この記事のサマリー
・「予見」は、物事が起こる前にその結果を見通すことを表す言葉です。
・「予見可能性」は、同じ状況の一般人が注意すれば結果を予見できたかどうかを意味します。
・類語には「予想」「予測」「予知」などがあります。
「予見」は、未来を言い当てる言葉ではなく、出来事が起こる前にその成り行きを見通すことを意味します。文章で見かけても意味が曖昧なままだと、「予想」「予測」「予知」と混同しがちです。
例文で確認しながら、誤用しないポイントをチェックしていきましょう。
「予見」とは?
まずは、「予見」の意味から確認していきます。
読み方と意味
「予見」は「よけん」と読み、物事が起こる前に、その事を見通すことを意味します。
辞書では次のように説明されていますよ。
よ‐けん【予見】
[名](スル)物事の起こる前に、その事を見通すこと。「今日という日の来ることを―する」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
あわせて押さえておきたいのが「予見可能性」です。法律用語として、行為者と同じ状況に置かれた一般人が注意すれば、結果を予見できるといえるかどうか、という意味で用いられます。
「予見可能性が高い」とされると、注意していれば結果を見通せたのではないか、という観点から責任の有無が問われる場合があります。
参考:『法律用語辞典 第5版』(有斐閣)

「予見」の使い方を具体的な例文でチェック
「予見」はあまり馴染みがない言葉かもしれません。しかし、ビジネスシーンやニュースなどで使われることもありますので、正しい使い方を知っておさえておきましょう。
このような事態になることは、予見できたはずだ。
「この事態は、前もって知ることができたはずだ」という意味の表現です。
また、言い方によっては、「その事態は防げたのでは? なぜ対策をしておかなかったの?」などという責任追及の色合いも含む表現ですので、使用する際は注意しましょう。
景気の低迷を予見して、備えておこうと思う。
あらかじめ何かネガティブなことが起こることを見通しておき、それに対策をしておくという場面で使われることもあります。
この事態の予見可能性は、かなり低かった。
全くの想定外のことが起こった時や、事前に見通すことが難しかった状況を説明する際に使われます。法律の文脈では、「予見可能性」があったかどうかが、注意義務違反(過失)の有無を判断する要素の一つになることがあります。
「予見可能性が高い」は、注意していれば結果を見通せたのではないか、という含みを帯びる言い方です。反対に「予見可能性が低い」は、通常の注意をしても結果を見通すのが難しかった、という意味合いで用いられます。
「予見」の類語を紹介
「予見」と似た意味を持つ言葉も知っておくことで、シーンに合わせた多様な表現ができるようにしておきましょう。

予想
「予想」は、将来について「こうなりそうだ」と見立てる言い方です。主観的な見立ても含みやすく、日常的によく使われます。
・今回の営業成績は予想以上だったので嬉しい。
・その美容液の保湿効果は、予想通り高かった。
予測
「予測」は、事の成り行きや結果を前もって推しはかることを意味します。
・前期のデータに基づいて、今期の売り上げの予測を立てる。
・スマートフォンの予測変換のせいで、よく使う言葉がばれてしまう。
予知
「予知」は、未来の出来事を前もって知ることを意味します。超心理学の用語で、超感覚的知覚ESPの1つともいわれています。
・その占い師の地震予知は、よく当たるという噂だ。
・この前見た夢と同じことが現実に起こったので、あれは予知夢だったのかもしれない。
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)、『世界大百科事典』(平凡社)
「予見」の英語表現とは?
英語で「予見」は、名詞なら “foresight”(先見)、動詞なら “foresee”(予見する) の形で覚えると整理しやすくなります。
英語で “fore”は「前」、“sight”は「見ること」や「視覚」を指します。この二つを合わせて、「前もって見通す」という意味を持つ英単語になっています。「予見」の漢字とも少しリンクしているかのようで興味深いですね。
参考:『プログレッシブ和英中辞典』(小学館)

「予見」に関するFAQ
ここでは、「予見」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「予見」とはどういう意味?
A. 物事が起こる前に、その事を見通すことを意味します。
Q2. 「予見可能性」とは何を指す言葉?
A. 法律の文脈では、同じ状況の一般人が注意すれば結果を見通せたか、という観点で用いられます。過失の判断要素の一つとして扱われます。
Q3.「予知」の意味は?
A. 「予知」は未来の出来事を前もって知ることを意味し、超心理学の用語で超感覚的知覚ESPの1つともいわれています。
最後に
「予見」はかたい言葉に感じられますが、ビジネスシーンなどで、思わずため息が出るようなトラブルが起こった時に使えるかもしれません。これは「予見」できたことなのか、そんな観点で出来事を振り返ってみると、とても冷静な思考に切り替えられますね。
ここぞというときに使えるので、覚えておきたい言葉です。
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