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足首、硬くなってない?
体のなかでも、下のほうにある足首(足関節)。
足首は、地面に接する足と体を支える脚をつなぐ重要なパーツであり、体重のほとんどを支えてくれているパーツでもあります。しかしながら、ふくらはぎや太ももなどと比べるとケアをすることなく放っておかれがち。
そのため、ふと気がついたときには、自分が思っているよりもずっと足首が硬くなってしまっていることも少なくないのです。
足首の主な働きは? 足首が硬いと、どうなる?
まずは、足首の主な働きから見ていきましょう。
<足首の主な働き>
●体の重心をコントロールし、バランスを取る
→「背屈」「底屈」「外反」「内反」「外転」「内転」などといったさまざまな方向への動きによって、重心をコントロールする。姿勢が崩れたときにバランスを取れるのは、足首(足関節)のおかげ。
●衝撃の吸収・けがの予防
→さまざまな動きにともなう着地時の衝撃を吸収して、膝関節や股関節、腰などにかかる負担を軽減する。
●立つ・歩く・ジャンプするなどの動作を可能にする
→足首の動きが正常に機能することで、これらの基本的な動作を不自由なく送ることができる。
このことからも、足首が硬くなり動きが悪くなると、バランスを崩しやすくなったり、けがをしやすくなったり、日常的な動作に支障が出やすくなったりすることがあるのです。また、足首が硬いと脚全体の動きが悪くなるのですが、第二の心臓と呼ばれるふくらはぎの筋肉を硬くして、冷えやむくみの原因になることも考えられます。
足首の硬さ、セルフチェック
次に、自分の足首が硬いのかどうかをチェックしていきましょう。やり方は、とても簡単。
「かかとをつけた状態で、しゃがむ」たったこれだけです。
足を適度に開いてひざと足先を正面に向けたら、お尻を地面スレスレまで落としていきましょう。
チェックポイントは、次の3つ。
●しゃがめない or しゃがめるけれど、かかとが浮いてしまう・・・足首が硬い
●手を前に伸ばした状態なら、しゃがめる・・・足首の柔らかさ合格ライン
●手をうしろで組んだ状態でしゃがめる・・・足首の柔軟性バツグン
足首が硬くなっているかどうかの判断目安のひとつにしてみてください。
また、やってみて「思っていたよりも硬かった」という方は、次のようなストレッチをおこなうのもおすすめです。
足の冷えやむくみ改善にも◎! 姿勢別・足首を柔らかくするストレッチ3種
1.座っておこなう「足首まわし」ストレッチ
STEP 1:両足を前に伸ばして座る。右ひざを立てて外に倒し、足首を左ひざに乗せる。
▲骨盤を立て、左右の座骨(お尻の下のほうにある尖った骨)に均等に体重を乗せます。頭頂からお尻までをまっすぐにし、できるだけ背中が丸まらないようにしましょう。
STEP 2:左手の指を、右足の指のあいだに差し込む。
▲それぞれの足指のあいだがしっかり開くように、手の指を足の指の股にグッと差し込みましょう。右手は、右足首の上あたりを軽く持ちます。
STEP 3:右足首を内側・外側にまわす。
▲左手で足指を開きつつ、足先をしっかり持って円を描くようにまわします。内側・外側それぞれ20~30回ほどまわしたら、左足も同様におこないましょう。足の指の股は、リンパ液が滞りやすい場所でもあります。手の指で広げてほぐしてあげることで、血流がよくなり冷え性の改善にも効果を期待できるでしょう。
2.仰向けで寝ながらおこなう足首の「背屈」「底屈」ストレッチで可動域を広げる
STEP 1:仰向けになる。
▲足は揃えておきます。腕は、脇の下に卵1個分のスペースを開けて、手のひらを床につけましょう。腰が床から浮きやすい場合は、下に丸めたタオルやブランケットを置いてもOK。
STEP 2:両足を床から持ち上げる。【息を吐きながら】かかとを突き出す。
▲足は揃えたまま持ち上げます。かかとで天井を押すようにグッと突き出して、足首を「背屈」させましょう。
STEP 3:【息を吸いながら】つま先を突き出す。
▲今度は、つま先で天井を押すように突き出す足首の「底屈」です。足首の動きを意識しながら、呼吸に合わせてSTEP 2~STEP 3の動きを20~30回ほど繰り返しましょう。
3.立ったままおこなう足首・前側のストレッチ
STEP 1:足を揃えて立つ。左足を1歩うしろに引く。
▲腰が反りすぎないように、尾骨を引き下げた姿勢を意識します。左足は、つま先を立てておきましょう。
STEP 2:左足の指のつけ根を床につける。
▲左足の位置を前・うしろに移動させ、足の甲や足首の前側~すねが気持ちよくストレッチされるところで呼吸を5回ほど繰り返しましょう。反対側も同様におこないます。
足首が硬くなる原因は…ズバリ!
最後に、足首が硬くなってしまう主な原因をあげていきます。
●足首をしっかり使えていない
トイレが和式から洋式になり、掃除のときは雑巾がけが掃除機になるなど、日常的にしゃがむ動作や足首をしっかり使う動作をする機会・必要性が減ってくると足首まわりの筋肉や靭帯といった組織が硬くなります。足首をあまり使わなくなった分、意識的にストレッチを取り入れてほぐしてあげるといいでしょう。
※ ふくらはぎやすねの筋肉が硬い・使えていないことも足首の硬さにつながります(足首が硬いことで、これらの筋肉が硬くなることもある)。ストレッチをするときは、この辺りのパーツも一緒にほぐしていきましょう。
●ハイヒールをよく履く
ヒールの高い靴をよく履く人の場合、かかとが浮いてつま先立ちになった状態で固定されることが、足首の硬さの原因になることがあります。フラットシューズや、ローヒールの靴を履く日を作ってみるのもいいかもしれません。
ヨガインストラクター 高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®といった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。