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LIFESTYLE

2023.02.15

「押し付ける」とは? 言葉の意味や物事を押し付ける人の特徴についても解説

「押し付ける」とは、一方的に自分の考えを主張したり、嫌なことを相手に負担させたりすること。ネガティブな印象がありますね。この記事では、仕事を押し付ける人や価値観を押し付ける人の特徴、押し付けるという行為への注意点なども解説します。

そもそも「押し付ける」とは?

一方的に自分の考えを主張したり、嫌なことを相手に負担させたりすることを「押し付ける」と言います。日常生活でも、自分の価値観を他人に押し付けたり、仕事を相手に押し付けたりする人っていますよね。この記事では、そんな「押し付ける」について見ていきましょう。

「押し付ける」には、「物理的に上から重みをかけておさえる」「威力を示して抑圧する」「無理やり引き受けさせる」といった複数の意味があります。上から相手を威圧するようなニュアンスがあり、どちらかいえばネガティブな印象がありますね。

指をさす人
(c)Shutterstock.com

例文としても、「自分たちの考えや習慣を押し付ける」「大量の仕事を部下に押し付ける」「負担を一方的に押し付ける」などと否定的な状況で使われているようです。

類語には「強制」「無理強い」などがあります。英語では「force」「push」などの単語で表現されますよ。

仕事を押し付ける人の特徴

職場なんかで自分は部下や同僚に仕事を押し付けて、自分は楽をしようとする人っていますよね。そのような人にはどのような特徴や心理があるのでしょうか? 確認していきましょう。仕事を押し付ける人には、次のような特徴が見られます。

1:自分は責任を負いたくない

業務量が増えると、責任を負う範囲が広くなるため、自分がやらなければならないことが増えます。時間も手間もかかるもの。そこで、ある一定のレベルになると、仕事を引き受けるのを止めて、他者にその分の仕事を押し付けてしまうのです。

2:自分本位で楽をしたい

「自分は責任を負いたくない」ことも、これに集約できるでしょう。なるべく他人に仕事をやらせて、自分は少ない作業で楽をすることで最大限の得をしようとするわけですね。「楽をしたい」という心理は誰にでもあるものですが、相手が不利益を被ってでも自分の気持ちを優先したいというところに、問題があるのでしょう。

ソファに寝転んでポテチをたべる女性
(c)Shutterstock.com

価値観を押し付ける人の特徴

次に自分の価値観や意見・考えを押し付ける人には、どのような特徴があるのかを見ていきましょう。おおむね、次のような要素が見られます。

1:自分の考えが一番正しいと思い込んでいる

価値観を押し付ける人には、「自分の考えは一番正しい」と考えている傾向があります。自分の考えが最も正しく、相手の考えは間違っているか不十分である。そこで、自分が相手を啓蒙し、正しく導かなければならない。このような考えを元に、自分の考えを押し付けてしまっていると考えられます。

2:相手を制御したい

価値観を押し付ける人にとっては、自分の信じる価値観こそが正しいのであり、またそれに従うのが正解。つまり、価値観の異なる相手にも、同じようにふるまうことを求めます。そして反発されると、「そっちが間違っている」などと言ったりするわけですね。

このようなことから相手に何か忠告する時は、単なる自分の思い込みに過ぎないのかどうか、注意する必要があります。

3:仲間を増やしたい

価値観が同じような人が増えれば増えるほど、異なる価値観の間での調整がなくなるので、楽になります。また、同じ事象に対して多くの人と共感することが可能に。

このようなことから、仲間を増やすために自分の主張を押し付けることがあります。反対に、価値観が合わない人間に対しては、排除したりすることもあったり。

他人に押し付けることにならないか、立ち止まって考える

「押し付ける」という行為には、一般的に否定的な意味合いがあります。従って、相手に対して何かをしてもらったり、自分の考えを伝えたりする時は、それが押し付けることにならないかどうか慎重になりましょう。

例えば、仕事については、自分が楽をしたいからと相手に仕事を押し付けるのではなく、作業を自動化することで楽をしながら、相手に負荷をかけないという道もあります。自分も相手も、不利益を被るのを避ける手段を考えるというわけですね。

「こうすべき」「これが正しい」といった価値観を伝えることについては、さらに慎重になる必要があります。個人から国レベルに至るまで、価値観の違いはさまざまな問題につながりやすいもの。そして、価値観とは相対的なものであり、異なる価値観を鑑みる余裕を持たせておくということは重要です。

紀元前2世紀ごろに古代ギリシア人のミリンダ王が、さまざまなことを質問し仏教僧ナーガセーナ長老(以下、ナーガセーナ)がそれに答えるという形式をとった『ミリンダ王の問い』では、興味深い記述があります。対話を行うあたって、ナーガセーナはミリンダ王に対し、「『王者の論』ではなく『賢者の論』でなければ対話はできない」と伝えました。

ナーガセーナによると「賢者の論」とは、対話においては解明・批判・修正・区別などがなされるけれども、賢者はそれに怒らないということだとか。一方の「王者の論」とは、一つのことのみを主張して、従わなければ相手を処罰することだそうです。ナーガセーナのこの言葉は、2000年以上たった現在においても通じるものがあります。

まずは、自分が信じる価値観が「絶対に正しくて普遍だ」という考えには注意しましょう。そして、違う価値観を持つ相手に対して一方的に批判し、力づくで従わせるのではなく、まずは相手の価値観も把握するところから始めてみてはどうでしょうか。これは個人的な好き・嫌いのレベルから、社会経済や国際関係に至るまで重要なことです。

会議をする人たち
(c)Shutterstock.com

最後に

「押し付ける」という言葉は、相手に何かを強制するという点でネガティブな印象があります。仕事にしても、価値観にしても、相手に押し付けることにならないよう、慎重になりましょう。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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