「出鱈目」という言葉は、根拠のない発言や、いい加減な行動を指す表現として知られていますが、何と読むかわかるでしょうか…? そこでこの記事では、読み方や意味をはじめ、言葉の成り立ちや、どのような場面で適切に使えるのかを紹介していきます。
「出鱈目」の読み方と意味とは?
何をおいても気になる、「出鱈目」の読み方をまずは確認していきましょう。

「出鱈目」の読み方と意味
「出鱈目」は、「でたらめ」と読みます。「でたらめ」の当て字になりますよ。意味を辞書で確認しましょう。
でたら‐め【出×鱈目】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
[名・形動]《さいころを振って、出たその目のままにする意》根拠がないこと。首尾一貫しないこと。いいかげんなこと。また、そのさまや、そのような言動。「―を言う」「―な(の)答えを教える」「数字を―に並べる」
「出鱈目」とは、筋道が通らず、根拠がなく、いい加減なことを指します。日常的には無責任な発言や行動に対して使われることが多いですが、冗談として軽く用いられることもありますね。
「出鱈目」の語源は?
「出鱈目」の語源には、諸説あります。有力だとされるのは「出る」の連用形に助動詞「たり」の未然形「たら」、助動詞「む」の已然形「め」が付いたもの。「(ことばが)出たら出たでかまわない」の言い回しが名詞化したという説です。
この他にも、さいころを振った際に、どの目が出るかは予測不可能。この不確実な要素が、筋の通らない話や、無作為な行動を指すようになったと考える説もあります。
「出鱈目」の使い方と例文
「出鱈目」という言葉は、根拠のない話や適当な行動を指す際に使われます。日常会話やビジネスの場面でどのように使われるのか、具体的な例を見ていきましょう。
「彼の言っていることは、完全に出鱈目だ」
誰かの発言が信憑性に欠け、いい加減な内容であるときに使われます。「そんなの出鱈目だよ」といった形で、根拠のない話を指摘する表現としても使われるでしょう。場当たり的な発言や、確証のない主張に対して用いられることが多いです。

「出鱈目な報告をするのは避けたほうがいい」
ここでは、適当な情報を伝えることの危険性を示しています。特に仕事の場面では、正確なデータや事実に基づいた報告が求められるため、信頼性のない内容を伝えないよう注意を促すときに使われます。
「このデータには出鱈目な数値が多く含まれているため、再確認が必要だ」
数値や情報の信憑性に問題があることを指摘する場面で使われます。特にデータ分析やビジネスの文脈では、情報の正確性が求められますね。「出鱈目な数値」とは、信頼性に欠ける値や、適当に入力されたものを指すことが多いでしょう。
「出鱈目」の類語と使い分け
「出鱈目」と似た意味を持つ言葉はいくつかあります。それぞれの違いを理解することで、状況に応じた適切な表現ができるでしょう。
出まかせ/めちゃくちゃ
「出まかせ」は、その場で思いついたことを根拠なく言うことを指します。「口から出まかせを言う」という形で使われ、適当な発言を表すことが多いでしょう。
「めちゃくちゃ」は、話の筋が通らず、まとまりのないことを意味します。「めちゃくちゃな話」といった使い方をし、論理性が欠けていることを強調する表現です。
いずれも「出鱈目」に相通じます。
「いい加減」との違い
「出鱈目」と「いい加減」は、どちらもいい加減な言動を指すことがありますが、意味に違いがあります。「出鱈目」は根拠のないことを言ったり、適当に行動したりすることを意味します。「Aさんをめぐる噂は出鱈目だった」のように使われ、信憑性がないことを指す際に使われます。
一方、「いい加減」は、不徹底で中途半端な態度を示す言葉です。「いい加減な方法では解決できない」「いい加減な態度をとる」といった使い方をし、責任感のない行動や投げやりな姿勢を指します。このため、「出鱈目」とは置き換えられない場面も多いでしょう。

「嘘」との違い
「出鱈目」と「嘘」は、どちらも事実と異なることを指しますが、意図に違いがあります。「嘘」は、相手を騙す意図が含まれることが多いのに対し、「出鱈目」は、単に根拠のないことを言ったり、適当に話したりする場合に使われます。そのため、「出鱈目な発言」は、必ずしも悪意があるとは限らないという特徴がありますよ。
「出鱈目」の英語表現
英語で「出鱈目」を表現する場合、いくつかの言い回しがあります。ここでは“nonsense”を紹介しましょう。
“nonsense”は、意味がないことや、根拠のない発言に対して使われる表現です。「そんなの出鱈目だよ」と言いたいときは、“That’s nonsense.” という表現が適しています。
例文:”His theory is complete nonsense.”(彼の理論は完全に出鱈目だ。)
最後に
「出鱈目」という言葉は、根拠のない発言や適当な行動を指す表現として使われますが、そのニュアンスは状況によって異なります。単に無責任な態度を指すこともあれば、悪意なく思いつきで話している場合もあるでしょう。
また、類語と比較すると、「嘘」には意図的なごまかしが含まれる一方で、「出鱈目」は軽い冗談や場当たり的な発言にも使われる点が特徴です。
「出鱈目」を適切に使うことで、会話や文章の表現がより明確になるかもしれません。意味や使い方を理解し、状況に応じて適切に活用してみてくださいね。
TOP画像/(c) Adobe Stock