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ちょっと動くと汗が出る…これって、代謝がいいから?
自宅から駅まで歩く時や家の掃除・洗濯をしている時など、ちょっと動いただけなのに汗が出ると感じたことはありませんか? 汗をかくとメイクやヘアスタイルが崩れたり、洋服に染み込んだり、ニオイも心配…。このように敬遠されがちですが、汗は体を正常な状態に保つために欠かせないものなんです。
汗の主な働きは、体温調節です。気温や体温が上がると、汗が排出されて皮膚の上で蒸発し、熱を奪ってくれます。こうして体温を調節することで、熱中症の予防などに役立ってくれるのですね。
そのほかにも、汗をかくことのメリットとして老廃物や余分な水分の排出、皮膚の保護などがあり、発汗は「究極のデトックス」とも言われています。
さらにもうひとつ気になるのが、「汗をたくさんかく=代謝がいいからダイエットになる説」。

「代謝がいい」と「汗っかき」の違い
汗っかきの方は、「代謝がいいね」と言われたことがあるかもしれません。そもそも「代謝がいい」とは、一般的には「基礎代謝が高い」の意味で使われます。つまり「代謝がいい」=「1日に消費するエネルギー量が多い」ということ。
代謝がいいと体温が高めになりやすく、汗をかきやすいという特徴があります。そのためよく汗をかくことと痩せやすさの関係は否定できないでしょう。
しかし、なかには代謝が悪くても汗をかきやすい人もいます。例えば、運動不足などが原因で汗腺機能が衰えている、体が冷えている、隠れ肥満など、ほかにも緊張状態にある時やストレスが溜まっている時、体調が良くない時にも汗をかきやすくなると言われています。
いい汗と悪い汗の見分け方は?
続いては、同じ汗でもいい汗と悪い汗について。
いい汗は、気温や環境に応じて出る透明でサラサラ・無臭の汗。さらには乾きやすくて不快感の少ないものです。
そして悪い汗は、ベタッとしていてニオイがするなど、不快感が強いのが特徴です。悪い汗は体のバランスが崩れているサインでもあるので、軽い運動で汗をかく、湯船に浸かる、水分補給をする、栄養バランスのい食事を取るなど生活習慣の見直しをするのもいいかもしれません。
せっかく汗をかくならいい汗をかいて、心身ともにスッキリしたい!ですよね。次の項では、自宅でできる“汗活”エクササイズをご紹介します。ジワジワ効いてくるキツすぎないメニューなので、汗活の入門編として参考にしてみてください。
立ったまま【側屈~前屈】のストレッチ
まずは、立位の側屈と前屈のストレッチで体側や背面の筋肉をほぐしていきます。緩やかなストレッチでも、筋肉がほぐれて血流が促されると体温が上昇し、汗を出す効果が期待できます。
STEP 1:脚を腰幅に開いて立ち、両腕を頭上に伸ばす。

▲足裏全体に均等に体重がかかるように立ちます。みぞおちを緩め、尾骨(背骨の一番下にあるしっぽのような骨)を床に向けて腰を伸ばしましょう。
両腕を頭上に伸ばしたら、左手で右手首を持ちます。
STEP 2:【息を吐きながら】上体を左側に倒す。

▲左手で右腕を引っ張りながら、右体側が心地良く伸びるところまで上体を倒します。体が前やうしろに傾かないように、真横に倒すのがポイント! 〈回数:5呼吸〉
STEP 3:【息を吐きながら】上体を左斜め前に倒す。

▲STEP 2の上体の向きを保ちながら、前にゆっくり倒していきます。ここでも左手で右腕を軽く引っ張りつつ、右肩甲骨や背中に伸びを感じましょう。
頭は完全に脱力。頭の重さで背中の筋肉にストレッチをかけていきます。〈回数:5呼吸〉
反対側も同様におこないましょう。
立ったまま【ヨガ・三角のポーズ~側屈】
ここからは、少しずつ動きを大きくしていきます。
STEP 1:腕と脚を大きく開いて立つ。

▲腕は床と水平、脚は腰幅の2倍ほど開いて左つま先を真横に向けます。
STEP 2:上体を左前方にスライド。

▲上体を左前方にスライドさせます。左股関節を引き込むようにするのがポイント!
STEP 3:さらに上体を倒し、右手を真上に伸ばす。

▲上体をゆっくり倒していき、左手は床もしくはすねやひざに添えます。左ひざの裏がピンと張らないように、緩めておきましょう。
右手は肩からまっすぐ、天井に向けて伸ばします。腕をややうしろに引いて胸を開き、右腕~左腕を一直線にしましょう。〈回数:5呼吸〉
STEP 4:上体を右側に側屈させる。

▲STEP 1に戻り、上体を右側に側屈させます。左手は頭の先に伸ばし、右手は右太ももに添えましょう。
左手指先~左足先まで斜め一直線になるように、姿勢を整えます。〈回数:5呼吸〉
反対側も同様におこないましょう。
立ったまま【ヨガ・英雄のポーズⅡ~戦闘をやめた戦士のポーズ】
次はひざを曲げて重心を落とし、筋トレ要素も加えていきます。
STEP 1:腕と脚を大きく開いて立つ。

▲腕は床と水平、脚は腰幅の2倍ほど開いて左つま先を真横に向けます。
STEP 2:左ひざを90度まで曲げる。

▲上半身の姿勢は保ったまま、左ひざを90度まで曲げて重心を落とします。背骨は床に対して垂直、左ひざの下にかかとがくるように姿勢を整えましょう。
STEP 3:顔を左側に向ける。

▲顔を左側に向け、あごを引きます。両肩を背中のほうに下げ、首筋を長く保ちましょう。
左太ももを外側に回転させ、ひざが内側に入らないようにするとgood! 〈回数:5呼吸〉
STEP 4:上体を右側に側屈させる。

▲左手のひらを上に向けたら、頭の先に向けて伸ばしながら上体を右側に側屈させます。
左ひざが緩んでこないように力強い土台をキープしたまま、側屈しましょう。〈回数:5呼吸〉
反対側も同様におこないます。
ストレスや緊張状態が続いている時は、腹式呼吸をしてみよう!
自律神経のうち、交感神経が優位になっている時には発汗が促されます。ストレスが溜まっていたり、緊張状態が続いていたりして汗をかきやすい時は、ゆったりした腹式呼吸を取り入れて副交感神経にアプローチ! 心拍数を下げ、発汗を少なくする効果を期待できます。
やり方:あぐらで座り、胸とお腹に手を添える。

▲手でお尻の肉を外にかき出し、左右の座骨(お尻の下のほうにある尖った骨)に均等に体重を乗せて、腰を伸ばして座ります。
片手は胸、片手はお腹に添えたら、吸う息でお腹が丸く膨らみ、吐く息で凹んでいくのを感じましょう。
胸の動きは静かに。リラックスできるまで、呼吸をゆっくり繰り返します。集中力が途切れて考えごとが浮かんできたら、鼻の穴を通る風の感覚に意識を向けると〇。
回数は目安です。いい汗をかきたい時、そして汗を抑えたい時の参考にしてみてくださいね。

ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。