「お詫びの手紙」とは?
ミスをしてしまったときや、相手に迷惑をかけてしまったときなど、なんらかの理由で謝罪しなければならないこともあるでしょう。そんなときに書く文書のことを「お詫びの手紙」といいます。
直接謝罪に行けない場合などに「お詫びの手紙」を書きますが、文字では気持ちが伝わりにくいこともしばしば。いくつかのポイントを意識して、誠意の感じられる「お詫びの手紙」を書くことが大切といえるでしょう。
「お詫びの手紙」を書く際のポイントを解説
さっそく、「お詫びの手紙」を書くときのポイントを見ていきましょう。「お詫びの手紙」を書くということは、こちら側に非があるのですから、失礼のないように細心の注意を払う必要があります。最低限のマナーを守り、気持ちが伝わるような手紙を書きたいですね。
1:「お詫びの手紙」はなるべく早く出す
謝罪はなるべく早く行うのが鉄則。自分の非を認めて謝罪することは難しいですし、怒られたくないという気持ちから、つい後回しにしたくなってしまいます。しかし、先送りにすることで、更に事態が悪化してしまうことも。
今後の信用問題にも繋がりますから、誤らなくてはならない場面ではなるべく早く行動するように心がけましょう。
2:原因を伝える時は論理的に
なぜミスやトラブルが起きてしまったのかを伝える時は、言い訳がましい文章にならないように注意する必要があります。相手は言い訳を聞きたいわけではなく、問題の原因を知りたいのです。
したがって、なるべく主観を排除した客観的な文章を心がけましょう。なぜミスが起きたのかという原因と、今後の対応、そして同じようなミスを起こさないための改善方法を簡潔に明記すると、誠意が伝わるのではないでしょうか。
3:第三者に見てもらう
「お詫びの手紙」には、そのつもりは無くても、言い訳などの主観が入りやすくなってしまうことも多いです。そこで、焦って言い訳がましくなったり、間違った日本語になったりしていないかを第三者に確認してもらうのがおすすめ。これ以上相手に不快感を与えないために、上司や信頼できる仲間に文章を一度チェックしてもらうと良いでしょう。
4:「分かりやすく、簡潔に」を心がける
「お詫びの手紙」を書く際には、要点を分かりやすくまとめることを意識しましょう。ミスやトラブルを正直に書き、お互いの認識に齟齬が生まれないようにする必要があります。丁寧に書こうと意識しすぎてしまうと、くどくなったり、言い逃れしているような文章になりがちです。
お詫びの言葉や気持ちを述べることも大切ですが、まずは起きた出来事をしっかりと伝えることを意識しましょう。
「お詫びの手紙」で添えたい例文を紹介
続いて、実際に「お詫びの手紙」を書くときの例文を紹介します。「どう書いたらいいのか分からない」「この表現を使っても失礼にならないだろうか…」など、疑問点は多いはず。慣れない「お詫びの手紙」を書くうえで、役に立つ表現を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
ただし、例文はあくまでも例文です。大切なことは、自分の言葉で伝えること。コピペをした「お詫びの手紙」は、相手にも伝わってしまいます。あくまでも参考程度に、自分で考えながら「お詫びの手紙」を書くように心がけましょう。
1:謹啓
手紙を書くときには「拝啓(はいけい)」を用いることが多いですが、「お詫びの手紙」で最初にあいさつの言葉を述べたい際は、「謹啓(きんけい)」を用いると良いでしょう。
意味としては、「拝啓」とほとんど同じですが、「お詫びの手紙」では、「拝啓」よりも敬意の高い「謹啓」を用いるのが無難です。結びの言葉は、「謹言」か「敬白」になります。
2:謹んでお詫び申し上げます
こちら側に非がある時の謝罪のフレーズとして、「謹んでお詫び申し上げます」という表現があります。「申し訳ございませんでした」よりも丁寧な表現といえるでしょう。「謹んで」とは、「かしこまる」という意味の動詞「謹む」の連用形に接続助詞の「て」がついて音変化した言葉で「うやうやしいさま」「かしこまるさま」など、相手に対する敬意を表現します。
相手への誠意と敬意を伝える表現として、ふさわしいといえるのではないでしょうか。
3:陳謝いたします
「陳謝(ちんしゃ)」とは、「事情を述べて謝罪する」という意味の熟語です。「不祥事を深く陳謝する」などと言ったりしますね。
4:不徳の致すところです
自分の力不足により招いた結果を謝罪するときには、「不徳の致すところです」という表現ができます。「不徳(ふとく)」とは、「徳が備わっていないこと」「不道徳なさま」などを表す言葉です。
「不徳の致すところです」という表現には、「自分が力不足で至らなかったために、望むような結果を出すことができなかったことを反省する」というニュアンスが含まれています。
「お詫びの手紙」の形式は何が正しい?
「お詫びの手紙」を書くときに、気になるのが手紙の書式。書く内容も気にしなければなりませんが、封筒や便せんなどに関するマナーも知っておきたいところ。最後に、知っておきたい「お詫びの手紙」の形式について、紹介します。
白無地の二重封筒
「お詫びの手紙」に使う封筒は、「白色で無地」の封筒を使うのが基本の形式といわれています。また、封筒のサイズは、場所を取らないような大きすぎないものを選ぶと良いでしょう。そして、中身がしっかりと守られる「二重封筒」に入れて出すことをおすすめします。
縦書きでも横書きでも問題はない
そもそも日本は縦書きの文化なので、正式な文章は伝統的に縦書きで書かれることが多かったのですが、近年のビジネスシーンにおいてはパソコンで文章が作成されることが多いため、横書きでも問題ないとされています。
最後に
「お詫びの手紙」とは、「自分の非や失敗を認めて謝罪をする文書」のこと。マナーを守り、最大限の誠意を込めて、早急に分かりやすく伝えることが大切です。「お詫びの手紙」を書く機会はあまり多くないかもしれませんが、だからこそ、いざという時のための知識として覚えておいても損はないのではないでしょうか。
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