【目次】
・【モラハラ】とは、そもそもどういう意味?
・モラハラ夫や彼氏の特徴
・自宅で実際にあったモラハラ実例
・職場で起きたモラハラの裁判実例
・モラハラ気質がある人の見分け方
・モラハラ被害に遭ったらするべきこと
【モラハラ】とは、そもそもどういう意味?
無視したり暴言を吐いたりなどの嫌がらせ行為
モラハラとは、一般的に相手を無視したり、睨みつけたり、暴言を吐いたり、嫌味を言ったりといった嫌がらせや不機嫌に振る舞うような行為のことを言います。
正式には「モラル・ハラスメント」と言い、現状直接規定した法律はなく、裁判所の判決を見ても法律上確立した概念とまではいえないようです。
パワハラとの違いは「上下関係がない場面での嫌がらせ」
厚労省によるパワーハラスメントの定義は以下。
「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」
つまりパワハラは上下関係を利用した攻撃のことを言います。
これに対しモラハラは、上下関係がない場面での嫌がらせを言うのだと考えられています。
職場のモラハラ、いじめ、どう対応する?【弁護士が解説します】
モラハラ夫や彼氏の特徴
共感しない
モラハラ気質がある男性は、返事の仕方で判断できると言われています。中でも「共感がまったくないタイプの男性」は、モラハラのリスク大。
例えば、解決法は示してくれるけれど共感がゼロだったり、話は聞いてくれるけど上から目線でアドバイスしてきたり…。
こういったパターンの返事をする人は、一見親身になってくれているように錯覚してしまいますが、実は“事務的に返事をしている”だけの、モラハラ予備軍です。
LINEの“返事の仕方”でわかる!「モラハラ・サイコ系男」見分ける3つのポイント
会話のキャッチボールができない
モラハラ気質がある人は、会話のキャッチボールができません。
例えば、いったんは相手の話を聞くふりはするものの、結局はすべて自分の話にすり替え、最後は自分の自慢話で終わらせる… そんなタイプの人です。
【実話】東大卒キャリア官僚がモラハラ夫に! 暴言に耐え続けた妻は…〈離婚弁護士 後藤千絵発〉
お店のスタッフなどに対する態度がぞんざい
モラハラの最大の特徴は「相手を支配・コントロールし、自分の意のままに従わせようとする」こと。
自分を正当化し、悪いことは人のせいにするので、お店の従業員やタクシー運転手に対する態度がぞんざいであることが多いでしょう。
頭の回転が早いため、自分に都合のいい意見を次から次へと繰り出しがちで、まさに「ああ言えばこう言う」タイプです。
「ああ言えばこう言う」男はヤバい!〈離婚弁護士 後藤千絵発〉モラハラ気質の特徴
マザコン
モラハラ夫には、マザコンも珍しくありません。母親絡みの出来事をキッカケにモラハラに走るタイプも。
「明日、お義母さんがウチに来るって言うんだけど、予定があるから断っちゃった」など、こちらが普通の会話をしているつもりでも、「はぁぁ!? お前、お袋が来たいって言ってんのを勝手に断ったのかよッ!? なに考えてんだよッ、お前、どこまで性格悪いんだよッ!」などといった、母親が絡むと勢いづいて妻を貶めるような暴言を吐きます。
突如として豹変…! モラハラ夫がモラハラに走りがちな瞬間3選
自宅で実際にあったモラハラ実例
結婚したら彼の性格が激変!(派遣社員 金原さん)
「夫は理系で現在も研究所に勤務しています。交際中は知的で優しくて、理想の人だと思って結婚しました。私の両親も、真面目そうでいい人だとほめてくれました。でも、結婚した頃から急に態度が変わって、冷たい人になってしまいました。
何か質問すると『自分で考えろ、バカ』と言われ、その日あったことを話すと、『自分のことばかりダラダラしゃべって、俺の時間を奪うな』などと言ってきます。何か言うたびに『違うだろバカ!』『ちゃんと考えろ!』と言われるので、夫に話しかけるのが怖くなり夫婦の会話は激減しました。
結婚した時から家計は一緒にしていたのですが、1年前に家を買おうという話になって通帳を見せたところ、思ったよりお金が貯まっていないことを怒られました。無駄遣いをしているつもりはないけれど、共働きだからお惣菜を買ったり外食したりすることが多いからと説明をしたのですが、夫は納得いっていないようでした。
その一方で、家のことも何もしてくれません。雨が降っても洗濯物を入れてくれないし、ゴミ出しを頼んでも玄関にほったらかしにしてしまいます。私がインフルエンザになって立ち上がれなくなっても、看病もしてくれず放置。仕事から帰ってきて、『俺の晩飯がない』とキレられました」(金原さん)
結婚したら彼の性格が激変! モラハラ夫に… どうしたらいい? 弁護士・堀井先生が回答!<第13回>
仕事で成功した夫がある日突然モラハラ化!(メディア関係 丸山さん)
「大学を卒業してすぐ、つきあっていた同い年の彼と結婚しました。彼は就職活動がうまくいかなかったので、大学を卒業した後アプリ開発の会社を起業。彼の仕事がうまくいかないときは、私も金銭的にサポートしたりして、貧乏で地味ながらもそれなりに楽しくやっていました。
事態が変わったのは、去年彼が開発したアプリが大ヒットしてから。会社が急に大きくなり、私たちの生活レベルも上がりました。いいマンションに引っ越したのですが、それと同時に彼の人格が変わってきてしまったのです。
『オレは経営者なんだから、妻としてちゃんとした料理を作れ』と言われ、私も働いているので料理の時間が取れなくて、買ってきた総菜を出すと『手抜きをするな』と激怒したり、掃除についてもトイレが少しでも汚れていると『俺をバカにしているのか』と怒鳴ったり…。
そんな中、私の妊娠が発覚しました。喜んでくれると思って報告したら、彼の一言目は『本当に俺の子どもなのか』でした…。内気だけど優しかった彼はもういないのかと思って、本当につらかったです」(丸山さん)
【弁護士・堀井先生がスッキリ回答】仕事で成功した夫、ある日突然モラハラ化…! どうすればいい?
