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生理前は食欲が止まらない…対処法は?
Q:生理前に食欲が止まらなくなるのはなぜ? 暴飲暴食の対処法が知りたいです。
A:生理前は大きなホルモン変動が起こる時期。過剰な食欲を抑制するエストロゲンの分泌量が減少する一方で、イライラしたり憂鬱になったり、食欲が増したりするプロゲステロンの分泌量が増え、過食に走りやすくなる時期だと言われています。
自分の意思で食欲をコントロールするのが難しい時なので、無理な我慢を強いてストレスを溜めてしまわないように、うまく付き合っていく方法を探したいところです。
生理前の食欲と上手に付き合う方法
では、生理の何日前から食欲が増すのでしょうか。これには個人差がありますが、食欲を増進させるプロゲステロンは排卵後~次の生理が始まるまで高い状態が続くのが一般的です。
プロゲステロンには食欲増進のほかに体に水分を溜め込みやすくし、むくみを生じさせる働きもあります。そのため、生理前に1~2kgほど太るという女性も少なくありません。
そうとわかっていても、ひどい過食をしてしまった後は罪悪感が大きいし、体調も悪くなりがち。無理のない範囲で対処したいですよね。食欲を抑えたい時は、次の項目を参考にしてみるといいでしょう。
・温かい汁物や野菜から先に食べる
→水分の多いみそ汁やスープなどはお腹にたまり、満腹感を得やすくなります。また、野菜を先に食べ始めることで血糖値の急激な上昇を抑えることにもつながります。
・食事を複数回に分ける
→1回の食事の量を減らし、複数回に分けてゆっくり食べることで強い空腹を感じにくくなります。1日に取るべき食事量の範囲内で小分けにするのが理想です。
・間食したくなった時用に、ヘルシーなおやつを用意しておく
→ナッツや小魚がおすすめ。罪悪感も少なく、噛み応えもあって満足感を得やすくなるでしょう。
・ストレッチや軽めの運動をして気分転換をする
→食べることで頭がいっぱいになってしまった時は、体を動かして気分転換をするのもおすすめです。ただし、空腹時に激しい運動をすると吐き気やめまいを引き起こすことがあるので気をつけましょう。
ここからは、リフレッシュ効果が高く、気分転換に役立つストレッチとヨガポーズをまとめてご紹介していきます。
【座りながら】体の前面を広げてリフレッシュするストレッチ
まずは、体の前面を広げて気分をリフレッシュさせるストレッチから。
STEP 1:正座からスタート。
▲足は重ねず、かかとを自然に開いて座ります。頭からお尻まで、スッとまっすぐに伸ばしましょう。
STEP 2:【息を吸いながら】両腕を頭上に伸ばす。
▲両腕を頭上に伸ばしたら、手のひら同士を合わせて合掌。胸を軽く突き出し、目線は斜め上に向けます。のど~胸、お腹を中心に体の前面に心地良い伸びを感じましょう。
STEP 3:【息を吐きながら】腕を横からまわし下げる。
▲吐く息に合わせて、腕を横からゆっくり・大きくまわし下げます。指先が遠くを通るように意識しながら、腕を下ろすと◎。
STEP 4:お尻の前で手の甲を合わせる。
▲腕を下ろしてきたら、お尻の前で手の甲同士を合わせて腕をクロスさせます。左右の肩甲骨を中央に寄せて肩を引き、手の指先を床に引き下げましょう。〈回数:5~10呼吸〉
【立ちながら】心を落ち着かせる体側伸ばしのストレッチ
続いては体側のストレッチ。呼吸が深まるので、心の落ち着きを取り戻したい時におすすめです。
STEP 1:脚を揃えて立ち、胸の前で合掌。
▲親指のつけ根を揃えて立ちます。足裏3点(親指と人差し指の下、薬指と小指の下、かかと)で強く床を踏みましょう。
尾骨(背骨の1番下、しっぽのような骨)を前に巻き込んで腰を起こしたら、胸の前で手のひらを合わせます。
STEP 2:【息を吸いながら】腕を天井方向に伸ばす。
▲合掌した手は顔の前をスーッと通って、頭の上に伸ばします。二の腕は耳の横で、前に倒れないように注意。
STEP 3:【息を吐きながら】上体を右に倒す~【息を吸いながら】上体を起こす~【息を吐きながら】上体を左に倒す。
▲吐く息に合わせて、上体を右に倒します。体を弓のようにしならせ、左体側を心地良く伸ばしましょう。吸う息で上体を起こしてきたら、反対側もおこないます。〈回数:呼吸に合わせて3~5回〉
上体を深くカーブさせるよりも、指の先へと伸びるイメージを持つと心地良くストレッチできるでしょう。
【四つ這い】でイライラを静めるヨガポーズ「ウサギのポーズ」
イライラが過食につながりそうな時は、頭を下に向けて頭頂(百会/ひゃくえ)を刺激する「ウサギのポーズ」を試してみて。
STEP 1:正座からスタート。
▲かかとを自然に開き、背筋を伸ばして座ります。
STEP 2:両手を体の前につき、上体を倒して額を床につける。
▲両手を体の前についたら、お尻を浮かせます。重心をゆっくり前に移動させましょう。頭を下げ、額を床につけます。
STEP 3:頭頂部を床につける。
▲お尻をさらに持ち上げ、額から頭頂部(左右の耳を結んだ頭のてっぺん)へと頭を前に優しく転がします。頭頂部を床についたら姿勢を固定し、首を動かさないように!
STEP 4:体のうしろで両手を組んだら、【息を吸いながら】天井方向に持ち上げる。
▲首・頭が安定しているのを確認したら、両手を床から離して腰のあたりで指を組みます。吸う息に合わせて、腕を天井方向に持ち上げましょう。〈回数:5呼吸〉
【ひざ立ち】ポーズに集中! 食べたい気持ちを紛らわせる「ねじった体側を伸ばすポーズ」
最後は、バランス力を必要とするポーズです。姿勢に意識を集中させるため、食べたい気持ちを紛らわせたいときにおすすめ。腹部をねじる(※)ポーズなので、内臓機能を高める効果もあります。
※ 消化不良の原因になることもあるので、食後すぐにおこなわないこと。
STEP 1:ひざ立ちになり、右脚を前に踏み出す。
▲ひざ立ちの姿勢からスタート。右脚を前に踏み出したら、ひざを90度に曲げてその下にかかとがくるように姿勢を整えます。
左ひざは骨盤よりもうしろの位置で、つま先を立てておきましょう。
STEP 2:【息を吸いながら】両腕を天井方向に伸ばす。
▲指先を高くしたら、肩甲骨を下げて肩まわりをリラックスさせましょう。
STEP 3:胸の前で合掌し、【息を吐きながら】上体を斜め前に倒す。
▲胸の前で手のひら同士を合わせたら、吐く息に合わせて上体を斜め前に倒しましょう。背中は頭頂方向に引き上げ、頭~お尻までが斜め一直線の姿勢を意識します。
STEP 4:【息を吐きながら】上体を右にねじる。
▲次の吐く息で、上体を右にねじります。左ひじを右ひざの外側にかけ、姿勢を安定させながら無理のない範囲でねじりを深めましょう。両肩はうしろに引き、合掌した手は胸の前で押し合います。目線は右ひじの先に向けましょう。
余裕がある場合、左ひざを床から浮かせてもOK。反対側もおこないます。〈回数:左右各5呼吸〉
ストレッチやヨガポーズの組み合わせ・回数に決まりはないので、体調に合わせて無理なく取り入れてみてくださいね。
ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。