“the elephant in the room”ってどんな意味?
「立つ鳥跡を濁さず」や「猫の手も借りたい」など、日本でも動物の名前が入った慣用句は、日常会話に欠かせませんよね。
実は英語にも、日本語に匹敵するくらい動物を使った慣用句(イディオム)がたくさんあります。そして私たちが慣用句としての意味を知らずに直訳してしまうと、知らず知らずのうちに話が食い違っていた…… なんてことに!
今回ピックアップするのも、そんなフレーズ。
“the(an) elephant in the room”
「There is an elephant in the room.」
「It’s the elephant in the room.」
のような形で使います。
直訳すると「部屋に象がいる」ということになりますが、そんなことを急に言われたら、「え!? 象!? 象なんていないけど……」と、なんのことだかわからずパニックになってしまいそうですよね!
もちろんこれはイディオムで、実際に部屋に象がいるわけではないのでご安心を。
ではどんな意味なのでしょうか?
前回の記事はこちら>>「Do you know BTS?」と聞かれたら?「Yes!」と答えたら… 驚かれる!?
正解は?
前述のように、“the(an) elephant in the room”の直訳は「部屋にいる象」。では、部屋に象がいる状況を思い浮かべてみてください。
現存する陸上最大の動物ともいわれる〝象〟。そんな象が部屋の中にいたら、いくら海外ドラマで出てくるような豪邸にいたとしても気づかなかった! なんてことはそうそうありえませんよね。
“the(an) elephant in the room”は、このように、誰もがそこにいる(ある)と認識しているけれど、あえて触れずに気付かないふりをする…… という状況を表すときに使えるフレーズなのです!
つまり日本語でいうなら、「触れたくない話題(タブー)」ということ。
elephant in the roomの前に“the”が付くのか“an”が付くのかは、基本的に「There is ~」という構文のときは“an”が付くと覚えておけばOKです。
<例>
A:「How was your birthday party with your family last night?」(昨夜の家族との誕生日パーティーはどうだった?)
B:「Actually, I felt very awkward.」(実は、とても気まずい思いをしたんです)
A:「Why?」(どうして?)
B:「Last week, my sister was dumped by her boyfriend. That topic was the elephant in the room.」(先週、妹が彼氏に振られてしまったんだけど、みんなその話題には触れないようにしていたんです)
ちなみに、“elephant”を使ったイディオムは他にもあります。
たとえば、以前もご紹介した“white elephant”。直訳すると「白い象」ですが、「無用の長物」という意味になるのでしたね。
イディオムを使いこなせるようになると、表現の幅もぐっと広がるはず。“the(an) elephant in the room”は、海外ドラマや映画でもよく使われるフレーズなので、ぜひ覚えておいてくださいね!
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machi
小学生~社会人を対象とした英語教室を運営する英語講師。英検1級/国家資格・通訳案内士/TOEIC 900点以上
生徒のリクエストによっては、数学や化学まで教えることも。○十年前の記憶を引っ張り出し奮闘中。
ただいま周回遅れで韓ドラがブーム! 本当は仕事も家事もせず1日中韓ドラを観てぐ~たら過ごすのが理想。韓国語も習得したい。