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この記事のサマリー
・「俎上に載せる」は、物事や人物を議論や批評の対象として扱う表現です。会議にも使えます。
・単なる話題化ではなく、問題として取り上げ、論じる場面で使う言葉です。雑談とは異なります。
・言い換えるなら、「問題として取り上げる」、「議題にする」などが近い表現です。
会議やニュースで見聞きする「俎上(そじょう)に載せる」という表現。なんとなく意味は想像できても、自分で使うとなると少し迷う言葉かもしれません。ビジネスで使っても不自然ではないのか、言い換えるならどの表現が合うのか…?
似た言葉が多いからこそ、使う場面を誤ると印象も変わってしまいます。気になる点をひとつずつ整理しながら、自分の言葉にしていきましょう。
「俎上に載せる」とは?
まずは「俎上に載せる」の意味を確認していきます。
意味
「俎」には、まな板という意味があります。つまり、「俎上」とは、まな板の上のこと。
「俎上に載せる」は、料理のために食材をまな板に置く様子から転じて、物事や人物を議論や批評の対象として取り上げる意味で使われます。単に話題にするだけでなく、「問題として取り上げ、いろいろな面から考える」というニュアンスを含む表現です。
辞書では次のように説明されていますよ。
俎上(そじょう)に載(の)・せる
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
ある物事や人物を問題として取り上げ、いろいろな面から論じたり批評したりする。「政治改革を―・せる」
政治や社会的な問題に限らず、会議で案件を検討するとき、方針を見直すとき、人物や作品について批評するときなどにも使われます。
参考:『故事俗信ことわざ大辞典』(小学館)

誤表記に注意
「俎上に載せる」で注意したいのが、漢字の誤りです。「俎上に乗せる」と書いてしまいがちですが、それは誤用。「載せる」が正しい表記ですので、注意してください。
また、「遡上(そじょう)」は、魚などが川をさかのぼることを表す別語です。「俎上」とは意味が異なるため、「遡上に載せる」と書くのも誤りですから気をつけましょう。
「俎上に載せる」はどのように使う?
ここからは「俎上に載せる」の使い方を見ていきましょう。具体的な例文とともに使い方を確認していきます。
今回の不具合は影響範囲が広いため、次回の会議で正式に俎上に載せることになった。
不具合を単なる報告で終わらせず、会議で検討すべき問題として取り上げることを表す例文です。
「俎上に載せる」は、議題として扱う、検討対象にする、批評や議論の対象にするという意味で使われます。ビジネスシーンでは、課題や方針、制度、企画などを正式に検討する場面で使うと自然です。
明日の緊急役員会では、新製品の品質劣化について俎上に載せる予定だ。
新製品の品質劣化を、緊急役員会で検討すべき問題として取り上げることを表す例文です。
「俎上に載せる」は、問題や課題を会議の議題にする場面で使います。原因や対応策を論じる必要があるときに、「品質劣化を俎上に載せる」「制度改定を俎上に載せる」のように使うと自然です。
新しい課長の進め方について、部署内でさまざまな意見が出ており、会議でも俎上に載せられることになった。
人物に関する事柄を、議論や批評の対象として取り上げることを表す例文です。
「俎上に載せる」は、人に対しても使えます。ただし、単に噂をする、話題にするという意味ではありません。人物の方針や言動、判断などを問題として取り上げ、議論や批評の対象にする場合に使う表現です。

「俎上に載せる」の類語や言い換え表現は?
「俎上に載せる」と言い換えたい場合に、使える似た言葉を見ていきましょう。いくつかピックアップして紹介します。例文もあわせてチェックしてくださいね。
取り上げる
「取り上げる」には、問題として扱う、意見を採用する、議題にするなどの意味があります。「訴えを取り上げる」のように、問題として扱う意味で使う場合は、「俎上に載せる」の言い換えとして使いやすい表現です。
ただし、「取り上げる」は意味の幅が広い言葉です。単に手に取る、奪う、採用するなどの意味もあるため、「問題として取り上げる」「議題として取り上げる」のように文脈を補うと伝わりやすくなります。
《例文》次回の会議では、現場から出ている改善案を議題として取り上げる予定です。
扱う
「扱う」には、道具や機械を操作する、仕事として処理する、人をある立場として遇するなど、複数の意味があります。その中でも、「特に取り上げて問題にする」という意味で使う場合は、「俎上に載せる」の言い換えになります。
「問題として扱う」「会議で扱う」「重要な論点として扱う」のように使うと、検討や議論の対象にする意味が伝わりやすいでしょう。
《例文》このケースを問題として扱うかどうかは、部長の判断を仰いだうえで決めましょう。
このほか、相手や場面によっては「議題にする」「検討事項として取り上げる」と言い換えるのもいいでしょう。

「俎上」を使った慣用句
「俎上」は、日常会話ではあまり使わない言葉ですが、「俎上」を含む慣用句はいくつかあります。それぞれ確認していきましょう。
俎上の魚(そじょうのうお)
「俎上の魚」は、相手のなすに任せるよりほかに方法のない運命のたとえです。
料理される魚がまな板の上に置かれると、自分では逃れられません。その様子から、相手の判断や成り行きに任せるしかない状態を表します。
《例文》処分が決まるまでは、俎上の魚のような気持ちで結果を待つしかなかった。
俎上の魚江海に移る(そじょうのうおこうかいにうつる)
「俎上の魚江海に移る」は、危険な状態を脱して、安全なところに移ることのたとえです。
「江海」は、大きな川や海を表します。まな板の上にいた魚が川や海へ移るように、逃れにくい危険な状態から離れ、安全な場所へ移ることを表す表現です。
《例文》交渉がまとまり、倒産の危機を免れた会社は、まさに俎上の魚江海に移るような状況だった。
「俎上に載せる」に関するFAQ
ここでは、「俎上に載せる」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「俎上に載せる」とは、どのような意味ですか?
A. 物事や人物を問題として取り上げ、いろいろな面から論じたり批評したりする意味です。
Q2. 「俎上に載せる」はビジネスで使えますか?
A. 会議や報告書、改まったメールなどで、案件や課題を検討対象にする場面に合う表現です。ただし、やや硬い言い方なので、相手や場面によっては「議題にする」「検討事項として取り上げる」と言い換えると自然でしょう。
Q3. 「俎上に載せる」の言い換えは何ですか?
A. 「問題として取り上げる」「議題にする」「検討対象にする」「問題として扱う」などが近い表現です。
最後に
「俎上に載せる」は少し硬い表現ですが、意味を知ると会議や文章の中でも使いやすくなります。大切なのは、単なる話題ではなく、議論や批評の対象にする場面で使うこと。似た表現との違いも意識できると、言葉選びに迷いにくくなりますね。
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