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2024.03.02

「内憂外患」とは? 正しい読み方や意味、使い方や類似表現などを解説

「内憂外患」とは、「国内・内部に生ずる心配事と、国外・外部からのわずらわしい事態や心配事」という意味です。「ないゆうがいかん」と読みます。この記事では、「内憂外患」の使い方、類語と対義語、さらには英語表現についても解説。

どのような国であっても、大抵は国内や国外に頭を悩ますような問題を抱えているものです。日本史や世界史を知ると、昔からそのようなことは少なくないということが読み取れるでしょう。

もっとも、外部・内部に問題を抱えているのは、国だけではありません。身近な例では、会社も、その外部や内部に問題を抱えていることが多いものです。「競合他社にマーケットのシェアを奪われた」とか「人口減少に伴って市場が縮小したといった」などという外部の問題や、「人材がいない」とか「組織の意思疎通が滞っている」などという内部の問題など、列挙すればきりがないかもしれません。

このように、国外・外部あるいは国内・内部からの心配事を、「内憂外患」と表現します。この記事では、「内憂外患」の正確な読み方や意味、例文での使い方などについて説明します。

「内憂外患」の意味について

「内憂外患」は、「ないゆうがいかん」と読みます。意味は、「国内・内部に生ずる心配事と、国外・外部からのわずらわしい事態や心配事」です。内にも外にも不安なことがあって、ゆゆしき事態であることを表します。日本史や世界史を考えると、様々な時代でいろいろな国が「内憂外患」を抱えていたことがわかりますね。

この四字熟語の由来については、中国の有名な古典『春秋左氏伝(しゅんじゅうさしでん)』のある記述が元になっているとされています。

中国の春秋時代、晋と楚の間で戦いが勃発しました。その時、晋の范文子(はんぶんし)は退却を主張。その理由は、「一般的には外が治まると、内に憂いが生じるものである。そのため、楚を外部の脅威として残すことで、国内の団結に役立てよう」というものでした。最終的に、撤退論は採用されず、晋が楚の弱点をついて勝利します。

范文子が主張したという記述については、「内外無患」という記載が見られ、「内憂外患」ではありませんでした。後の時代に、「内憂外患」へと変化していったと考えられます。

(c) Adobe Stock

「内憂外患」を用いた例文

次に、「内憂外患」を用いた例文を見て、具体的な使い方を確認していきましょう。

1:「持病という個人的な問題に加え、新型コロナウイルスの感染拡大という外部の脅威にも直面した。まさに、内憂外患に悩む日々だった」

例文では、プライベート面で病気、外部ではコロナの感染拡大という問題に悩んでいたと話しています。このように、家庭などの内外の問題を表現する際に、「内憂外患」を使うことも可能です。

2:「この会社が持つ内憂外患は、マーケットの縮小や外国資本の参入という外部要因と、IT化の遅れと人材の枯渇という内部要因である」

この例文からわかることは、ある会社が市場縮小などの「外患」と、IT化の遅れなどの「内憂」に苦労していることです。この場合、会社の外部・内部の問題という意味で、「内憂外患」という熟語を使用。会社や団体などの組織に対しても、「内憂外患」を用いるケースが見受けられます。

3:「あの国は経済成長の鈍化という国内問題に加えて、隣国との国境紛争という安全保障上の脅威に直面している。ますます内憂外患が深刻化しているようだ」

経済に関する問題と、国境をめぐる問題を抱えているとのことです。このように、国レベルの問題を表現するために、「内憂外患」を使うこともあります。過去の王朝が抱えていた問題に関する記述で、歴史書などにもよく登場する言葉です。

(c) Adobe Stock

「内憂外患」の類語・対義語

次に、「内憂外患」の類似表現や対義語について確認していきます。

まず、類語について。「内憂外患」は、「内患外禍(ないかんがいか)」「内患外憂(ないかんがいゆう)」などと言い換えることが可能です。意味は、「内憂外患」と同じですよ。

例文:
・「国内の財政状況の悪化や、外部への人材流出など、何かと内患外禍が多いように感じられる」
・「海外景気の悪化による輸出の停滞および、国内の消費冷え込みなど、今年の日本経済は内患外憂にさらされるだろう」

(c) Adobe Stock

続いて、対義語を紹介。「内憂外患」の反対の意味に当たる言葉として、「内平外成(ないへいがいせい)」と「天下泰平(てんかたいへい)」という熟語があります。

「内平外成」ですが、「家の中は穏やかで、世の中も平和で安定している」という意味です。「令和」の前の元号は、「平成」でしたが、「内平外成」が参考の1つになったと言われています。「内平外成」は、『春秋左氏伝』と『史記』に登場していますよ。

「天下泰平」は、「天下がよく治まって平和で無事なこと」。「泰平」は、「太平」と書かれることもあります。

例文:
・「あの時代は内平外成で、国内の治安も安定し、外部からの脅威もなかったと歴史家は言う」
・「戦国時代の後の江戸時代は、戦乱のない天下泰平の世であったようだ」

「内憂外患」の英語表現

「内憂外患」は、国内・内部と国外・外部の問題という意味ですので、それを英語で表現するようにします。「internal and external troubles」や「troubles at home and abroad」で、内外の問題であることを伝えることが可能。

「内憂」と「外患」に分けて伝えたい場合、「内憂(domestic troubles)」と「国外の脅威(foreign threat)」と表現することができます。

例文:
・「Both internal and external troubles for this country are very serious.(この国の内憂外患は極めて深刻である)」
・「I search troubles at home and abroad in this era.(この時代の内憂外患を調べる)」

最後に

「内憂外患」は、「国内・内部に生ずる心配事と、国外・外部からのわずらわしい事態や心配事」のこと。国・会社・家庭などの内外の問題を表すために使うことができます。

この記事が、「内憂外患」を使いこなすための1つの参考になれば幸いです。

TOP画像/(c) Adobe Stock

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