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そもそも「無理難題」とは?
こちらの状況を考えずに、何でもかんでも問題を押し付けられてしまうと困りますよね。皆さんは、そのような経験をしたことがありますか? たとえそれが上司や家族であっても、思わず「ちょっと待ってよ!」と言いたくなってしまいますよね。
本記事では、そんな「無理難題」のあれこれについて詳しく見ていきましょう。「無理難題」の意味をおさらいし、「無理難題」の類語表現や無理難題を押し付けられるケース、そしてそれらの対処法について紹介します。
「無理難題」の意味
まずは、「無理難題」の意味から、おさえていきましょう。「無理難題」とは、「解決の見通しが立たないような困難な問題」のことをさします。「無理難題」を分解して、「無理」な「難題」と捉えると分かりやすいですね。「道理を超えた言いがかり」というニュアンスもあるようです。
「無理難題」の類語表現を紹介
次に、「無理難題」の類語表現について紹介します。日常的に用いられる表現ではありませんが、語彙の引き出しを増やしておいて損はありません。思わぬ場面で役に立つかも?
1:無理往生
「無理往生」は、「むりおうじょう」と読みます。「無理難題」よりも聞き馴染みがないかもしれませんね。「無理往生」とは、「強引に承知させること」「無理やりそのようにさせること」という意味です。
「無理往生」の「往生」は、「この世を去って浄土に生まれること」という仏教語の印象が強いかもしれませんが、「無理に押し付ける」というニュアンスで使われることもあります。これは、「おうじょう」という言葉が、「おどして無理やり書かせた文章」を指す「圧状」の読みと同じことから転じたのだとか。そのため、「無理圧状」と表記されることも。
2:無理無法
「無理無法」も、「無理難題」や「無理往生」と同じように「無理」という熟語から始まる四字熟語ですね。ちなみに、読み方は「むりむほう」です。「無理無法」は、「法が無い」と書くことからも分かるように、「道理を無視すること」を意味します。常識を超えた無理を押し付ける点で、「無理難題」と似たようなニュアンスですね。
それってパワハラ? クレーム? 無理難題を押し付けられるケースを紹介
続いては、無理難題の具体的な内容について深掘りしてみましょう。あまりにひどい無理難題は、パワハラとして大きな問題に発展するケースも。その気はなくとも、うっかり自分が無理難題を押し付けるなんてことがないように、このトピックもばっちり押さえておきましょう。
1:不十分な教育で対応しきれない目標を課される
特に入社したてや転職したてでは、勝手が分からず、効率よく仕事ができないこともあるでしょう。そのため、自分自身で努力しようと取り組むことは確かに大切です。しかし、会社側の教育が不十分であることも考えられます。もし、教わっていない分野で、対応が難しいにもかかわらず、高いノルマを課せられたとしたら、それは無理難題を言われた、ということになるでしょう。
2:上司のミスを押し付けられる
上司の責任転嫁は、無理難題に当てはまります。社会人であるならば、自分の言動は自分で責任を持たなくてはなりません。にもかかわらず、自分のミスを部下に押し付け、無理難題を言ってカバーさせようとする行為は、恥ずべき行為だと言えるでしょう。
3:タイミングが悪い
悪意があったわけではなく、タイミングによって引き起こされてしまう無理難題もあります。例えば、プライベートな都合で徹夜し、そのタイミングで締切が近い仕事を任されてしまうなどです。普段ならこなせる仕事でも、その時の状況や体調によって無理難題になってしまうケースもありえます。
4:理解不足
先に挙げた3つの例は、おもにビジネスシーンにおける上司とのトラブルが主になります。他のケースも考えてみましょう。例えば、顧客とのトラブルで、顧客からクレームが入った時。返品不可の商品であるにもかかわらず、返品を求められたら困ってしまいますよね。それは、顧客側が返品のルールを知らなかったという理解不足による無理難題の押し付けになります。
このように、一方的な理解不足によるトラブルや、双方の認識のずれによる無理難題の押し付けというケースも少なくないようです。自分の主観によって、うっかり無理難題を押し付けないように気を付けなければなりませんね。
無理難題を押し付けられた時の対処法を紹介
無理難題を押し付けられた時、困るのがその時の対処です。引き受けてしまえばその場は収まりますが、後々のことを考えると安請け合いは避けたいもの。だからといって、無下に断るのも気まずいですよね。そこで、そんな時の対処法について、一緒に考えてみましょう。
1:深呼吸して冷静になる
突然、無理難題を押し付けられると、勢いで引き受けてしまったり、正しい判断が下せなくなってしまいがちです。焦る時こそ、深呼吸。冷静になることが大切です。無理難題を言われた時は、無理難題の内容をよく吟味してみましょう。「何をいつまでにすればいいのか」「本当に必要なことなのか」「自分にはできるのか」などを客観的に分析することが重要です。
2:専門的に詳しい人物に相談する
上司や会社からの無理難題に悩んでいる人は、労働法専門弁護士など、専門家に相談してみることをおすすめします。理不尽なことで叱責されたり、無理難題を押し付けられたりした時には、「自分の能力が足りていなかったのかな」などと自分を責めてしまいがちですが、そうではありません。ぜひ、専門家にアドバイスを求めてみてくださいね。
3:理由と期限を明確にする
もし、無理難題と感じる仕事を押し付けられたら、「理由」や「期限」など細かいところまで明確にしておきましょう。そもそも、無理に引き受けることはありませんが、今後の付き合いを考えるとなかなか断りにくいこともありますよね。もし引き受けるのであれば、不利益が生じないように、細かい内容まで双方の合意を取っておくと安心できます。
最後に
本記事では、「無理難題」の意味や類語表現、無理難題を押し付けられるケースや、その対処法を紹介しました。あまりにも理不尽な要求が続くようであれば、その環境や職場から離れることも視野に入れたほうが良いかもしれませんね。そんな時は、抱え込まずに信頼できる人に相談しましょう。
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