「天職」の意味とは?
「天職」について考えたことはありますか? わたしたちは人生において、ほとんどの時間を働いて過ごします。1日8時間、週5日、それが約40年間続きます。働くことは人生そのものと言っても過言ではないでしょう。まずは「天職」という言葉の意味について、詳しく確認していきましょう。
意味
「天職」には、大きく分けて3つの意味があります。1つ目は、生まれ持った才能や性格に最も合った職業。2つ目は、天子が国を統治する職務。天子とは、天命を受けて天下を治める君主のことです。3つ目は、天神という遊女の等級の別名称。大夫の次の位です。今回は「天職」の1つ目の意味について解説します。
適職との違い
「適職」とは、その人の能力や才能に合った職業のこと。「天職」と違う点は、才能の他の判断基準として「性格」を含むか、「能力」を含むか。この点から、性格を含む「天職」は、単純な仕事の「向き不向き」だけでなく、「好き、嫌い」など、その人の意思や感情も含めて判断するものと考えられます。
英語表現とは?
「天職」という考え方は、日本人特有の感覚というわけではありません。海外においても同じような感覚と、言葉があります。世界各国で働き方は異なりますが、仕事に対して考えることは案外共通する部分も多いのかもしれませんね。「天職」の英語表現も、確認しておきましょう。
1:vocation
「vocation」は「天職」、やりがいを感じる仕事、職業を意味する言葉。同じ、職業を意味する「job」と比べて、待遇よりも人の役に立つという社会的使命感を強く伴うニュアンスです。
・He found his vocation in teaching.(彼は教師の仕事にやりがいを見出した。)
・I believed that my vocation is nursing.(私は看護師が天職だと信じている。)
2:calling
「calling」も「天職」、職業を意味する言葉です。「call」は動詞で、呼ぶという意味の他に「(神が、人に〜するように)召す」という意味も。そのため、「calling」は、神の思し召し、神から授かったもの、というニュアンスを持つでしょう。
・Cooking is my calling.(料理は私の天職だ。)
・She hasn’t find her calling yet.(彼女はまだ天職を見つけていない。)
3:mission
「mission」とは、使節団、任務、大使館、目的、布教、派遣など、様々な意味を持つ単語ですが、「天職」、使命という意味もあります。これも、聖職者の布教や宣教の意味を持つ単語であることから、神から与えられた使命というニュアンスを持つでしょう。
・This is our mission in life.(これが私たちの天職です。)
・You will fulfill your mission as a lawyer.(あなたは弁護士としての天職を全うするでしょう。)
「天職」の特徴
「天職」とは、人それぞれ異なるもの。才能だけでなく、感情や意志などといった性格にも重きを置く「天職」の判断は難しいですよね。「天職」の言葉の意味が分かったら、次は「天職」の特徴について確認していきましょう。具体的な特徴を5つ紹介します。
仕事が楽しい
「天職」の特徴で一番重要なことは、仕事自体を「楽しい」と感じているか。「他と比べて、職場環境が恵まれているから…」とか「雇用が安定しているから…」というような消極的な気持ちではなく、毎日ワクワクしているなど、迷いなく「楽しい」と即答できるかどうかが大切です。
時間を忘れて没頭できる
まだ、社会的な責任や、稼ぐ大変さを知らなかった子供の頃、好きなことをしているときは、時間を忘れて没頭していませんでしたか? 自分の「天職」を見つけている人は、自分が「好きなこと」が明確。そして好きなこと自体を仕事にしている人も多いです。
待遇に不満がない、気にならない
「天職」に就いている人は、その仕事を「やりたい」と感じています。そのため、たとえ仕事内容と賃金が見合わない、労働時間が見合わないという環境であっても、それが気にならない傾向にあります。「やりたくないことを我慢してやっているという」感覚がないため、ストレスもほとんど感じていないでしょう。
自分に自信を持っている
才能や性格に合っている「天職」は、自分が得意で、自信を持って取り組める仕事と言えます。もし、「好き」なだけで得意でなくても、好きこそ物の上手なれというように努力が苦になりません。そして、人は継続していれば必ず出来るようになるものです。自信を持って仕事をしている人は、生き方や自分自身においても自信を持つようになります。
仕事が自分に合っていると感じる
「この仕事を一生続けたい」と思うのであれば、それは仕事が自分に合っていると言えます。他の仕事に目移りせず、転職したいと思わないことも、今の仕事に満足している証拠です。
「天職」の見つけ方
世の中には様々な仕事が存在します。しかし、数ある仕事の中から、自分にとっての「天職」をどのように見つけたらいいのか、その方法が分からない人も多いはず。今話題になっている、「天職診断」や「天職市場」は知っていますか? 最後に、この2つについて紹介します。
天職診断
「天職診断」とは、ネット上でいくつかの質問に答えるだけで、自分に合った仕事を教えてくれるテストです。中には、生年月日で診断してくれる占いのような「天職診断」も。質問数は10問程度で手軽に試せるものから、精度を重視した30問以上あるものまで幅広くあります。
天職市場
「天職市場」とは、採用支援事業や、求人サイトtenichiを運営する企業。平成18年に設立され、北海道から九州まで全国に拠点があります。
求人サイトtenichiの魅力は大きく3つ。全国から10万件以上の求人が掲載されていること、求人を出している職場の環境が動画で分かること、そして、正社員から派遣まで、様々な雇用形態と業種から仕事を探せることです。
最後に
働く人が誰でも一度は考えたことがあるだろう「天職」について解説しました。働く時間は、人生の大部分を占めます。まさに働くことは人生そのもの。自分に合った「天職」を見つけることができれば、人生はより豊かになりそうです。
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