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ランニングは全身運動。特に筋肉痛になりやすい部位は?
ランニングは全身運動。全身運動とは、文字どおり全身の筋肉を使っておこなう運動のことをいいます。日常生活ではあまり使うことのない筋肉を動かすため、全身の筋力向上が期待できる運動です。
ランニングの際、上半身の筋肉はあまり使われていないと思われがちですが、姿勢を安定させるために腹筋、腕を振るために肩・背中の筋肉と、まさに全身の筋肉が使われているのです。
とはいえ、疲れが出やすく、そして筋肉痛になりやすい部位といったらやはり下半身でしょう。
ランニング後、筋肉痛になりやすい部位
ランニングを始めたばかりの頃や、久しぶりにおこなったとき、筋肉痛に悩まされることが多いのは次のような部位です。
・太もも
・お尻
・すね
・ふくらはぎ
これらの筋肉は、地面を蹴るために股関節を伸ばす、ひざを曲げる・伸ばす、足首を伸ばすなどの動きで使われます。そのため、ランニングによって筋肉痛になりやすい部位だといえるでしょう。
また、筋肉痛(運動のあと、数時間~数日経った頃に生じる遅発性筋肉痛)というのは、筋肉がダメージを受け、傷ついた筋線維を修復しようとするときに生じる痛みだと考えられています(※)。回復までの期間には個人差がありますが、痛みが強い場合は、2~3日ほど運動を休むなどして体を安静にするといいでしょう。
※ 筋肉痛の正確なメカニズムは、まだ解明されていません。
ここから紹介していくのは、ランニング初心者さん向けの筋肉痛予防・対策のストレッチです。太ももやお尻、すね、ふくらはぎ…どうやってストレッチをしたらいいのだろうと悩んだときは、ぜひ参考にしてみてください。
太ももの外側・お尻|ひざ立ちのストレッチ
STEP 1:ひざ立ちになり、左脚を前に踏み込む
▲左ひざは90度に曲げます。ひざの下にかかとがくるように姿勢を整えましょう。両手を左ひざに添えたら、腰を丸くします。
STEP 2:重心を前に移動させる
▲腰を丸めたまま、重心をやや前に移動させます。このときも、左ひざがつま先よりも前に出ないように注意! ひざを痛めやすい方は、特に気をつけましょう。
STEP 3:【息を吐きながら】上体を左、お尻を右に持っていく
▲上体を左に傾け、お尻は右にスライドさせて姿勢を保ちます。右太ももの外側やお尻のまわりに心地よい伸びを感じましょう。反対側も同様におこないます。〈回数:呼吸を5回〉
伸びが足りないと感じたら、左ひざをやや内側に入れるようにしてみて!
太ももの前側|仰向けのストレッチ
STEP 1:仰向けになり、ひざを立てる
▲脚を腰幅に開き、ひざを立てます。恥骨を突き上げて、お尻の上のほう~腰を床に預けましょう。
STEP 2:左脚を上にして、脚を組む
▲左脚を右脚の上に乗せます。椅子に座っているときと同じように、足を深く組みましょう。
STEP 3:【息を吐きながら】両脚を左に倒す
▲吐く息に合わせて両脚を左にゆっくり倒し、右前ももに伸びを感じましょう。両肩を床につけた姿勢を保ち、顔は右に向けます。反対側も同様におこないましょう。〈回数:呼吸を5回〉
太ももの後ろ側|座位のストレッチ
STEP 1:脚を前に伸ばして座る
▲頭頂を引き上げ、肋骨を引き込むようにして背筋をスッと伸ばして座ります。太ももを内側に回転させる&つま先を上に向けて足裏を押し出すようにするとgood!
STEP 2:【息を吐きながら】上体を前に倒す
▲上体を前に倒したら、手で足の指先を持ちます。背中は丸く、ひざ裏は無理のない範囲で伸ばしておきましょう。
STEP 3:つま先を内側~外側に倒す
▲つま先を内側~外側へと倒す動きを繰り返します。親指や小指を床に近づけるように、ゆっくりと丁寧な動きを意識しましょう。〈回数:10~20回〉
すね|座位のストレッチ
STEP 1:両脚を前に伸ばして座り、左ひざを立てる
▲両脚を前に伸ばした姿勢から、左ひざを立てます。太ももをお腹に引き寄せましょう。
STEP 2:左ひざを床につけ、かかとをお尻の横にセット
▲左ひざを床につけたら、手で左足先を後方に引きます。かかとがお尻の横にくるように、姿勢を整えましょう。
STEP 3:【息を吐きながら】左ひざを床から持ち上げる
▲左手を左ひざに添えます。息をゆっくり吐きながら、ひざを床から持ち上げましょう。ポイントは、左足の甲を床につけたままひざを持ち上げること! 無理のない高さでキープしましょう。反対側も同様におこないます。〈回数:呼吸を5回〉
ふくらはぎ|立位のストレッチ
STEP 1:脚を揃えて立つ
▲頭頂を引き上げます。肩をまわすように後ろに引いて、肩甲骨を下げましょう。尾骨は床に向けて下げ、腰のカーブを緩めたら、足裏3点(親指と人差し指の下、薬指と小指の下、かかと)で床を押します。手は腰に。
STEP 2:右脚を後ろに引く
▲右脚を大きく後ろに引きます。骨盤をしっかり立て、両方のつま先は正面に向けた姿勢をキープ。
STEP 3:【息を吐きながら】左ひざを曲げる
▲左ひざがつま先よりも前に出ないように注意しながら、重心を落とします。右脚はひざ裏を伸ばしたまま、かかとでしっかり床を踏んだ姿勢でふくらはぎをストレッチ。反対側も同様におこないます。〈回数:呼吸を5回〉
姿勢が安定しない場合、壁の横に立ち、手を添えておこなっても〇。
最後に
今回は、ランニングのウォームアップやクールダウン、さらに筋肉痛からの回復後などにおすすめのストレッチを紹介しました。
ただし、筋肉痛が強く出ているときにストレッチを頑張りすぎてしまうと、ダメージを受けた筋線維をさらに傷つけてしまうことが考えられます。
ストレッチも体の状態に合わせて、休むべきときは休むようにしましょう。ランニングや運動を長く続けるために、ぜひ参考にしてください。
ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。