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「ガチガチ背中」は睡眠不足の原因に…
「背中がガチガチ」「痛い」「ダルイ」――。背中が凝る主な原因には、猫背のような不良姿勢(正しくない姿勢)を長く取り続けることがあげられます。
猫背の姿勢をしているとき、背中の筋肉は引き伸ばされた状態が続いて硬くなり、血流が悪くなります。その結果、凝り・痛みを感じるようになるのです。
また、猫背にならないように気をつけていても、同じ姿勢が長時間続くことで、筋肉は硬くなりがち。しかも、この背中の筋肉の凝りというのは、ただしんどいだけでなく睡眠不足とも関係があるのです。
背中の凝りと睡眠不足が関係…なぜ?
背中の筋肉や背骨が硬い状態というのは、呼吸に大きく影響してきます。胸が広がりにくくなって、呼吸が浅くなってしまうためです。そしてこの浅い呼吸は、交感神経を優位にします。
交感神経は、活動時に働く神経。寝る前に交感神経が優位になると、入眠しにくくなったり、質のいい睡眠が取りにくくなったりします。リラックスモードのときに働く副交感神経を優位にするためにも、入眠時には深い呼吸が大事になってくるのです。
また背骨は、自律神経の通り道です。そのため、背中・背骨が硬いと、自律神経のバランスが乱れやすくなり、結果として睡眠の質にも影響してきます。「背中の凝り」と「睡眠不足」の両方にお悩みの方は、背中の筋肉をほぐすストレッチをおこなうといいかもしれません。
ここからは、姿勢別のストレッチや身近な道具・器具を使った背中のほぐし方をご紹介していきます。
座ったままストレッチ|セルフハグで心も緩む
STEP 1:あぐらで座る
▲左右の座骨(お尻の下のほうにある尖った骨)に均等に体重を乗せて、骨盤をスッと立てます。あごの下のラインを床と平行にし、下腹部はリラックス!
STEP 2:【息を吸いながら】両腕を横に広げ、胸を開く
▲両腕を体よりうしろに引き、左右の肩甲骨をグッと中央に寄せて胸を広げます。目線は斜め上に向けましょう。〈回数:呼吸を5回〉
STEP 3:【息を吐きながら】腕を体の前でクロスし、背中を丸める
▲腕を体の前でクロスさせ、手は肩甲骨のあたりに添えてセルフハグ。背中を丸くする&あごを引いた姿勢をキープ。自分を深く労わる気持ちで、ゆったりとした呼吸を繰り返します。〈回数:呼吸を5回〉
【プラス1アクション】
STEP 3の、骨盤を固定して背中を丸めた姿勢から、上体を左右にゆっくり揺らすと、背中のより広い範囲に効かせることができます。
四つ這いでストレッチ|斜めの伸びが気持ちいい!
STEP 1:四つ這いになる
▲手は肩幅、脚は腰幅に開き、肩の下に手首、股関節の下にひざをつきます。ヘソを引き上げて、背中を平らにするとgood!
STEP 2:右前腕を床につける
▲右前腕(ひじ~手首)、手のひらを床につきます。
STEP 3:【息を吐きながら】左手を右手の先につき、上体を床に近づける
▲右手の先に左手をついたら、ゆっくりと上体を床に近づけます。顔は右に向け、左の肩まわり~背中が心地良くストレッチされるところで呼吸を繰り返しましょう。反対側も同様におこないます。〈回数:呼吸を5回〉
ベッドの上でもOK|寝ながらストレッチ
STEP 1:仰向けになり、ひざを立てる
▲脚を揃えてひざを立て、両腕は肩の高さに広げます。
STEP 2:右体側を下にして、横向きになる
▲両腕、両脚を重ねます。腕は肩の高さ、脚はひざが90度になるように曲げた姿勢です。
STEP3:左手で円を描くように、腕を大きくまわす
▲左腕を体のうしろ側に引いて胸を開いたら、手で大きな円を描くように前~うしろに向けて腕をまわします。ゆったりとした呼吸を繰り返しながら、丁寧にまわすのがポイント! 反対側も同様におこないます。〈回数:10回〉
道具を使ったストレッチ|タオル編
STEP 1:あぐらで座り、頭上でタオルの両端を持つ
▲あぐらの姿勢で座ったら、タオルの両端を手で持って腕を頭上に伸ばします。ひじは伸ばしておきましょう。
STEP 2:【息を吐きながら】タオルを肩の高さに下げる
▲ひじを曲げ、タオルを肩のうしろ辺りまで下げてきます。肩甲骨まわりへの刺激や、胸の広がりを感じましょう。〈回数:呼吸を5回〉
STEP 3:STEP 1の姿勢に戻り、【息を吐きながら】上体を左に側屈させる
▲タオルの両端をしっかり持ち、ひじを伸ばしたまま上体を左に倒します。ポイントは、腕が体の前に倒れてこないようにすること! 〈回数:呼吸を5回〉
STEP 4:【息を吐きながら】背中を丸める
▲STEP 3の姿勢から、上体を左斜め前に倒して背中を丸めます。背中の右側に心地よい伸びを感じましょう。STEP 3〜STEP 4の反対側も同様におこないます。〈回数:呼吸を5回〉
道具を使ったストレッチ|ストレッチローラー編
自宅にストレッチローラーがある場合、次のような使い方もおすすめです。
STEP 1:ストレッチローラーの前で正座をし、前腕を乗せる
▲ストレッチローラーを横向きに置きます。正座をしたら、両前腕をストレッチローラーの上に乗せましょう。
STEP 2:ストレッチローラーを転がし、背中を伸ばす
▲ストレッチローラーを前に転がしていきます。お尻の位置はできるだけ変えず、背中が気持ちよく伸びるところでストップ! 〈回数:呼吸を5回×2~3セット>
背中をストレッチローラーに乗せると痛む…というときは、この方法でストレッチをしてみるのもいいでしょう。
最後に
背骨はとてもデリケートなパーツでもあるので、背中のストレッチをおこなうときは強度やキープ時間・回数も頑張りすぎないことが重要なポイントになってきます。体の状態に合わせて、無理なくおこなってくださいね。
ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。