た英語表現として、英語のことわざである“It’s an ill bird that fouls its own nest.”が挙げられます。
そのまま訳すと、「自分の巣を汚すのは、悪い鳥だ」という意味です。自分の属する場所や身近な環境を悪く言ったり、傷つけたりするのはよくない、というニュアンスで使われます。
「去るときに後始末をする」というより、「自分の身内や所属先をおとしめない」という意味合いが強い表現です。
参考:『プログレッシブ和英中辞典』(小学館)
「飛ぶ鳥、跡を濁さず」に関するFAQ
ここでは、「飛ぶ鳥、跡を濁さず」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q. 「飛ぶ鳥、跡を濁さず」とはどういう意味ですか?
A. 「飛ぶ鳥、跡を濁さず」とは、立ち去るときに、あとが見苦しくならないようにすることを表すことわざです。
Q. 「飛ぶ鳥跡を濁さず」と「立つ鳥跡を濁さず」はどちらが正しいですか?
A. どちらも正しいです。「立つ鳥跡を濁さず」の形で見かけることが多いですが、「飛ぶ鳥跡を濁さず」も辞書に掲載されている正しい表現ですよ。
Q. 退職時に「飛ぶ鳥、跡を濁さず」を使うのは自然ですか?
A. 退職時にも自然に使えます。たとえば、引き継ぎを丁寧に済ませ、資料を整理し、残る人が困らないようにして退職する場面に合う表現です。
最後に
去る側にも、見送る側にも、それぞれの思いがあります。だからこそ、自分が去るときには「飛ぶ鳥、跡を濁さず」でいきたいですね。
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