【目次】
・「調子に乗る」のは悪いこと?
・調子に乗っていると思われる人の特徴とは?
・「調子に乗る」人が嫌われる理由
・調子に乗っている時に、気をつけたいこととは?
・最後に
「調子に乗る」のは悪いこと?
褒めると、すぐにいい気分になって軽率な行動をとる人は、「すぐに調子に乗って…!」と怒られたりしますよね。果たして「調子に乗る」とは、悪い意味だけに使われる言葉なのでしょうか? 詳しく解説します。
「調子に乗る」の意味
「調子に乗る(ちょうしにのる)」には、大きく分けて二つの意味があります。一つ目は、「いい気になって軽率な行動をすること」「おだてられ、得意になって物事をすること」。二つ目は、「仕事などに弾みがついて、順調に進むこと」です。
日常生活で、「あの人は調子に乗っているな」と言う場合、大抵前者の意味で使うことが多いですよね。自分を過大評価しすぎて、他人に傲慢な態度をとったり、軽い口を叩くような姿は、周囲から冷ややかな視線で見られていることも…。このような態度をとる人のことを、「お調子者」と表現しますよね。
例文:「調子に乗って失敗するなよと、友人は言った」「兄は最近、美人な彼女ができて調子に乗っている」
また、意外ですが二つ目の意味のように、物事が軌道に乗っている時にも、「調子に乗る」は使用できます。こちらの意味は、初めて知ったという方も多いのではないでしょうか。例えば、景気が良く自分の営業成績も伸びているような状態のことを、「最近仕事が調子に乗っている」というように表現することができます。
例文:「父は、事業が調子に乗っていると上機嫌だった」「今日は体調が良くて、作業が調子に乗っている」
現在では、人を非難するような時に使う事が多い言葉ですが、使い方によっては、前向きな意味で使える表現でもあるようです。
「調子に乗る」の類語や別の言い方
「調子に乗る」に似た意味を持つ言葉には、「好調」があります。
「好調(こうちょう)」とは、「物事の調子が良いこと、物事が思い通りにうまく行くこと」という意味です。会話の中では、「天気が良くて好調な出足だね」「事業のすべりだしは好調だったよ」という使い方をします。「調子に乗る」の意味である、「弾みがついて順調に進むこと」とよく似た言葉ですね。
「図に乗る」との違い
「調子に乗る」によく似た言葉に、「図に乗る」があります。「図に乗る」とは、「いい気になって勢いづく、つけ上がる」という意味です。自分の思うように事が運ぶため、つい他人に失礼なことを言ったり、偉そうな態度をとった時に使われます。
「調子に乗る」が、「仕事の調子が乗っている」などポジティブな意味で使用できるのに対して、「図に乗る」は、相手に対してよく思っていない、ネガティブな意味を持つ言葉であるといえます。
例文:「少しでも褒めると、すぐに図に乗るんだからと、母は言った」「あの子は可愛いから、図に乗っていると、先輩から目をつけられている」
調子に乗っていると思われる人の特徴とは?
褒めるとすぐに気分を良くして軽はずみな言動をしてしまう、いわゆる「お調子者」には、どのような特徴があるのでしょうか? 一緒にチェックしていきましょう。
1:態度が大きい
他人から「あの人調子に乗っているな」と思われる人は、大抵、「態度が大きい」ことが特徴的です。最近仕事の成績が良いことから、同僚を見下して偉そうな態度を取ったり、新しくできた後輩に仕事を任せきりにして、横柄な態度をとるなどの行動をします。また、会社の上司など、目上の方に対してもタメ口を聞くような強者もいるようです。
2:すぐ人に頼みごとをする
調子に乗っている人は、陽気な性格で人の懐に入るのが得意です。そのため、自慢のトークで会話を盛り上げてから、スルッと相手に頼みごとをしたりします。その巧みな話術から、断る暇もなく、頼みごとを受け入れてしまう人も少なくありません。「また、ちゃっかり厄介ごとを頼まれてしまった」と思いながらも、憎めないお調子者もいるでしょう。
3:褒めると真に受ける
「調子に乗る人」は、他人から褒められると、すぐに真に受けてしまいます。基本的にポジティブ思考な人が多いため、良い事があると浮き足立って、つい他人に軽い口を叩いたり冗談を言ったりします。褒められるとすぐに上機嫌になるため、子供っぽい性格でもあるようです。
「調子に乗る」人が嫌われる理由
調子に乗っている人は、人から陰口を言われたり、避けられたりして嫌われる事が多いですよね。どうして、「調子に乗る」人は嫌われるのでしょうか?
他人から、「あの人は調子に乗ってるよね」と言われるのは、大抵自分だけが得をしている状態のとき。例えば、事業が成功して高級な車を購入したり、新しい恋人ができたり、いきなり服装や時計やバッグなどの持ち物がブランド物に変わったりするのを見ると、他人から羨ましさや妬ましさなどの感情を持たれてしまいます。
「自分だけ良い思いをしてずるい」という気持ちから、「調子に乗る」人は、嫌われてしまうのかもしれません。
調子に乗っている時に、気をつけたいこととは?
自分の私生活や仕事が調子に乗っていると、どうしても気分が浮き足立って、自分の自慢話ばかりをしたり、相手に思いやりのない言葉を言ってしまいます。現在自分の調子が良くても、周りの人の中にはそうでない人もいる、ということを心に止めておきましょう。自分が軌道に乗っている時ほど、周りへの配慮や心遣いが大切です。
最後に
今回は、「調子に乗る」人の特徴や言葉の意味などを紹介しました。性格の特徴を読んで、「自分にも当てはまっているかも?」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。誰でも、自分の仕事やプライベートの調子が良い時ほど、周りが見えなくなってしまいがちです。そんな時ほど、視野を広げて冷静さを取り戻しましょう。
また、「調子に乗る」という言葉には、「仕事に弾みがついて、順調に進むこと」というポジティブな意味があることもお伝えしました。ただし、言葉の使い方によっては、「悪口を言われた」と誤解を与えかねません。
会話の中で使う場合は「事業が調子に乗ってるね」など、主語をつけたり、類義語である「好調」を使うことで、相手への好意がよりスムーズに伝わることでしょう。ぜひ、参考にしてみてください。
TOP画像/(c)Shutterstock.com