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「結跏趺坐」って、何? 読み方は?
今回のテーマは、「結跏趺坐」。普段あまり使わない漢字が含まれていますが、ここで問題です! なんと読むのでしょうか?
ヒントは、座る時の姿勢・座法です。仏教の修行をする時や、座禅の時に用いられる座り方というと、イメージしやすいかもしれません。
正解は…?

読み方は「けっかふざ」! あぐらとはちょっと違います
「結跏趺坐」は、「けっかふざ」と読むのが正解!
跏=足の裏、趺=足の甲を指し、どちらも脚を組んで座るという意味があるのですが、あぐらとはちょっと違い、右足を左ももの上に置き、左足を右ももの上に置いて足裏を上向きにして座ります。
ちなみにヨガには「蓮華座(れんげざ)」「パドマ・アーサナ」といって、パドマ=蓮の花を連想させる同じ座り方があり、次の効果が期待されています。
蓮華座」の効果
・心を静める
・頭をクリアにして、感受性を高める
・集中力アップ
・ひざと足首を柔軟にする
・姿勢を改善し、背骨と内臓の調子を整える
「蓮華座」は、瞑想において体が安定する理想の座法でもあり、“瞑想のためのポーズ”として取り入れる人も少なくありません。イライラする時や、いろいろな考え事が頭の中をめぐる時、集中力を高めたい時などは、自宅で挑戦してみるといいでしょう。
では実際に、「結跏趺坐(蓮華座)」で座っていきましょう。…と、その前に絶対に押さえておきたい注意点があります。「結跏趺坐(蓮華座)」は、ひざが痛い人にとっては負担が大きい姿勢なので控えること!です。
「結跏趺坐」ヨガでは「蓮華座」のやり方を解説
STEP 1:両脚を前に伸ばして、「長座(ちょうざ)」の姿勢からスタート!

▲お尻のお肉を広げて、左右の座骨(お尻の下のほうにある尖った骨)に均等に体重を乗せて座ります。肋骨を引き込み、頭頂を引き上げて、体をアルファベットの“Lの字”にしましょう。
足裏を前にグッと押し出すと〇!
STEP 2:右足の甲を左脚の付け根に乗せる。

▲右ひざを曲げたら、足の甲を左脚の付け根に乗せます。手でサポートしてもOK!
STEP 3:左ひざを曲げる。

▲左ひざを曲げたら、太ももとふくらはぎを近づけます。お尻が落ちやすくなるので、骨盤をしっかり立てて、背筋を伸ばした姿勢をキープしましょう。
STEP 4:左足の甲を右脚の付け根に乗せる。

▲手で左足の甲を引き寄せたら、右脚の付け根に乗せましょう。左右のかかとが恥骨の前で揃ったら、座骨で床を押し、背骨をさらに引き上げます。
手をひざの上にセットしたら、「結跏趺坐(蓮華座)」の完成です。ひざを床に近づけるようにやや前のめりになると、腰~背中が丸まりにくくなりますよ!
手を「チン・ムドラー」にしてもOK!


▲手のひらを上に向けたら、親指と人差し指を合わせて輪っかを作り、「チン・ムドラー」にしてもいいでしょう。
「ムドラー」とは、印・鍵・シンボルの意味。手の指を合わせた「チン・ムドラー」は経路を合わせ、エネルギーを循環させる目的があるといわれています。
姿勢が整ったら、ゆったりとした呼吸を繰り返しながら時間を重ねてみてください。ただし体に痛み・違和感があったら、脚を解放しましょう。
「結跏趺坐(蓮華座)」ができないときの練習法①:ヨガ「合せき(がっせき)のポーズ」
「結跏趺坐」に挑戦してみたけれど、できなかった―という人は、どうか落ち込まないでください! なぜなら、「結跏趺坐」はちょっと難しい座法だから。
「結跏趺坐」ができない主な理由は、股関節やお尻まわりの筋肉の柔軟性が足りていないことがあげられます。結跏趺坐が難しい人は、まず股関節・お尻まわりを柔軟にするヨガポーズとストレッチから始めていきましょう。
STEP 1:両脚を前に伸ばして、「長座」の姿勢を取る。

▲ここでも腰を起こし、背筋を伸ばして、体を“Lの字”にして座ります。
STEP 2:足の裏同士を合わせる。


▲両ひざを曲げ、足の裏同士を合わせたら手で足の甲を持ちます。ポイントは、小指側面をしっかりつけること!
太ももを外側に回転させて、ひざを床に下ろしましょう。〈回数:5呼吸~〉
STEP 3:【息を吐きながら】前屈をする。

▲STEP 2の「合せきのポーズ」で余裕がある場合、吐く息に合わせてゆっくりと前屈します。手は足の甲を持ったままでも、前方に伸ばしてもどちらでもOK。
股関節やお尻のまわりに心地良い伸びを感じましょう。〈回数:5呼吸~〉
「結跏趺坐(蓮華座)」ができないときの練習法②:脚をうしろに伸ばして前屈するストレッチ
STEP 1:正座の姿勢からスタート!

▲足は重ねず、かかとを自然に開いて座ります。
STEP 2:左ひざを外に開き、右脚をうしろに伸ばす。

▲左かかとは恥骨の前にセット、右脚はうしろにまっすぐ伸ばしましょう。
手を床につき、目線は正面。右足の甲は寝かせます。
STEP 3:【息を吐きながら】前屈をする。

▲吐く息に合わせてゆっくり前屈していき、両手を重ねた上に額を乗せます。お尻の左側と、右脚の付け根に心地良い伸びを感じましょう。
肩が詰まる感覚があったら、手の位置を少し前にずらします。〈回数:5呼吸~〉
反対側も同様におこないましょう。
イライラしたら「結跏趺坐」で心を落ち着けて
股関節やお尻まわりの筋肉が柔軟になってきたら、足首のストレッチ(足首まわし・曲げ伸ばし等)をするとさらに◎! 心が落ち着く&姿勢改善にも効果を期待できる「結跏趺坐」、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。
趣味はボルダリング!