「出たとこ勝負」の意味や使い方とは?
「出たとこ勝負」とは、事前に準備することなく、その場の成り行きで物事を決めることです。博打(ばくち)ではサイコロの出た目で勝負が決まることから「出たとこ勝負」という表現が生まれたといわれています。
・今回のテストは出たとこ勝負で行くつもりだ
・何も準備をせずに出たとこ勝負も悪くないが、少しでもよい結果を出したいと思うなら、やはり練習はしておきたい
・彼はいつでも「出たとこ勝負」と言っているが、実際のところ、誰よりも準備に余念のない人物だ
なお「出た所勝負」と表記することもありますが、「ところ」ではなく「とこ」と読むことが一般的です。
でたとこ‐しょうぶ【出た▽所勝負】
出典:小学館 デジタル大辞泉
《ばくちで、出た采さいの目で勝負を決めるところから》事前に準備することなく、その場の成り行きで決着をつけること。「今度の試験は出た所勝負でいく」
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「出たとこ勝負」の言い換え表現
「出たとこ勝負」のように「丁寧に準備をしないこと」や「成り行きに任せること」を意味する言葉は多数あります。たとえば、次の表現は「出たとこ勝負」の言い換えに用いることも可能なケースが多いでしょう。
・ぶっつけ本番
・行き当たりばったり
・適当
・いい加減
・無責任
・ちゃらんぽらん
・成り行き任せ
・ケセラセラ
いずれも似た意味を持ちますが、使用するシチュエーションやニュアンスが少々異なります。それぞれ例文を通して見ていきましょう。

ぶっつけ本番
「ぶっつけ本番」とは、リハーサルやテストなしで、直接、上演・撮影・本放送などを行うことです。演劇や映画、テレビ・ラジオの放送などで、いきなり本番を迎える際に使われます。
また「ぶっつけ本番」は、日常生活でも使われる言葉です。準備や練習をしないでいきなり実際に事を行う際には「ぶっつけ本番だ」と表現することがあります。
・ぶっつけ本番のわりには完成度の高い演技だった
・普段から準備をしておけば「ぶっつけ本番だ」と慌てることはない
・練習する時間がなく、ぶっつけ本番にならざるを得ない
平仮名で「ぶっつけ」と表記することが多いですが、「打っ付け」「打付」と表記することもあります。
行き当たりばったり
「行き当たりばったり」とは、計画を立てないで、その場の成り行きにまかせることです。「出たとこ勝負」は「試験」や「試合」のように何らかの結果が出る際に使われることの多い言葉ですが「行き当たりばったり」は「無計画性」を表現する際に使われることが一般的といえます。
・行き当たりばったりの施策だから、かえって問題が生じる
・彼の生き方には一貫性がなく、行き当たりばったりのように見える
・行き当たりばったりの人生だが、それはそれで面白いものだ
「ゆきあたりばったり」と発音することや、「行当りばったり」と表記することもあります。
適当
「適当」とは、やり方などがいい加減な様子を指します。一般的には、悪い意味で用いられることが多い言葉です。
・彼の適当な発言に振り回される必要はない
・適当な返事でごまかした
・あの店の接客はひどいものだ。客を適当にあしらっている
「適当」は、条件や目的などにうまく当てはまっている様子やふさわしい様子を指すとき、程度が程よいときにも使われます。
・クリニックを開業するには適当な土地だ
・彼は、この仕事に適当な人材だ
・調味料を適当に加える
よい意味で「適当」なのか、悪い意味で「適当」なのかは、文脈から判断することが必要です。前後から適切に読み取りましょう。
成り行き任せ
「成り行き任せ」とは、物事の自然の成り行きに委ねることです。
・すべてにおいて成り行き任せだから、将来を見通せない
・成り行き任せでは、自分に合う仕事は見つからないよ
・彼女はいつも成り行き任せで、計画性といったものがない
物事に対して積極的に関わらず、自由にさせる様子を指すこともあります。

いい加減
「いい加減」とは、最後までやり遂げずに投げ出す様子です。「好い加減」とも表記します。
・あの人はいい加減だから、信用ならない
・いい加減なやり方では、後でやり直しが必要になるよ
・面倒なので、いい加減に仕上げておいた
また、相当な程度に達しているため、ほどほどのところで終わってほしいといった意味もあります。
・いい加減にその話題はやめてほしい
・毎日雨ばかりでうんざりだ。いい加減にやんでほしい
・いい加減に遊ぶのはやめて、仕事に戻ってほしい
「いい加減」はネガティブな意味で使われることが多いですが「手頃」や「程よい程度」といったポジティブな意味で使われることもあります。
無責任
「無責任」とは「責任がないこと」を意味する言葉ですが、「責任を自覚しないこと」を意味する際にも使われます。
・彼の発言は無責任だ
・無責任な人間にはなってほしくない
・彼はしっかりとした人だと思っていたが、実際には無責任な人らしい
「責任を自覚しない」という意味で使われる場合は、相手を責めるニュアンスが含まれることがあります。
ちゃらんぽらん
「ちゃらんぽらん」とは、いい加減で無責任なことです。
・彼女はちゃらんぽらんな性格だ
・ちゃらんぽらんなことばかり言う
・ちゃらんぽらんな仕事ぶりだから、仕上がりもその程度なのだろう
「仕事」や「発言」のように特定の物事を指して使われることもありますが「生き様」や「性格」などを修飾し、その人本来の性質について述べることも少なくありません。
ケセラセラ
「ケセラセラ」とは、なるようになるさという意味のスペイン語です。
・悩んでも仕方ないよ。ケセラセラさ
・彼女のモットーは、ケセラセラだ
・もっと気楽にケセラセラの気持ちで生きていこう
「ケセラセラ」は、ヒッチコック監督の「知りすぎていた男」という映画の主題歌としても知られるようになったとされています。
ビジネスでは「出たとこ勝負」は回避したいもの
予想よりも早く勝負する必要が生じたときは「出たとこ勝負」の心意気で気持ちを奮い立たせるのも一つの方法でしょう。
しかし、ビジネスなどの結果が求められる場面では「出たとこ勝負」は得策とはいえないケースも。念入りに準備をし、最大限のパフォーマンスを発揮できるようにするのがよいでしょう。
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