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2024.02.14

「融通無碍」の読み方とは? 意味や使い方、似ている四字熟語などを紹介

「融通無碍(ゆうずうむげ)」の意味がわかるという人はそれほどいないかもしれません。なじみのない言葉かもしれませんが、実はスピーチなどで使われることがあります。この記事で意味や使い方、似ている言葉をチェックしてください。

「融通無碍」の意味と読み方は?

「融通無碍」という言葉の読み方を知っていますか? あまりなじみのない言葉かもしれませんが、スピーチなどで用いられることがあります。この四字熟語の読み方や意味を把握すると、語彙力が高まるかもしれません。

まずは辞書で調べた意味と読み方を紹介します。

読み方は「ゆうずうむげ」

【融通無碍】
読み方:ゆうずうむげ

考え方や行動にとらわれるところがなく、自由であること。また、そのさま。「—な(の)考え」「—に対処する」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

「融通」と「無碍」が組み合わさった言葉ですが、漢字表記から受ける印象と、実際の意味が少し違ったと感じる人もいるかもしれませんね。

「考えや行動に妨げがなく、自由に対応できる」ということを示すこの言葉は、仏教の宗派の一つである華厳宗に由来するという説があります。

「融通」と「無碍」の意味もチェック

「融通」と「無碍」、それぞれの意味も見ていきましょう。

「融通」
・滞りなく通じること。転じて、必要に応じて自在に処理すること
・仏語。別々のものがとけあって一体となること

「無碍」
・妨げのないこと
・何ものにもとらわれないことや、そのさま

「融通」も仏教用語として使われていた言葉。日常会話などでは、「融通が利く」のように使われますよね。これは、その場に適した対応ができることを表しますが、ほめ言葉として用いられることも。

「無碍」は、なじみが薄いかもしれませんね。「碍」は「進行を邪魔して止める」という意味を持つ漢字。前に「無」がつくことで、「妨げがない」ということを示します。

「人の好意をむげにする」のように表現することがありますが、この場合に使われるのは「無下」。「物事を台無しにする」という意味を持つ熟語です。「無碍」と「無下」は、読み方と漢字表記が似通っていますが、意味はまったく異なります。混同しないよう注意してくださいね。

鳩と手
(c)Adobe Stock

「融通無碍」の使い方

ここからは、「融通無碍」という言葉の使い方を紹介します。日常会話で使うことはあまりないかもしれませんが、スピーチなどで用いられることも。例文を挙げましたので、参考にしてくださいね。

例文をチェック

《例文》
・今後のビジネスにおいて重要なのは、経営者が融通無碍に考えられるかどうかでしょう
・社長の融通無碍な言動に好感を持つ社員は多い
・新しいサービスは、彼女の融通無碍な発想から生まれました

しがらみなどに縛られることなく、自由にのびのびとするさまを表します。人の言動や発想、性格などに対して使われることが多いでしょう。社会や組織に属していると、何かと縛られがち。「融通無碍」を難しいと感じる人は多いかもしれませんね。

「融通無碍」に似た言葉(四字熟語)

「融通無碍」に似た言葉を見ていきましょう。まずは、四字熟語からピックアップして紹介します。

「闊達自在」(かったつじざい)

度量が広く、思いのままであることを表す言葉。細かなことにこだわらず、心のままにふるまうことという意味も持ちます。この言葉もあまりなじみがないかもしれませんね。小さなことにこだわることなく、のびのびするさまを表しますので、「融通無碍」と意味が似ています。

《例文》
闊達自在な彼の性格もあり、周囲にすぐにとけ込んで実力を発揮している

「自由自在」(じゆうじざい)

思いのままにするさまや、思いのままにできるさまを表す四字熟語。漢字が示す通りの意味を持つ言葉です。思いのままにするということは、障壁となることや妨げとなることがないということ。「融通無碍」ととても近い意味を持つと言えます。

《例文》
彼女は自由自在に躍り、素晴らしいパフォーマンスで観客を魅了した

「臨機応変」(りんきおうへん)

その時その場に応じて、適切な手段をとることを意味します。ビジネスシーンや日常でも使われる言葉のため、知っている人は多いでしょう。変化に応じて、適切な対応をとることは意外と難しいもの。目標に「臨機応変」を掲げる人もいます。

《例文》
接客の際に意識しているのは、臨機応変な対応をすることです

ケースバイケース
(c)Adobe Stock

「融通無碍」と似た言葉(四字熟語以外)

「融通無碍」と似ている、四字熟語以外の言葉もチェックしていきましょう。意味が近いのは次の2つかもしれません。

「フレキシブル」(flexible)

融通の利くさまや、柔軟性のあるさまを意味するカタカナ語。ビジネスシーンでは、「フレキシブルな対応」のように使われることが多いでしょう。状況に応じて仕事を進める柔軟さなどを表す際にも用いられますよね。

《例文》
社員がフレキシブルに働くことができるよう、制度改革を進めています

「柔軟」(じゅうなん)

一つの立場や考え方にこだわらず、その場に応じた処置や判断のできるさまを表す言葉です。この言葉は、日常やビジネスシーンでよく使いますよね。「柔軟な姿勢」「柔軟な対応」のように使うこともあれば、性格などに対して「柔軟性のある人」のように表すこともあります。

《例文》
しきたりにとらわれ過ぎず柔軟に考えることで、発展することもある

「融通無碍」と反対の意味を持つ言葉は

「融通無碍」と反対の意味を持つ言葉も把握しておきたいですね。さまざまな言葉が該当しますが、四字熟語である次の2つを紹介します。

「杓子定規」(しゃくしじょうぎ)

「杓子定規」は、曲がっている杓子を定規代わりにすること、正しくない定規ではかるということから、すべてのことを一つの標準や規則にあてはめて処置をしようとすることを表します。融通の利かないやり方や態度に対して、使われることが多いでしょう。

杓子とは、ご飯を盛ったり汁物をすくったりするキッチンツールのこと。木杓子、あるいは玉杓子と呼ばれることもあります。

《例文》
杓子定規に対応するだけでは、お客様に喜んでいただけない

両手を上げる人
(c)Adobe Stock

「四角四面」(しかくしめん)

「四角四面」は、ひどく真面目で、堅苦しいことを表します。非常にかしこまっていることや、そのさまを表す際にも使われる言葉です。

《例文》
四角四面な応答になり落ち込んでいたら、先輩がランチに連れ出してくれた

最後に

「融通無碍」という言葉を使う機会は、日常ではあまりないでしょう。なじみがないと感じる人もいるかもしれませんが、語彙力や表現力を高めるためにも、意味や使い方を把握しておきたいですね。

TOP画像/(c)Adobe Stock

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