目次Contents
座って過ごす時間が長い人ほど注意!な「平尻」って?
横から見たときに膨らみが小さい・薄のっぺりしているのが特徴の「平尻」。
そんな「平尻」の原因のひとつは、座って過ごす時間の長さ。厚生労働省のリーフレット「座位行動(座っていたり、横になっていたりする状態)」によると、日本人の平日の座位時間は調査対象20ヵ国の中でトップ。中央値でさえ6時間以上というデータがあります。
※参考: 「座位行動」- 厚生労働省
では、長時間座っていると「平尻」になってしまうのはなぜなのでしょうか? 主な理由は、次の2つです。
長時間座る+猫背の姿勢=「平尻」になりやすい
おしりを形づくる筋肉のひとつ・大臀筋(だいでんきん)は、股関節を伸ばす・股関節を内側に閉じる・股関節を外側に開くなど、股関節の動きを助ける役割を持っています。しかし、意識せずにいると日常生活ではあまり使われません。
もちろん座っている時のおしりの筋肉は、お休みしている状態—。おしりは、筋肉が使われにくく衰えやすい部位なのです。
また、座っている時のおしりはトップの膨らみがペチャッと潰れてしまっています。さらに、ここでもうひとつ気をつけたいのが猫背の姿勢です。背中を丸くした猫背の姿勢をしていると、おしりの接地面が広くなってより平らで横幅のある形になってしまう可能性があります。
椅子に座る時は手でおしりのお肉をグイッと持ち上げ、膣の入り口が真下を向くようにすると、形の崩れを防ぐことができるうえに骨盤も起きて〇です。
プリッと丸いおしりを作るためには、筋肉を使うことと座り方に気をつけることがとても大事。ここでは運動にフォーカスして、まずはストレッチで硬くなった筋肉をほぐしてからトレーニングで刺激を与えていきましょう。
【座ったまま】「あぐら」で前屈:おしり周りが程よく伸びるストレッチ
おしりと太ももの裏の筋肉が硬いと骨盤がうしろに引っ張られ、猫背の姿勢になりやすいので、ストレッチでほぐしてあげるといいでしょう。
STEP 1:あぐらで座る。
▲左右の座骨(おしりの下のほうにある尖った骨)に均等に体重を乗せ、骨盤をスッと起こします。
STEP 2:両手を体の前につき、前屈をする。
▲手を少しずつ前に歩かせたら、ゆっくり息を吐いて上体を前屈させましょう。ポイントは手の位置・前屈の深さを少しずつ調整して、左右のおしり周りに心地良い伸びを感じられる姿勢を見つけることです。
脚を組み替えて、反対もおこないます。〈回数:左右各5~10呼吸〉
番外編:体の中心でひざを重ねて、前屈をする。
▲あぐらの姿勢で余裕がある場合、左右のひざを体の中心で重ねて前屈をしてみましょう。脚を組み替えて、それぞれ5~10呼吸ストレッチをします。
【寝ながら】「仰向け」で脚を引き寄せる:おしりともも裏をしっかり伸ばすストレッチ
STEP 1:仰向けになり、ひざを立てる。
▲脚は揃え、手は体側に添えましょう。腰で床を押し、尾骨をクイッと引き上げる意識を持つと、腰が反りにくくなります。
STEP 2:右ひざを外に開き、足を両手で持つ。
▲右手はくるぶしのあたり、左手は足裏をつかみましょう。
STEP 3:右脚を胸に引き寄せる。
▲右脚を胸に引き寄せ、右のおしり・もも裏に心地良さを感じられるところでキープ。
反対もおこないましょう。〈回数:左右各5~10呼吸〉
「ワイドスクワット」おしりに効くやり方&注意点
続いては、「ワイドスクワット」のやり方です。脚幅を大きく広げておこなう「ワイドスクワット」は、ヒップアップに効果大! おしりの大臀筋のほかに股関節周辺や内ももの筋肉に効かせることができるため、下半身のシェイプアップにもおすすめです。
STEP 1:脚幅を広くして、つま先を45度外側に向ける。腕は胸の前でクロスさせる。
▲脚の広さは、腰幅の2倍が目安。つま先とひざの向きを揃えましょう。
STEP 2:【息を吐きながら】おしりを下げる。
▲背筋を伸ばしたまま、ひざが90度に曲がるまでおしりを下げます。ひざが足首の真上にくるように、姿勢を整えましょう。〈回数:10回×3セット~〉
腕は胸の前でクロスしてもいいし、手の指を組んでもOK。
「ワイドスクワット」の注意点
・おしりを下ろす時、プリッと突き出すとヒップアップ効果UP
・おしりに効いているのを感じながら、ゆっくり重心を下げていく
・ひざがつま先より前に出ると、負担がかかるので注意
・ひざが内側に入らないように、外側にしっかり開く
スクワットが苦手な場合:【仰向け】でおしりの上げ下げ
スクワットが苦手な人は、仰向けの姿勢で比較的簡単におこなえる筋トレから始めてみましょう。おしりの筋肉がジワジワ温かくなってくる感覚がしたら、効いているサインです。
STEP 1:仰向けになり、ひざを立てる。
▲脚は腰幅に開きます。足先は平行、ひざの下にかかとがくるように姿勢を整えましょう。
STEP 2:おしりを持ち上げる~下ろす。
▲おしり~腰、背中の順に床から持ち上げます。ひざから肩が斜め一直線の姿勢になるまで、おしりを高く持ち上げるのがポイントです。
すねを前に押し出し、足裏3点(親指と人差し指の下、薬指と小指の下、かかと)で床をしっかり押します。あごを引いて、首のうしろを長く保ちましょう。
おしりを上げた姿勢で5秒キープしたら、STEP 1に戻って同じ動きを繰り返します。〈回数:20回~〉
以上、「平尻」対策のヒップアップストレッチと筋トレをご紹介しました。デスクワークが中心の人や座って過ごす時間が長い人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。