目次Contents
この記事のサマリー
・「朱に交われば赤くなる」は、付き合う相手によって人が善悪どちらにも感化されることを表すことわざです。
・読み方は「しゅにまじわればあかくなる」です。
・中国に由来する表現で、古くは「墨に近付けば黒し」と対にして使われることもありました。
人は、誰と過ごし、どのような環境に身を置くかによって、考え方や行動が少しずつ変わることがあります。そんな人間関係の不思議さを表すのが「朱に交われば赤くなる」という言葉です。
由来や類語、使い方を知ると、何げなく聞いていた言葉の印象が少し変わって見えてくるかもしれませんよ。
「朱に交われば赤くなる」とは?
まずは意味から確認していきましょう。
読み方と意味
「朱に交われば赤くなる」は、「しゅにまじわればあかくなる」と読みます。「人は、付き合う相手によって、いい方向にも悪い方向にも影響を受ける」という意味です。
悪い友人から好ましくない影響を受ける場合だけでなく、尊敬できる人や努力する仲間から刺激を受け、成長する場合にも使えます。
文脈によっては、交友関係や身を置く環境を慎重に選ぶことの大切さを示す、戒めの言葉として使われることもあります。
なお、辞書では次のように説明されていますよ。
朱(しゅ)に交(まじ)われば赤(あか)くなる
人は交わる友達によって、善悪どちらにも感化される。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
「朱に交われば赤くなる」の由来
「朱に交われば赤くなる」は、中国に由来する表現です。漢文と同様に「墨に近付けば黒し」と対にして使われることもありました。現在は「朱に交われば赤くなる」だけで使われることが一般的です。
参考:『故事俗信ことわざ大辞典』(小学館)

朱色とはどんな色?
朱色とは、黄色みを帯びた赤色のことです。印鑑に使う朱肉の色を思い浮かべると、イメージしやすいでしょう。
使い方を例文でチェック!
「朱に交われば赤くなる」は、交友関係や所属する集団から影響を受け、考え方や行動が変化した場面で使います。自然な使い方と使用時の注意点を確認しましょう。
授業を軽視する友人たちと行動をともにするうち、彼まで遅刻や欠席を繰り返すようになった。朱に交われば赤くなるとは、このことかもしれない。
周囲の友人が授業を軽視する態度に影響され、本人の行動も変化した例です。「朱に交われば赤くなる」を悪い意味で使う場合でも、相手の人格を決めつけるのではなく、どのような行動の影響を受けたのかを具体的に示すと伝わりやすくなります。
新しい部署で、メンバーが積極的に意見を出す姿に刺激を受け、彼も進んで提案するようになった。朱に交われば赤くなるという言葉を思わせる変化だ。
この例では、積極的に意見を出すメンバーからいい刺激を受け、仕事への姿勢が変化しています。「朱に交われば赤くなる」は、悪い方向への変化だけでなく、周囲の姿勢を見習って成長した場面にも使えることわざです。
朱に交われば赤くなるという言葉の通り、プレゼンテーションが得意なチームメンバーと働くうちに、私の説明力も向上した。
いい方向への影響を表した例文です。仕事への取り組み方や説明方法を周囲から学び、自分の行動にも変化が生じた場面で使っています。「朱に交われば赤くなる」は、このように前向きな変化を表す場合にも使用できます。
使うときの注意点
「朱に交われば赤くなる」を使うときは、単に本人の気分や立場が変わったのではなく、付き合う相手や所属する集団、周囲の環境から影響を受けたことが分かる文脈にしましょう。
また、悪い意味で本人に直接使うと、「あなたは付き合っている人の影響で悪くなった」と非難しているように聞こえることがあります。相手の人格や交友関係を決めつけないよう、使う場面と言い方には配慮が必要です。

類語や言い換え表現は?
「朱に交われば赤くなる」と似たことわざには、「麻の中の蓬」と「水は方円の器にしたがう」があります。それぞれが何から受ける影響を重視しているのか、違いを確認しましょう。
麻の中の蓬(よもぎ)
「麻の中の蓬」は、中国の古典『荀子』に由来する言葉です。曲がりやすい蓬でも、まっすぐに育つ麻の中に生えれば、支えがなくてもまっすぐ伸びることから、善良な人と交われば、自然にいい影響を受けることを表します。「麻につるる蓬」ともいいます。
「朱に交われば赤くなる」が、いい影響と悪い影響の両方に使えるのに対し、「麻の中の蓬」が表すのは、いい方向へ感化される場合です。悪い影響を受けた場面では使いません。
水は方円の器にしたがう
「水は方円の器にしたがう」とは、人は交友関係や周囲の環境によって、いい方向にも悪い方向にも感化されるというたとえです。水が入れ物の形に合わせて姿を変えることに由来します。
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)
英語ではどのように表す?
「朱に交われば赤くなる」と似た意味を持つ英語のことわざに、次の表現があります。
Who keeps company with the wolf will learn to howl.
付き合う相手によって、その人の行動や性質も影響を受けることを表す英語のことわざです。「朱」や「赤」という語を一語ずつ英語に置き換えた直訳ではなく、日本語のことわざと意味の近い英語表現だといえるでしょう。
参考:『プログレッシブ和英中辞典』(小学館)

対義語は?
「朱に交われば赤くなる」とは反対に、どんなに環境に恵まれなくても美しい姿で居続けることを意味する言葉もあります。「泥中の蓮」のことわざの意味を見ていきましょう。
泥中(でいちゅう)の蓮
「朱に交われば赤くなる」が、周囲の環境から影響を受けることを表すのに対し、「泥中の蓮」は、好ましくない環境にあっても影響されず、清らかさを保つことを表します。そのため、意味の上で対照的なことわざといえます。
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)
「朱に交われば赤くなる」に関するFAQ
ここでは、「朱に交われば赤くなる」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1.「朱に交われば赤くなる」とはどのような意味ですか?
A.付き合う友人や仲間によって、人はいい方向にも悪い方向にも感化されるという意味です。悪い仲間に染まる場合だけでなく、努力する人から刺激を受けて成長した場面にも使えます。
Q2.「朱に交われば赤くなる」の読み方は?
A.「しゅにまじわればあかくなる」と読みます。
Q3.「朱に交われば赤くなる」の由来は何ですか?
A.中国に由来する表現です。朱に触れたものが赤く染まることを、人が付き合う相手から影響を受ける様子にたとえています。古くは「墨に近付けば黒し」と対にして使われることもありました。
最後に
「朱に交われば赤くなる」は、環境によって人の心が変わることへの教訓が込められたことわざ。悪い影響も受けやすいことをマイナスに捉えてしまいがちですが、見方を変えると、良い環境に身を置けば、より良い方向に成長することができるということ。前向きに頑張る人と繋がったり、良い上司と出会うことでより良い魅力的な自分に変わっていけたらいいですね。
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