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お腹が痩せない…どうして?
ダイエットを頑張っているのに、なかなかお腹が痩せない…。
もともとお腹まわりというのは、皮下脂肪(皮膚と筋肉のあいだにつく脂肪)がつきやすく、体のなかでも痩せにくいパーツです。それに加えて女性の場合、男性と比べると筋肉量が少ないことから、便を押し出す力が弱く、便秘になりやすいこともお腹まわりがすっきりしない原因のひとつにあげることができるでしょう。
お腹痩せ(すっきり)には、便秘解消も大事になってくるのです。
不安や緊張状態が続くことでも便秘に
便秘は、腹部の筋力不足やホルモンの作用によるところ、食生活などとの関係もあるのですが、そのほかに自律神経のバランスも大きく関係しています。体が活動的なときに働く交感神経と、リラックスしたときに働く副交感神経からなる自律神経は、ストレスや不安、緊張、寒暖差、生活習慣の悪化などさまざまな要因によってバランスが乱れがち。そして、それが腸の働きにも影響を及ぼすといわれているのです。
<自律神経と便秘の関係>
●交感神経が優位なとき・・・腸のぜん動運動(腸の内容物を移動させる動き)が停滞する
●副交感神経が優位なとき・・・腸のぜん動運動が活発化し、排便力が高まる
ここ最近、ずっとアクセルを踏み続けるばかりでなかなかリラックス・休息できていないという方は、次のようなお腹まわりのマッサージをしてみるのもおすすめです。
お腹まわりのマッサージ、寝たままリラックス&排便力UP
ヘソを中心に、お腹まわりに円を描くようにしてほぐしていくと、副交感神経が優位になりリラックス効果が高まるほか、腸のぜん動運動が活発になり排便力を高める効果に期待できます。
「ストレスがたまっている」「不安・緊張状態が続いている」というときだけでなく、「普段から便秘がち」「ガスがたまってお腹が張っている・すっきりしない」というときは、手を使って腹部のマッサージをしてみるといいでしょう。
マッサージのやり方
仰向けの姿勢で寝ます。
それから、人差し指と中指、薬指の三指で3周ほど、ヘソを中心に小さな円を描いて時計まわりにほぐしていきましょう。お腹全体をマッサージするときは、やや大きめの円を描いてほぐしていきます。
お腹の押圧は、優しくおこなうのが基本です。硬いところを見つけたら強く押すのではなくて、繰り返し優しく押すことで少しずつケアしてみてください。
手を軽く握った状態もしくは手のひら全体を使って、優しくさするように円を描いてもOK。反時計まわりも同様におこないます。
マッサージは起床後、寝る前のどちらにおこなってもいいでしょう。
続いては、排便力を高めるトレーニングです。
押し出す力をつける! 排便力を高めるお腹の筋トレ&ヨガポーズ
1.仰向けで寝ながらおこなうトレーニング
STEP 1:仰向けになる。
▲足を揃えます。腕は、脇の下に卵1個分のスペースを作って手のひらを床につけましょう。腰が床から浮きやすい場合は、下に丸めたタオルやブランケットを置いてもOK。
STEP 2:【息を吐きながら】足を床から持ち上げる。
▲両足を揃えたまま、ゆっくりと天井方向に持ち上げます。目安は、足が床に対して垂直になる高さですが、無理のないところからでOK。【息を吸いながら】STEP 1~【息を吐きながら】STEP 2の動きを20回ほど繰り返しましょう。
2.ヨガ「ねじった椅子のポーズ」でお腹をキュッとひとねじり
STEP 1:足を揃えて立つ。手は腰に添える。
▲足裏3点(親指と人差し指の下、薬指と小指の下、かかと)で床を押しながら、重心はかかとよりに。尾骨を引き下げ、太ももを内側にまわすようにして締めます。
STEP 2:両ひざを曲げて、腰を落とす。
▲股関節とひざを90度に曲げ、両ひざは強く合わせた状態をキープ。背中を反らせないように、頭頂~お尻までを斜め一直線に保ちます。
STEP 3:【息を吸いながら】両腕を頭の先に伸ばす。
▲手の指先から尾骨までが一直線になるように、ひじを伸ばして腕をまっすぐに持ち上げましょう。目線は正面に向けます。
STEP 4:【息を吐きながら】上体を左側にねじる。
▲胸の前で手のひら同士を合わせて合掌したら、上体を左にねじります。右ひじを左ひざの外側にあて、ねじりを深めましょう。目線は左ひじの先に向けます。吸う息でお腹を膨らませ、吐く息でへこませる呼吸を5回繰り返したら、反対側も同様におこないましょう。
お腹にガスがたまっているときのガス抜きにも、効果を期待できるヨガのポーズです。
朝のうちにお腹をすっきりさせるには
朝、家を出る前に排便を済ませて、すっきりした状態で1日を過ごせたらいいなと思いますよね。
本来、朝というのはもっとも便意を感じやすい時間帯。それなのに、「すっきりしない」というときはどうしたら…?
●腸を動かすマッサージやストレッチ、軽めの運動をする
お腹まわりのマッサージやストレッチ、軽めの運動をすることで、腸を刺激し腸の目覚めを促すことができます。呼吸に合わせてお腹を大きく膨らませたり、へこませたりすることも効果的。先にご紹介したマッサージ法や呼吸法はベッドの中でもできるので、起床後、便意を促したいときにおすすめです。
●温かい飲みものを飲む
温かい飲みものを飲むことで、食道や胃、腸が温められます。そして、腸が温まると動きがよくなります。また、寝起きの体は汗によって水分が失われた状態。水分を補給することで、便が出やすい硬さになります。
●毎日、同じくらいの時間にトイレに行くようにする
便意の有無にかかわらず、毎日同じくらいの時間にトイレに行くようにして排便習慣をつけてみましょう。マッサージやストレッチ、朝食後(水分摂取後)は腸が動いて便が出やすい状況になるので、出勤前・外出前にトイレ分の時間の余裕を設けてみると◎。
ヨガインストラクター 高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®といった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。