目次Contents
初心者さんが押さえておきたい「ランニング」の注意点とコツ
体の中に空気をたくさん取り入れながらおこなうランニングは、脂肪燃焼効果が得られる有酸素運動です。またランニングは、脚だけでなくさまざまな部位の筋肉を使う全身運動でもあることから、体中の血行を促進し、老廃物の回収をスムーズにして新陳代謝がUPする効果も期待できます。
そして、動きやすいウェアとシューズがあれば、気軽に始めることができるところもランニングの魅力のひとつではないでしょうか。ここでは、ランニング初心者さんが押さえておきたい「安全に」「効果的に」走るためのコツをお伝えしていきます。
ランニングをおこなうときの注意点
ランニングをおこなうときの主な注意点は、以下の4つ。
1. 正しいフォームで走る
・背筋を伸ばして体の軸を真っすぐにし、軽い前傾姿勢を意識する
・あごを引いて、目線は正面に向ける
・肩をリラックスさせてひじを軽く曲げたら、腕は前後に振る
・ひざを緩める
2. ジョギング程度のゆったりとしたペースで走り始め、慣れてきたら少しずつスピードを上げる
※ 距離も短めからスタートして、徐々に長くしていくと〇。
3. 食後すぐのランニングは腹痛や消化不良の原因になるため、通常の食事のあとは2~3時間ほど空けてからおこなう
4. ウォームアップとクールダウンをおこなう
ウォームアップ、すなわち準備運動をおこなわずに走り始めると怪我の原因になります。適度なウォームアップには、体温や筋温を上昇させたり、関節可動域を広くしたりして、ランニング時の体を動かしやすくする効果が。必ずおこなうようにしましょう。
ランニング後のクールダウンには、体温や筋温、心拍数、呼吸を通常の状態に戻したり、筋肉を緩めたりする鎮静の目的があります。体を回復モードに切り替えるためにも、あわせて取り入れましょう。
では、ランニング前のウォームアップと、走ったあとのクールダウンにはどのようなメニューがあるのでしょうか。例をいくつか紹介していきます。
ランニング前のウォームアップ:お尻編
まずは、走るうえでとても大切な働きをするお尻の筋肉のストレッチをしていきます。
STEP 1:仰向けになり、右ひざを立てる
▲仰向けになったら、恥骨を突き上げて腰・お尻を床に近づけます。右ひざを立て、両手は体の横に自然に添わせておきましょう。
STEP 2:【息を吸いながら】右脚を床から浮かせる
▲右脚を床から浮かせたら、両手をひざのあたりに添えます。
STEP 3:【息を吐きながら】右ひざを引きつけ、脚を左右に揺らす
▲手の自然な重さを使って、右ひざを引きつけます。その状態で、右脚を左右にゆっくりと揺らしましょう。お尻の筋肉が心地よくストレッチされるのを感じたら、反対側も同様におこないます。〈回数:各5~10回ずつ〉
ランニング前のウォームアップ:股関節編
走る前に股関節周辺の筋肉を緩めておくと、関節可動域が広がることに加えて、股関節を痛めるリスクを減らせます。
STEP 1:壁の横に立つ。壁に手をついたら、反対側の脚を持ち上げる
▲体の右側を壁に向けている場合、右手のひらを壁につきます。左手は腰に添え、左ひざを曲げて脚を床から持ち上げましょう。
STEP 2:持ち上げた脚を、ゆっくりと前後・左右に振る
▲左脚を前後左右に振り、股関節周辺やお尻の筋肉の動きをよくしていきます。前後に振るときは腰が動かないようにして、左右に揺るときはひざを伸ばしておくと◎! 反対側も同様におこないましょう。〈回数:前後左右各10回ずつ〉
ランニング後のクールダウン:腕・脚リラックス編
走ったあとに疲労を感じる腕や脚は、仰向けでブラブラ。力を抜いて、リラックスさせましょう。
STEP 1:仰向けになり、手足を天井に向けて持ち上げる
▲体を床に預けてリラックスしたら、両手両足を床から持ち上げます。
STEP 2:手足をブラブラ揺らす
▲ひじやひざを軽く緩めて、手足を自由にブラブラと揺らします。重力を利用して、血流を戻していきましょう。〈回数:1~2分程度繰り返す〉
ランニング後のクールダウン:ハムストリング編
ハムストリング(太ももの裏側)は、走るときにひざを曲げる動きで使われます。ヨガ「サギのポーズ」で気持ちよく緩めてあげましょう。
STEP 1:両脚を前に伸ばして座り。左ひざを曲げる
▲左右の座骨(お尻の下のほうにある尖った骨)に均等に体重を乗せて、骨盤を立てて座ります。左ひざを曲げて、かかとをお尻の横にセットしましょう。
STEP 2:右ひざを立て、両手で足の裏を持つ
▲右太ももを腹部に引き寄せて、足の裏をしっかり持ちましょう。
STEP 3:【息を吐きながら】右ひざを伸ばす
▲吐く息に合わせて、ゆっくりと右ひざを伸ばしていきます。ひざは無理なく伸ばせるところまででOKですが、姿勢がツラくない場合は脚を高く持ち上げましょう。背中はできるだけ丸めないように! 反対側も同様におこないます。〈回数:呼吸を5回〉
姿勢の安定に! ランニングに役立つ「トレーニング」2つ
次は、走るときの姿勢を安定させる筋トレの方法を2種類紹介します。
トレーニング1
STEP 1:脚を腰幅に開いて立つ
▲尾骨(背骨の延長線上)を下げて、腰の反りを緩めます。後頭部を引き上げてあごを引いたら、肩をうしろにまわして肩甲骨を下げましょう。手は腰に添えておきます。
STEP 2:右脚を大きく前に踏み出す
▲背筋はスッと伸ばしたまま、右太ももが床と平行になるくらいまで腰を落とします。左脚はかかとを浮かせた状態でOK。
STEP 3:左脚を前に出し、同様に腰を落とす
▲前に歩くようなイメージで、今度は左脚を大きく踏み出します。ここでも腰をグッと落としたら、再び右脚を前に…と、同じ動きを繰り返しましょう。〈回数:10メートルを目安に前に進む〉
トレーニング2
STEP 1:四つ這いになる
▲手は肩幅、脚は腰幅に開き、肩の下に手首、股関節の下にひざをつきます。ヘソを引き上げて、背中を平らにしましょう。
STEP 2:右脚と左腕を床と平行の高さに持ち上げる
▲右脚をお尻の高さ、左腕を肩の高さに持ち上げたら、姿勢を安定させましょう。
STEP 3:左足先を床から持ち上げる
▲左の足先を床から浮かせた姿勢をキープします。ヘソの少し下あたりにグッと力を入れて、呼吸を繰り返しましょう。反対側も同様におこないます。〈回数:呼吸を5回〉
STEP 3の姿勢がツラい場合は、STEP 2でキープしましょう。
最後に
20分以下の有酸素運動でも脂肪は燃焼しますが、20~30分ほど続けると脂肪燃焼効果がより高まると言われています。とはいえ、ランニングの頻度は、ライフスタイルや目的、目的達成までの期間などによっても変わってくるもの。強いて言うなら、筋肉痛が強くあらわれているときは無理におこなわないのがベター。景色を楽しめるコースを見つける、お気に入りのウェアを着るなど、楽しみながら続けられる工夫をしてみるのもいいかもしれません。
ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。