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2025.11.12

「火を見るより明らか」の意味とは? 語源と使い方を解説

「火を見るより明らか」とは、「誰が見ても明らかで、疑いの余地がないほど確実である」ことを表す言い回しです。本記事では、「火を見るより明らか」の意味や語源、使い方と注意点、英語表現、よくある疑問と回答を紹介します。

この記事のサマリー

・「火を見るより明らか」は、明白で疑いの余地がないことを表す言葉です。
・由来は中国の古典『書経』。
・英語表現には、“as clear as day”が挙げられます。

ビジネスの会話やニュース記事などで耳にする「火を見るより明らか」という表現。「確実だ」「間違いない」といった意味で使われますが、実はこの言葉には古典由来の深い背景があります。

本来どんな場面で使うべきか、どんな言い換えが自然なのか…。この記事では、語源や意味、注意点までを辞書などの情報をもとにわかりやすく解説します。

「火を見るより明らか」とは?|意味と語源をわかりやすく解説

まずは、「火を見るより明らか」の意味と語源から見ていきましょう。

意味とニュアンスの違い

「火を見るより明らか」は、「誰が見ても明らかで、疑いの余地がないほど確実である」ことを表す言い回しです。辞書では次のように説明されています。

火(ひ)を見(み)るよりも明(あき)らか
《「書経」盤庚上から》きわめて明らかで、疑いを入れる余地がない。火を見るより明らか。明々白々。「泣きをみるのは―である」

一部引用:『デジタル大辞泉』(小学館)

特に注意したいのが使用場面。悪い結果や問題点など「好ましくない結末」が予測されるときに使われる傾向があります。例えば、「失敗するのは火を見るより明らかだ」のように、注意喚起や警告としての用例が多い点が特徴です。

語源と由来|なぜ「火」なのか?

「火を見るより明らか」は、中国古典『書経(盤庚・上)』の一節「惟汝含徳、不惕予一人、予若観火」に由来するとされています。

燃えている火よりも、はっきりと見える。つまり、「絶対に疑いようがない」という強調表現として用いられてきました。

類語・言い換え表現

「火を見るより明らか」は断定的でやや強い印象を持つため、シーンによっては柔らかい表現に言い換えることも有効です。以下に代表的な類語をまとめます。

フォーマルな場面向き(ビジネス・論理展開など)

・一目瞭然(いちもくりょうぜん):一目見ただけではっきりわかる
・明白(めいはく):理屈や事実がはっきりしている
・自明の理(じめいのり):論じるまでもなく当然であること

カジュアルな場面向き(会話・SNSなど)

・明らか
・バレバレ
・見え見え

シーンや伝えたいニュアンスに応じて、断定的になりすぎないよう調整することが大切です。

(c) Adobe Stock

実際の使い方と注意点|ビジネス・SNSでの使用例

「火を見るより明らか」はやや断定的・上から目線にも聞こえるため、ビジネスシーンや日常会話で使うときは慎重に。ここでは、会話例や文例を紹介します。

ビジネスシーンでの例文と使い方

「火を見るより明らか」は、客観性や論理性を強調したいときに有効な表現です。例えば、会議や報告書などで以下のように使うことができます。

「市場の反応を見る限り、この商品が失敗したことは火を見るより明らかです」
「提案内容の問題点は、火を見るより明らかだ」

ただし、こうした言い回しには「強い断定感」が含まれており、相手の意見を否定したり、批判的に響くこともあるため注意が必要です。やわらかく伝えたい場合は、以下のように言い換えるといいでしょう。

「懸念点が明らかになりつつあります」
「いい結果が得られない可能性が高いです」

対人関係を損ねないよう、表現のトーンは慎重に選びましょう。

SNS・カジュアルシーンでの応用例

日常会話やSNSでは、「火を見るより明らか」が親しみを込めて使われることもあります。例えば次のような言い回しです。

「あの2人、付き合ってるの火を見るより明らかじゃん!」
「あの展開、火を見るより明らかだったよね(笑)」

このように、断定したいときや「わかりきってること」を軽く伝える際に便利な表現ですが、トーンを間違えると、上から目線や皮肉に受け取られることもあります。

砕けた言い方をしたいときは「見え見えだったよね」や「バレバレだったね」と言い換えることで、よりフランクな印象になりますよ。使いどころを見極めれば、ちょっとした会話のスパイスとして活躍する表現です。

英語でどう表現する?

「火を見るより明らか」は、英語では“as clear as day”を使って表現できます。

例:Her innocence is as clear as day.
(彼女の無実は火を見るより明らかだ。)

そのほかにも、“obviously” や “it’s obvious”が使えますよ。

It’s obvious that the plan won’t work.
(その計画がうまくいかないのは明らかだ。)

参考:『プログレッシブ和英中辞典』(小学館)

(c) Adobe Stock

「火を見るより明らか」に関するFAQ

ここでは、「火を見るより明らか」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。

Q1:「火を見るより明らか」は、いい意味でも使えますか?

A1:基本的には「悪い結果や予測」に使われることが多い表現です。

例えば「このままでは失敗するのは火を見るより明らかだ」のように、注意喚起や問題点の指摘に使われることが多いでしょう。

Q2:「火を見るように明らか」とは違うのですか?

A2:本来の言い方は「火を見るより明らか」です。

「火を見るように明らか」という言い回しは誤りですので、注意しましょう。

Q3:「火を見るより明らか」と似た意味の四字熟語はありますか?

A3:「一目瞭然(いちもくりょうぜん)」や「明々白々」などが挙げられます。

(c) Adobe Stock

最後に

「火を見るより明らか」という言葉について、語源や使い方、言い換え表現や英語表現まで解説しました。中国の古典に語源があり、英語でも同じようなイディオムがあることを知ると、言葉は世界のどこかでつながっていることを感じますね。

TOP画像/(c)Adobe Stock

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