「予見」とは?
「予見」という言葉を、どこかで見聞きしたことはありませんか? 日常会話では使われる機会が少ない言葉ですが、ニュースやテレビドラマなどで耳にすることがあるかもしれません。
なんとなく理解しているつもりだったけれど、正確な意味を問われると自信がない、そんな方も多いのではないでしょうか? そこで今回は、「予見」の意味や使い方、類語表現などを解説していきます。
読み方と意味
「予見」は「よけん」と読み、「物事が起こる前に、それを前もって知ること」という意味を持つ言葉です。
また、「予見」と合わせて意味を知っておきたいのが、「予見可能性」という言葉。「予見可能性」は、「何か物事が起こる前に、どの程度それを事前に認識できたのかということ」です。
「予見可能性が高い」と言うと、「事前に想定できたことなのに、なぜ対策をしていないのか?」と責任を問われることもあります。よく医療業界や法律業界などでも使われるため、知っておきたい表現です。
「予見」の重要性とは?
「予見」は、災害や事故、トラブルなどのリスク管理の場面で、とても重要な概念です。
「こんなことが起こる可能性がある」とあらかじめ想定して対策をしておくことで、事前にそれを防ぐこともできます。
また、たとえ何か望ましくない事が起こってしまった時でも、「予見」しておいた方が早めに対応することができ、被害を小さくできるケースも少なくありません。
ビジネスでもプライベートでも、大きなトラブルはなるべく避けたいところですよね。そのために重要なのが、「予見」なのです。
「予見」の使い方を例文を用いて紹介
「予見」はあまり馴染みがない言葉かもしれません。しかし、ビジネスシーンやニュースなどで使われることもありますので、正しい使い方を知っておさえておきましょう。
1:このような事態になることは、「予見」できたはずだ。
「この事態は、前もって知ることができたはずだ。」という意味の表現です。
また、言い方によっては、「その事態は防げたのでは? なぜ対策をしておかなかったの?」などという責任追及の色合いも含む表現ですので、使用する際は注意しましょう。
2:景気の低迷を「予見」して、備えておこうと思う。
あらかじめ何かネガティブなことが起こることを見通しておき、それに対策をしておくという場面で使われることもあります。
3:この事態の「予見可能性」は、かなり低かった。
全く想定外のことが起こった時や、誰もが思ってもみなかった事態になってしまった時に使われる表現です。法律業界などでは、「予見可能性」がどのくらいあったかによって、その物事にどの程度責任を持つべきか、などの判断が行われることもあります。
「予見可能性が高い」というと、「前もって知ることができたので、備えていなかったことに責任がある。」というニュアンスです。反対に、「予見可能性が低い」というと、「想定しようがないことなので、責任はない」というイメージで使われます。
「予見」の類語を紹介
「予見」と似た意味を持つ言葉も知っておくことで、シーンに合わせた多様な表現ができるようにしておきましょう。
1:予想
「予想」とは、将来のことを前もって想像すること。「こうなるのではないか?」という推測や、主観的なイメージがやや強く、「予見」と比べると日常的に使われる表現です。
・私が予想していたほどには、セール会場は混雑していなかった。
・今回の営業成績は予想以上だったので嬉しい。
・その美容液の保湿効果は、予想通り高かった。
2:予測
「予測」は、将来の見通しを立てるという点では「予見」や「予想」とも似ている言葉です。「予測」には、データや過去の実績などに基づき、より具体的に将来や先のことを見通すというニュアンスも含まれています。
・前期のデータに基づいて、今期の売り上げの予測を立てる。
・スマートフォンの予測変換のせいで、よく使う言葉がばれてしまう。
3:予知
「予知」は、通常ではできないような正確さで、未来のことを知るという意味を持つ言葉です。「予見」「予想」「予測」と比べ、より未来への確信度が強いニュアンスを持っています。
どこか超常現象的なイメージを与えることもあるため、ビジネスシーンなどではあまり使われることはないかもしれません。しかし、占いやスピリチュアルな世界では、しばしば見かけるワードですね。
・その占い師の地震予知は、よく当たると言う噂だ。
・この前見た夢と同じことが現実に起こったので、あれは予知夢だったのかもしれない。
「予見」の英語表現とは?
「予見」は英語ではどのような表現になるのでしょうか。「予見」と意味が近い英語表現には、「foresight」があります。
英語で「fore」は「前」、「sight」は「見ること」や「視覚」を指します。この二つを合わせて、「前もって見通す」という意味を持つ英単語になっています。「予見」の漢字とも少しリンクしていて分かりやすいですね。
動詞の「foresee」という形でも使われることが多いため、色々な使い方を知っておきましょう。
・Foresee future trends 未来のトレンドを予測する
・Fiscal foresight 財政見通し
・Foreseeability 予見可能性
最後に
今回は、「予見」という言葉の意味や使い方、類語表現、英語表現などを解説していきました。
やや堅い印象の言葉ですが、ビジネスシーンなどで、思わずため息が出るようなトラブルが起こった時に使えるかもしれません。これは「予見」できたことなのか、そんな観点で出来事を振り返ってみると、とても冷静な思考に切り替えられますね。
ここぞというときに使えるので、覚えておきたい言葉です。
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