目次Contents
この記事のサマリー
・「さることながら」は、前の内容を認めつつ別の内容を重ねるときに使う表現です。
・「〜はもちろんのことだが」、「いうまでもなく」という意味を持ちます。
・漢字表記は「然る事乍ら」です。
会議などで「さることながら」という言葉を耳にし、「どういう意味だろう…?」と思ったことはありませんか? 日常会話ではあまり使われないため、意味や使い方についてはわからないという人もいるでしょう。
「さることながら」は、会議やプレゼンなどビジネスの場や、フォーマルな場での挨拶などで使われています。この記事では、意味や使い方、言い換え表現を確認していきましょう。
「さることながら」とは?
まずは意味から確認していきましょう。
「さることながら」の意味
「さることながら」は、「〜はもちろんのことだが」、「いうまでもなく」という意味を持ちます。前に述べた内容を当然のこととして受け止めたうえで、さらに別の内容を続けたいときに使いますよ。
辞書では次のように説明されています。
さること‐ながら【▽然る事×乍ら】
[連語]…はもちろんのことだが、そればかりでなく。いうまでもなく。
用例:「この映画はストーリーも―、音楽もすばらしい」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「さることながら」を漢字で書くと?
「さることながら」の漢字表記は「然る事乍ら」です。現在では、ひらがなで書くことが多いでしょう。
また、「去ることながら」ではない点にも注意したいところです。
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)
「さることながら」を使う際のポイント
「さることながら」は、適切に使うことができると便利な言葉です。使う際のポイントを紹介しますので、参考にしてください。
「さることながら」の構造
「さることながら」は、前半の内容を認めたうえで、後半に別の内容を続ける表現です。そのため、文の流れとしては前半に一つ目の内容を置き、後半に続けて伝えたい内容を置く形になります。
「Aさんの意見が良いのもさることながら、Bさんの意見も優れていると思います」のように使うと、Aさんの意見を受け止めつつ、Bさんの意見にも目を向けたいことが伝わります。
1つ目の強調したい事柄は、明確に
「さることながら」は、前半の内容を受けて後半へ話をつなぐ言い回しです。そのため、まず認める内容を明確にした上で、そこに別の視点や評価を重ねるようにすると、文意がすっきり伝わります。
挨拶やスピーチなどで使いやすい
ビジネスで使う場合は、会話よりも説明文や挨拶、スピーチ、メール文面など、やや改まった場面になじみやすい表現です。
相手の発言や成果に触れるときは、「ご提案の内容もさることながら、実行面でのご配慮にも学ぶ点が多いと感じました」のようにすると、前の内容を受け止めながら別の評価も添えられます。

「さることながら」の使い方を例文で紹介
ここからは実際の「さることながら」の使い方を見ていきましょう。例文を一緒に紹介しますので、参考にしてくださいね。
ビジネスシーンで使う場合
《例文》
・〇〇主任は、営業マンとしての能力が高いのもさることながら、人間性も素晴らしい
・このプロジェクトは、企画内容もさることながら、ターゲット層の設定もユニークだ
・今秋発売の新製品は、デザインもさることながら、機能面の改善が秀逸だ
上記の例文を読むと、2つの事柄のどちらもいいが、強調したいのは2つ目の事柄であるということがわかるのではないでしょうか? 2つの強調したい事柄を1つの文で伝えたい場合、「さることながら」を用いると、上手にまとめることができます。
日常で使う場合
日常で「さることながら」をどのように使うかも見ていきましょう。
《例文》
・英語は、文法もさることながら、発音も難しい
・このシェフの作る料理は、味もさることながら、盛り付けも素晴らしい
・この街の魅力は、利便性もさることながら、治安の良さにある
日常で使うには少しかたいですが、書き言葉や、少しあらたまった感想を伝える場面なら十分に使えます。「景色もさることながら、空気の澄み方が印象的だった」、「味もさることながら、香りのよさに驚いた」のようにすると、前に挙げた魅力を認めながら、別の魅力を自然に重ねて伝えられます。

「さることながら」を別の言葉で言い換えるなら?
別の言葉で「さることながら」を言い換えるとしたら、どのような言葉を使えばいいか見ていきましょう。言い換え表現を知っていると、表現力が豊かになります。
汎用性の高い「当然ながら」
「当然ながら」は、文脈によっては「さることながら」に近い形で使える表現です。ただし、完全に同じ働きをするとは限らず、「当然ながら」は、その内容が当然だと判断している気持ちを前面に出す言い方だといえるでしょう。
上手に活用したい「言うまでもなく」
「言うまでもなく」と「さることながら」は、前提として明らかな内容を示す点で共通しています。
ただし、「さることながら」が前半を受けて後半へ話を進める流れを作りやすいのに対し、「言うまでもなく」は、その事柄自体が明白であることを示す点がやや強いといえるでしょう。

「さることながら」に関するFAQ
ここでは、「さることながら」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「さることながら」はどういう意味ですか?
A. 「〜はもちろんのことだが」「いうまでもなく」という意味で、前に述べた内容を認めた上で、別の内容を続けるときに使う表現です。
Q2. 「さることながら」は漢字で書けますか?
A. 漢字表記は「然る事乍ら」です。
Q3. 「さることながら」の言い換えには何がありますか?
A. 近い表現には「言うまでもなく」があります。
最後に
日常会話ではあまり登場しない「さることながら」は、ビジネスやフォーマルな場での挨拶やスピーチなどでよく使われます。ある意見は当然のことと前提した上で、さらに追加で意見を加えるといった場合に使うことが多く、会議やプレゼンなどで自分の意見を補足したい時に使うと便利です。
「さることながら」には、言い換え表現も複数ありますので、覚えておくと使い勝手がいいですね。
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