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2022.09.28

時代遅れとされる「根性論」とは? 嫌われる理由や精神論との違いも解説!

会社に「根性があればなんでもできる!」と言ってくる人はいませんか? そのような考えを「根性論」と言います。「根性論」は時代遅れとされ、最近では嫌われがちな考え方。今回は、「根性論」という言葉の意味や、嫌われる理由、精神論との違いまで解説します。

「根性論」とは、「根性があればなんでもできる」とする考え方のこと。「根性論は古い考え方で、時代錯誤だ」「根性論は非論理的で頭悪い」といった意見もよく耳にしますよね。嫌われがちな「根性論」について、言葉の意味や使い方、嫌われる理由など、様々な角度から解説していきます。

「根性論」とは?

「根性論(こんじょうろん)」とは、強い精神力があれば、どんなことでも乗り越えられるという考え方のこと。例えば、「体調を崩していても、根性があれば働けるはずだ」といった考え方です。日本では昔から、辛い状況にあっても忍耐強く我慢することが美徳とされてきました。そのため、「根性論」という考え方が根付いたのかもしれませんね。

「根性論」は、苦しいことや辛いことに屈しない強い精神をあらわします。そのため、「根性論」は大きな壁にぶつかった時、自分を奮い立たせてくれるという良い点も。しかし、「根性論」と言うと、現代では古い価値観とされ、ネガティブなイメージを持たれることが多いです。とくに、若い世代は「根性論」を嫌がる傾向が強いでしょう。

険しい顔をする女性
(c)Shutterstock.com

「根性論」と「精神論」の違いとは?

「根性論」とよく似た言葉に「精神論(せいしんろん)」があります。「精神論」とは、気持ち次第で何事も乗り切れるという考え方のこと。「辛い状況にあっても、気合いがあれば乗り越えられる」「がむしゃらに頑張れば、達成できる」といった考えをあらわします。

このように、「根性論」も「精神論」もほとんど同じ意味の言葉といえますね。しかし、「根性論」は「根性」にフォーカスした言葉で、「精神論」は、やる気や気力など、もう少し広い意味での「精神」にフォーカスした言葉です。そのため、「精神論」の中の一つが、「根性論」と考えてもいいかもしれませんね。

「根性論」が嫌われる理由とは?

「根性論」は、現在では時代遅れと言われることが多いです。また、「根性論」を良しとするのは日本だけで、海外の反応は冷ややかという意見もあります。ここでは「根性論」が、嫌われる理由を見ていきましょう。

考え込む女性
(c)Shutterstock.com

1:非論理的

「根性論」が嫌われる理由として挙げられるのは、論理的ではない点。「根性論」は、「とにかく頑張れば、必ず乗り越えられる」といった考えがベースにあります。しかしそう断言するものの、裏付けするデータや根拠がなく、納得感に欠けるのです。

指示も具体的ではないため、「何を」「どれくらい」「いつまで」やればいいのかもわかりません。このように、論理的思考に欠けるところが「根性論」が敬遠される理由の一つです。

2:非効率

「根性論」では、もし失敗やミスをした時でも、「失敗したのは努力が足りなかったからだ」の一言で済ませ、過去の失敗や経験から学ばないこともしばしば。失敗の根本的な理由を見つけることもできないため、そこから改善していけません。ずっと効率が上がらないままで、合理的ではない点も、「根性論」が嫌われる理由なのでしょう。

3:可能性が広がらない

「根性論」では、とにかくがむしゃらに頑張ることを教えられます。「私はこれで成功したから、これが正解なんだ」と、やり方を強制されることも少なくありません。そのため、自分でやり方を探ったり、新たな方法を試してみたりすることができず、可能性を広げていくことができないのもデメリットです。

「根性論」の使い方を例文でチェック!

「根性論」は、ビジネスシーンでよく使われる言葉です。主に、年齢が上の方に対して、ネガティブなニュアンスで使われることが多いでしょう。ここでは、「根性論」の使い方を解説します。

1:根性論を振りかざす上司は、若手社員から嫌われている。

男性に怒られる女性
(c)Shutterstock.com

「根性論」は、「根性論をふりかざす」という表現でよく使われます。「ふりかざす」とは、「意見や手技などを強く示す」という意味。「根性論をふりかざす」で、根性があればなんでもできるという意見を、強く主張してくることをあらわします。

2:論理的思考を持つ同僚が一番嫌いなのは、根性論の持ち主だそうだ。

「根性論」は、「根性論の持ち主」という表現でも使えます。「根性論の持ち主」で、「根性論を持った人」という意味。その場限りというよりは、「根性論」がしっかりと染みついている人というニュアンスが強いです。

3:時代遅れな根性論は老害だ。

「根性論」は、世代が上の人が言うことが多いため、老害と言われることもあります。なお、老害とは、老人による弊害のこと。自分の意見を強く押し付けてくることが多く、そうした高圧的な態度も、「根性論」が煙たがられる原因の一つになっているのかもしれませんね。

類語や言い換え表現とは?

「根性論」を他の言葉で表現したい場合には、「精神論」「不屈の精神」「気骨」を使ってみましょう。それぞれ、精神的なことをあらわす言葉です。例文も一緒に見ながら、言葉への理解を深めてみてくださいね。

1:精神論

すでに説明しましたが、「精神論」は「根性論」の代表的な類語です。「精神論」とは、論理的思考ではなく、精神的なものを重視する考え方。自分の気の持ちようで、どんなことも乗り越えられるという意味合いを持つ言葉です。

例文:うちの会社には精神論が浸透していて残業が多く、社員は疲弊している。

こめかみに手をあてて悩む女性
(c)Shutterstock.com

2:不屈の精神

「不屈(ふくつ)の精神(せいしん)」も「根性論」の類語の一つです。「不屈」とは、どんな困難にぶつかっても、諦めないことという意味。つまり、「困難にも決してめげず、強い信念を貫く」という心意気をあらわします。

例文:何度断られてもめげないAさんは、不屈の精神の持ち主だ。

3:気骨

「気骨(きこつ)」とは、「どんな障害にも屈しない強い心」という意味です。「気骨のある人」という表現でよく使われ、どんなことがあっても、自分の信念を貫き通す人をあらわします。

例文:怖い上司に対しても堂々と反対意見を言う同僚は、気骨がある。

最後に

いき過ぎた「根性論」は、様々な弊害を生むこともありますが、強い精神力が困難を乗り切るのに役に立つこともあります。一方的に嫌うのではなく、メリットもデメリットも理解した上で、うまく「根性論」と付き合っていけるといいですね。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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