この記事のサマリー
・「スピンオフ」とは本編から派生した関連作品や副産物全般を指す言葉です。
・映画やドラマでは本編の世界観を引き継ぎ、別視点を描く派生作品が「スピンオフ」と呼ばれます。
・ビジネスでは特定事業を切り出し独立会社にする企業再編もスピンオフと呼ばれます。
よく耳にする「スピンオフ」。映画やドラマの制作発表や、経済ニュースでも見聞きするけれど、「正しい意味を説明して」と言われると自信がない… そんな人も多いはず。
この記事では、作品としてのスピンオフから企業の再編で使われるケースまで、基本の意味と身近な例をわかりやすく整理します。
「スピンオフ」の意味や語源とは?
まずは、「スピンオフ」の語源と意味から確認していきましょう。
語源と意味
「スピンオフ」は、英語の “spin off” に由来します。主に4つの意味がありますよ。
辞書では次のように説明されています。
スピン‐オフ【spin-off】
1 企業が事業部などの一部門を独立させて別の会社(例えば、子会社)をつくること。新会社の株式は、通常、親会社の株主に分配される。
2 国による技術開発などで思いがけなく付随的に発生する副産物。また、民間産業への転用。
3 好評だったテーマや登場人物などを取り入れたテレビ番組の続編。
4 ⇒スピンアウト
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「スピンアウト」についても見ておきましょう。
スピンアウト【spinout】
1 個人あるいは複数の仲間がある組織からとび出し、独立の小規模組織をつくること。スピンオフ。
2 自動車がスピンして道路から外に出ること。
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
以下で、場面別に意味を確認していきます。

映画やドラマで使われる「スピンオフ」
「スピンオフ」といえば、映画やドラマ、アニメで使われるイメージを持つ人が多いのではないでしょうか? 映画やアニメにおける「スピンオフ」とは、既存の作品やシリーズの好評だったテーマや登場人物を取り入れて作られた関連作品のこと。
特に、本編では脇役だった登場人物が主役として描かれたり、主人公の意外な過去がストーリー化されるなど、本編から派生した作品であることが特徴です。
あえて主人公以外の登場人物の視点から描くことによって、物語の世界観がより多面的で深みのあるものに仕上がるというメリットがありますよ。
ビジネスで使われる「スピンオフ」
ビジネスにおける「スピンオフ」は、「企業が特定の部門を分離して、別の子会社を作ること」。例えば、事業部などの一部門を独立させて、新会社を設立するケースが当てはまります。
元の企業から出資を受けて独立することが多く、新会社の株式が親会社の株主に分配されることが特徴です。事業形態の見直しや、基軸である本社の集中化を避ける目的として行われることが多いでしょう。
技術開発で使われる「スピンオフ」
科学技術の分野における「スピンオフ」とは、「技術開発で思いがけなく発生する副産物」のこと。さらに、国が宇宙開発や軍事目的で開発した技術を、民間産業に転用することを指します。
例えば、元々アメリカが軍事用に開発したGPSが、後にスマホで人の位置情報を確認したり、追跡できるシステムに転用されたケースが挙げられますね。反対に、民間の技術が軍事用に転用されることを「スピンオン」といいます。
有名な「スピンオフ」作品
映画やドラマなどで、有名な「スピンオフ」作品にはどのようなものがあるのでしょうか?
映画作品では、アメリカの冒険映画『ハムナプトラ2/黄金のピラミッド』(2001)から『スコーピオン・キング』(2002)が「スピンオフ」作品として製作されました。
近年では、ドラマやバラエティ番組の人気キャラクターを主役にした配信限定のスピンオフ作品なども増えており、本編とは違った切り口で作品世界を楽しめるようになっています。
また、邦画では、大ヒット映画『踊る大捜査線 THE MOVIE』(1998)から『交渉人 真下正義』『容疑者 室井慎次』が製作されたのが有名ですね。「スピンオフ」作品では、主人公に対抗する悪役や容疑者などが主役になるパターンが定番です。

「スピンオフ」作品の類語とは?
映画やドラマなどで本編以外のストーリーを指す言葉には、「番外編」や「外伝」などがあります。それぞれの特徴や違いに着目してみていきましょう。
番外編
物語において、本編とは異なる話のことを「番外編」といいます。本編のストーリーの道筋から外れた物語であることが特徴です。
「番外」はもともと、「予定されたものではないこと」「普通のものとかけ離れていること」を指します。このことから転じて、本編とはかけ離れた内容の作品のことを「番外編」と呼ぶようになったのかもしれませんね。
主な作品としては、『釣りバカ日誌 番外編』『進撃の巨人 番外編』などが挙げられます。
外伝
「外伝(がいでん)」とは、「正式な記録以外の伝記」のこと。本伝に載っていない逸話や神話などを集めたもののことを指します。歴史ものやSF作品では、架空の伝説に重厚なイメージを与えるためにあえてタイトルに「○○外伝」とつけることもありますよ。
『赤穂義士外伝』や、白土三平さんによる漫画『カムイ伝』から派生した『カムイ外伝』などが例として挙げられます。

「スピンオフ」に関するFAQ
ここでは、「スピンオフ」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1:「スピンオフ」とは、簡単に言うとどんな意味ですか?
A:もともとの作品や事業から派生して生まれた「関連する新しいもの」を指します。映画やドラマなら、本編の世界観を引き継いだ別視点の物語。ビジネスなら、ある事業を切り出して独立させた新会社などがスピンオフです。
Q2:映画やドラマのスピンオフ作品にはどんな特徴がありますか?
A:本編に登場したキャラクターや設定を引き継ぎつつ、脇役を主役にしたり、過去や裏側を描いたりするのが特徴です。同じ世界観を楽しみながら、新しいストーリーや視点を味わえるのがスピンオフ作品の魅力です。
Q3:ビジネスで使うスピンオフとは、どういう意味ですか?
A:ビジネスでは、会社の一部門や事業を切り離して独立会社にする企業再編を指します。
最後に
ドラマや映画で使われるイメージが強い「スピンオフ」という言葉ですが、実は、ビジネス用語でもあったのは意外でしたね。
今では、NetflixやHuluなどの定額制動画配信サービスが普及し、多くの映画やドラマが気軽にみられる時代になりました。それに伴い、映画やドラマでは数多くの「スピンオフ作品」が制作されているだけでなく、配信オリジナルのシリーズでもスピンオフも生まれています。
「スピンオフ」を見ることで、今まで知らなかった作品の裏側や世界観にどっぷり浸ることができるはず。皆さんもお気に入りの「スピンオフ」作品を見つけてみてはいかがでしょうか?
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