なぜやる気が出ない?
日々、取り組んでいる仕事、何かしらの理由で仕事へのモチベーションを失ってしまうことありますよね。例えば、先輩や上司から叱られたり、仕事上での失敗、お客様からのクレーム、あるいは組織変更や転勤などで職場環境が変わり人間関係がうまくいかなくなったなど、その原因は様々です。
ですが、モチベーションがあがらないからといって、仕事の進捗やクオリティーに影響を及ぼすようでは一人前の社会人、プロフェッショナルとは言えませんね。そこで、公認モチベーション・マネジャーAdvanced資格を持つ、貝阿彌俊彦さんにモチベーションが低下してしまう原因とそれを回復させる方法についてお聞きしました。
まず、最初に理解していただきたいのは、仕事そのものに「面白い仕事」や「つまらない仕事」があるのではなく、「面白い」あるいは「つまらない」と感じている自分がいるということ。つまり、気持ちの持ちかた一つで、仕事が面白くなったり、つまらなく感じられたりして、仕事への取り組み方までも変わってしまうことです。
そこで、大切になるのが仕事モチベーション。先ずは、やる気を失ってしまう原因について考えてみましょう。要因は人それぞれですが、主に次のような要因が想定されるでしょう。
1:体調が悪い
体調が悪いと、やる気が出なくなることがあります。頭痛やだるさ、風邪などの症状によって体調が優れない場合、集中力が低下。また、睡眠不足や過度な疲労も体調を悪化させる要因となります。健康な状態に戻すことが大切です。
体調が悪い場合は、まずは休息をとりましょう。すぐに回復しないのであれば、有休を取得するのもいいですね。休息が取れたら、ストレッチや軽い運動をすることで、体のリフレッシュを図るのもおすすめです。
2:悩み事がある
例えば「恋人とうまく行っていない…」とか「家族の介護をしなければならない」とか「経済的な悩みがある」など気がかりなことがあると、どうしても仕事に意識が向かなくなります。
こうした問題は仕事に大きく影響をきたす場合もありますので、できるだけ早く解決するのが望ましいでしょう。例えば友人に相談するとか、家族で話し合うとか、専門家のカウンセリングを受けるとか、場合によっては行政機関に相談するなど、自分一人で抱え込まない方がベターですね。
3:誰も評価してくれない
自分の努力が誰からも評価されないと感じると、やる気をなくすことがありますよね。誰かに認められたいという気持ちは、多くの人間が持っているものです。心理学者・マズローが提唱した承認欲求は、有名な学説。
「誰も評価してくれない…」と悩むより、まずは自分自身を褒めるということが大切ではないでしょうか。さらに、自分自身が納得できる成果を出せるよう努力すれば、他人の評価はさほど気にならなくなるかもしれませんね。
4:頑張る意義を見出せない
自分自身が取り組んでいることに対して、その意味や価値を見出せない場合、やる気が出なくなってしまうことがあります。目的が明確でなかったり、達成することのメリットが感じられなかったりすると、達成意欲が減退し、それによって仕事のクオリティが低下します。その結果、あなたへの信頼も失われることに繋がることになりかねません。
何のために頑張るのか、また目標達成の先にはどのような未来像があるのかを思い描くことで、やる気をなくすことなく継続的に頑張ることができるでしょう。そのために、自問自答することも大切ですね。
やる気の出し方
やる気を出す方法はさまざま。カンフル剤的にやる気を出す方法から、モチベーションを持続的に維持する方法まで色々とあります。その中から、6つの方法を紹介しましょう。
1:好きな音楽などを聞く
アスリートが試合の前に、よくヘッドフォンをつけて音楽を聴いている姿が見られますよね。これは闘志を燃やしたり、集中力を高める効果を期待しての行動だと思われます。
あなたにもモチベーションを高めたり、落ち込んだ気持ちを勇気づけてくれるような曲は、きっとあることでしょう。そうした曲を聴くことで、気持ちをリフレッシュするといいのではないでしょうか?
もし、あなたが楽器の演奏ができるのであれば、好きな曲を奏でるのも効果的だと思います。
2:頑張った後においしい食べ物を食べる
頑張ったら、気の置けない友人とおいしい料理を食べに行くのもいいですね。ここを乗り越えればご褒美が待っているという期待が、心を奮い立たせ、やる気が出るかもしれません。
3:名言に触れる
大きな功績を残した歴史上の人物や自分が尊敬する人物の名言を読むことで、モチベーションが上がることがあります。高い境地に達した人物の言葉は指針やヒントがあるもの。そうした言葉に触れることで、刺激を受けたり、世界の見方が変わることもあります。頑張ろうとする気持ちが湧いてくることがあるでしょう。
4:住む場所や居住環境を変える
環境は、気持ちに大きな影響を与えます。引っ越しや部屋の模様替えをすることで、気分がリフレッシュすることがありますよ。新しい町で暮らす・インテリアとして観葉植物を置くなど、自分の周囲を変える行為で、刺激を受けて気分のマンネリ化が防げます。
5:新しいことを学ぶ
人間は「習慣の動物」とも言われるくらい、ついつい生活がマンネリ化するものです。気がついてみると、毎日同じことの繰り返し。「何か刺激が欲しいなぁ」と思うこともあるかもしれませんね。そうした時は、外部から自分の心に刺激を与えるのはいかがでしょうか?
それには「新しいことを学ぶ」取り組みが、やる気を引き出すきっかけになるかもしれません。学び続けることで、新たな発見やものの見方が変わることもあるでしょう。
6:達成がもたらす将来像を具体的にイメージする
目標達成することで見えてくる自分の将来像を具体的にイメージすることは、持続的なモチベーションを維持する方法だと言えます。具体的には、ロールモデルを身近に持つとか、有名なアスリートのエピソードにあるように「○歳には○○になる」というように明記しておくとか、あるいは、ともに刺激し合えるライバルを持つとか、講演やセミナーに参加してみるなど、モチベーションを維持するような活動するのも良いでしょう。
どうしてもやる気が出ない場合
いろいろ策を講じたのに、どうしてもやる気が出ない場合もありますよね。そんな時は、「一旦、距離を置く」という選択肢もあるのではないでしょうか? 世の中、自分ではどうにも解決できないこともあります。そうしたことで、くよくよ悩んで自分を追い込んでも、良い結果は得られないことでしょう。
一旦離れることで、冷静になって物事を見ることもできるでしょうし、力を蓄えもう一度チャレンジすることもできますよ。
最後に
やる気が出ない原因・やる気の出し方などについて、紹介しました。やる気を失う原因は、人それぞれ。置かれている立場、環境によって様々です。本記事を一つの参考に、自分に合ったやる気の出し方を見つけてもらえたら嬉しいです。
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公認モチベーション・マネジャー 貝阿彌俊彦さん
約30年近くIT関連企業に勤務。営業部門を経て、マーケティ ング部門、カスタマーサポートセンターなどの職務に従事。その後、京都商工会議所にて、厚生労働省委託事業「ジョブカー ド制度普及推進員」として活動。
PRSJ認定 PRプランナー(ID:101-0022451)、情報セキュリティー管理士、企業情報管理士、個人情報保護士 公認モチベーション・マネジャーの資格を有する。
ライター所属:京都メディアライン