ダイエットを頑張っているのに太ももの内側がプヨプヨ、なぜ?
ダイエットを頑張っているのに、なかなかスッキリしない太ももの内側(内もも)。
実はこの太ももの内側の筋肉というのは、日常生活における動作やちょっとした運動ではしっかり使えていないことがほとんど。もともと存在感があるパーツなうえに、痩せにくいというのが太ももの内側なのです。
太ももの内側の筋肉・股関節内転筋群は、あまり使われない筋肉
ここで、太ももの内側にある筋肉について少しお話していくと…。
太ももの内側に位置する筋肉・股関節内転筋群は、短内転筋・長内転筋・大内転筋・薄筋などからなる筋肉の総称。
左右の太ももをお互いに引き寄せ、足を閉じるときに力強く働く筋肉です。では、この動きを改めて意識してみるとどうでしょう? 普段あまりおこなっていないことに気づくのではないでしょうか。
そのため、股関節内転筋群というのは、筋肉がしっかり使われずに衰えの一途をたどりやすいのです。
太ももの内側・股関節内転筋群の衰えセルフチェック
股関節内転筋群が衰えているかどうかをチェックするには、以下の項目を参考にしてみてください。
股関節内転筋群の衰え・セルフチェック
● 内もものたるみが気になる
● 座っているとき、足がパカッと外側に開いてしまう
●太ももと太もものあいだに物を挟んだとき、長時間キープできない
●足を組んで座ると落ち着く
● 靴のかかとは外側がすり減っている(足の外側の筋肉を使いがち)
●腰が丸まりやすい
当てはまる項目が多いほど、股関節内転筋群が衰えていることが考えられるでしょう。
また、次のような生活習慣は股関節内転筋群をグイグイと衰えさせる原因にもなります。できることから改善していくといいでしょう。
股関節内転筋群を衰えさせる生活習慣
●電車や車・バス、エスカレーター・エレベーターなどをよく使い、歩く機会が少ない
●歩くときは、小股でちょこちょこ
●長時間のデスクワークで1日の大半を座って過ごし、運動不足になっている
●座るときは、足を組んでいる
衰えが気になる股関節内転筋群には、ストレッチやトレーニングで効果的にアプローチしていきましょう。
ここからは、そのやり方をご紹介していきます。
太ももの内側のストレッチ
【座りながら】左右別々におこなうから安心! 片足開脚で内もものストレッチ
長時間同一姿勢で過ごしていたり、あまり使われずにいたりすることによって硬くなった股関節内転筋群をストレッチしていきましょう。
STEP 1:あぐらの姿勢で座る。右足を横に伸ばして開脚する。
▲骨盤を立て、左右の座骨(お尻の下のほうにある尖った骨)に均等に体重を乗せます。左のかかとは恥骨に引き寄せ、右足は無理のない範囲で開脚しましょう。右のかかとをグッと突き出して、つま先を上に向けます。
STEP 2:【息を吐きながら】上体を前に倒す。
▲手のひらもしくはひじを床につき、股関節から体を前屈させて60~90秒ほどキープします。右太ももの内側が徐々に伸びてくるのを感じましょう。
STEP 3:【息を吐きながら】上体を右方向に前屈させる。
▲STEP 2の姿勢から手を右に歩かせ、上体を右斜め前に前屈させます。足は開脚の姿勢を保ったまま、60~90秒ほどキープしましょう。反対側も同様におこないます。
開脚のストレッチは、片足ずつおこなうことで股関節や膝関節などにかかる負担を軽減することができます。
太ももの内側のトレーニング
運動不足を感じている方は、内ももに効かせるトレーニングもあわせて取り入れていきましょう。
1.【寝ながら】足を閉じるときがポイント! 内ももの筋トレ
STEP 1:右体側を下にして横になる。
▲右ひじを床につき手で頭を支え、上体を軽く起こします。右ひざを曲げてすねは体のうしろ、左手は胸の前について姿勢を安定させましょう。
STEP 2:【息を吸いながら】左足を天井方向に持ち上げる。
▲持ち上げた左足が体の前後に倒れないように、意識しましょう。足の高さは、無理のないところからでOK。
STEP 3:【息を吐きながら】左足を下ろす。
▲内ももの筋肉は、足を閉じる動作のときに使われます。呼吸に合わせて、ゆっくりと足を閉じるように意識しながらおこなってみてください。30回を目安に足の開閉をおこなったら、体の向きを変えて反対側も同様におこないます。
2.【立っておこなう】内もものトレーニング効果抜群! ヨガの「女神のポーズ」
STEP 1:足を大きく開いて立つ。
▲手は腰に添え、つま先は斜め45度に開きます。ひざを痛めないためにも、ひざとつま先は向きを揃えるのがポイントです。
STEP 2:【息を吐きながら】腰を落とす。
▲ひざが90度になる位置まで腰を落とします。足裏3点(親指と人差し指の下、薬指と小指の下、かかと)で床をとらえ、骨盤は床に対して垂直にします。頭頂~お尻までまっすぐな姿勢を保ちましょう。
STEP 3:胸の前で手を合わせ、合掌する。
▲ひざが内側に倒れてこないことと、お尻がうしろに出ないことを意識しながら呼吸を5回繰り返しましょう。姿勢がツラい場合は、腰の位置を上げ、ひざの角度を緩めたところからスタートします。余裕がある方は、3セットを目安におこなってみるのも◎。
先にお伝えしたように、内ももの筋肉は日頃あまり使われることがないため、いきなり強度の高いストレッチ・トレーニングをすると痛めてしまったり、怪我をしてしまったりする恐れがあります。
まずは、体に負担がかかりすぎないように調節しながら、徐々に回数やセット数を増やしていくといいでしょう。
ヨガインストラクター 高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®といった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。