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「お詫び申し上げます」の意味とは?
何かに失敗したときなど、相手に迷惑をかけてしまった際に使われる謝罪文が、「お詫び申し上げます」です。非常に堅く重みのあるフレーズになりますので、目上の方や取引先などに対し使うことができます。
日常で使う機会はあまり多くはないと思いますが(できれば使いたくないものです…)、いざという時にきちんと使えるよう、本記事では「お詫び申し上げます」の意味、使い方、言い換え表現を説明していきます。これを機にしっかりと覚えておきましょう。
「お詫び申し上げます」の意味
「お詫び申し上げます」は、「詫びる」の丁寧語と「申し上げる」という謙譲語から成り立っています。「詫びる」とは、心苦しく思い、自分が悪かったと謝ることです。目上の方や取引先に対し、ミスをしたり迷惑をかけてしまったりした際、相手を敬い謝罪するフレーズになります。
「すみませんでした」、「申し訳ありませんでした」よりも、より丁寧で真摯な印象を与えますので、社会人として覚えておくべきフレーズです。
「お詫び申し上げます」の使い方は? 例文でチェック
では、具体的にどのような場面で使われるのか、例文を用いて解説していきます。(皆さんがこれから紹介するフレーズを使う日がこないことを願うばかりですが…)
「この度は弊社のミスによりご迷惑をおかけしましたこと、深くお詫び申し上げます」
「お詫び申し上げます」に「深く」を付け加えることで、より重みのある謝罪文になります。口頭でもメールでも使うことが可能です。記載ミス、操作ミス、確認ミス、聞き間違えなどなど、誰にでもミスは起きてしまうもの。そういった時に備え、誠意をもって謝罪できるように心得ておくことは大事なことですね。
「この度の弊社一部商品の賞味期限の誤記載に関し、多大なるご迷惑、ご心配をおかけしました事、お買い上げくださいましたお客様には謹んでお詫び申し上げます」
「謹んで」とは、相手に敬意を払い、かしこまることです。こちらも「深く~」と同様により丁寧で真摯な謝罪表現になります。企業や政府関係者の謝罪会見など公のシーンでもよく使われる表現ですね。一度は皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか。
「この度は弊社の確認不足により、ご請求金額の入金が遅延し大変なご迷惑をおかけしました事、心よりお詫び申し上げます」
「心より」もまた、「お詫び申し上げます」をより強調し重みのあるものにする言葉です。「心から」と言い換えることもできます。金銭のやり取りに関するミスは、会社にとって非常に致命的な損害になり得ます。起きてしまったことはしょうがありませんが、迅速に状況整理し謝罪することが、今後の信頼関係にも影響してきますので注意したいものですね。
「最後に、この度の弊社の不手際より発生した○○に関し、大変なご迷惑をおかけしました事、重ねてお詫び申し上げます」
「重ねて」とは繰り返すという意味です。口頭でよく使われますが、最初にお詫びをし、原因説明などをした後、最後にもう一度謝罪することで、深く謝罪していますという気持ちを込めることができます。「重ね重ねお詫び申し上げます」という言葉も、同様の意味を含み有効的なフレーズになります。
「弊社の○○の製品カタログにおいて一部誤記載がありました事、お詫び申し上げますとともに、下記の通り訂正させていただきます」
文書などでよく目にする「お詫び申し上げますとともに~」というフレーズです。「申し上げますとともに~」とは、後に何かを続ける際に使います。「感謝申し上げますとともに~」、「お喜び申し上げますとともに~」など広く活用できるフレーズです。こちらもぜひ覚えておきたいフレーズですね。
「お詫び申し上げます」に代わる謝罪表現は?
次に、「お詫び申し上げます」の言い換え表現をご紹介します。言い方によって謝罪の深さなどが変わってきますので、場面に応じて使い分けることが大事なポイントです。
「陳謝致します」
「陳謝」とは、<ちんしゃ>と読み、事情を説明したうえでお詫びをすることを意味します。「お詫び申し上げます」と異なる点は、謝罪の前に必ず理由や経緯の具体的な説明をすることです。ビジネスシーンでは、ただ謝ることだけでなく、基本的に原因や改善策を求められることが多いと思います。そのような際に「陳謝」は使える言葉です。
例文:「弊社のシステム不具合に関し、関係者の皆様には陳謝申し上げるとともに、早急に原因究明と再発防止に取り組んでまいります」
「お詫びの言葉もございません」
このフレーズは、これ以上言葉では言い尽くせないほどの謝罪の気持ちが込められています。「お詫び申し上げます」だけでは言い足りないほど、多大な迷惑をかけてしまった際に、取引先や上司に対し用いることが多いでしょう。
例文:「この度の弊社担当者の応対に関し、お客様に不快な思いをさせてしまいましたこと、大変失礼いたしました。お詫びの言葉もございません」
「お詫び申し上げます」の英語表現とは?
「お詫び申し上げます」を英語で伝えたい時は、「謝罪する」という意味の“apologize”が使えます。より深い謝罪の意を込めたい時は、さらに“sincerely”や“deeply”を付け加えると効果的です。では、例文をご紹介します。
“I deeply apologize for causing the inconvenience.”
(ご迷惑をおかけし、深くお詫び申し上げます)
“I sincerely apologize that a staff at our support center was rude to you.”
(この度は弊社サポートセンターの担当者が失礼な態度をとりましたこと、深くお詫び申し上げます)
最後に
さて、いかがでしたでしょうか? 皆さん過去を振り返り、何か謝罪した際に「お詫び申し上げます」をきちんと使えていたでしょうか? 特に取引先などへ迷惑をかけた際は、謝罪の仕方一つで会社の信用問題にもつながってくるため、言葉ひとつひとつに慎重にならなければなりません。
登場回数は少ないに越したことはありませんが、社会人のマナーとしてきちんと身につけておくことで、いざという時に慌てず冷静な対応をとることができるでしょう。ぜひこの言葉を覚えておきましょう。
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