職場で起きたモラハラの裁判実例
残業や休日出勤を強要
残業や休日出勤を強要したり、個人的な用事について使い走りさせたりしたケース。
ある病院に勤務する男性看護師が、先輩の男性看護師らから残業や休日出勤を強要する、個人的な用事について使い走りをさせる、さらには被害者に好意を持っている女性と2人きりにし、性行為をさせてそれを撮影しようとする、「死ね」「殺す」などと言うといったイジメを受けていました。
被害者はいじめを苦に自殺。裁判所は加害者に、不法行為に基づく損害賠償を命じたそうです。また、病院側には安全配慮義務があったところそれに違反したとし、債務不履行に基づく損害賠償を命じました。
存在を否定するような発言
存在を否定するような発言が続いたケースで、裁判になった例も。
新しい職場に配転された被害者(公務員)が、本人に聞こえるよう「とんでもないのが来た」などの存在を否定されるような発言を受けたり、容姿や女性経験がないことを嘲笑の対象とされたり、さらにはナイフで脅かされる等のいじめを受けていました。
結果的に被害者はいじめを苦に自殺。裁判所は市に対し、損害賠償を命じたそうです。
職場のモラハラ、いじめ、どう対応する?【弁護士が解説します】
モラハラ気質がある人の見分け方
モラハラ気質のチェックポイント
フェリーチェ法律事務所代表 弁護士 後藤千絵さんに、モラハラ気質のチェックポイントを13個教えてもらいました。
・交際後、すぐに「さん」「ちゃん」が、呼び捨てや「おまえ」に変わった
・会話が豊富でいつも話題が途切れないが、聞き上手ではない
・会話中に相手と違う意見を言うとムキになって反論してくる
・少しでもこちらが反論すると、「だ・か・ら~」「あのさあ」「はァ?」といったワードが返ってくる
・話上手な半面、会話のキャッチボールが下手で、いつの間にか自分の話になっている
・話していると「俺の言ったとおりだろ?」「おまえが間違ってるんだよ」「分かってないなあ」などと言ってマウントを取りにくる
・デートに遅刻してきても言い訳ばかりし、素直に謝らない。基本的に自分は悪くないと思っている
・周囲からは「頼りになる彼氏だね」などと言われる
・電話やメールが長い。返信が遅れると「おーい」「生きてますか?」といった粘着系の催促メールが鬼のようにくる
・絵に描いたような高学歴で高収入の職業に就くなど、挫折を知らないエリート人生を歩んできた
・人当たりがよくて友だちや家族にまで優しく、評判がいい
・子どもの頃の思い出をあまり話さない
・宅配業者や飲食店などの店員さんに、不条理にきつく当たったり、細かい注文を出したり、突然暴言を吐いたりする
当てはまる項目や少しでも思い当たるところがある人は要注意。
後藤さんによれば、ほとんどのモラハラ人間は、いきなりモラハラに豹変するのではなく、そもそもモラハラ気質があったことを隠していただけ、というケースが多いそう。
つまり、事前に見抜くことが何よりも大切なのだそうです。
モラハラ気質は結婚前に見抜け! ヤバい男の見分けポイント13〈離婚弁護士 後藤千絵発〉
モラハラ被害に遭ったらするべきこと
自分ひとりで泣き寝入りしないで!
もしあなたがモラハラを受けているなら、自分ひとりで泣き寝入りはしないで!
まずはひとりで抱え込まず「相談する」こと。さらに「証拠」を残すこと。それが無理なら「その場から逃げる」こと。
モラハラには客観的な視点で状況を整理し、どう対応すべきかを一緒に考えてくれる第三者が必要です。
そして、ハラスメントの記録や音声などの証拠があるのがGOOD。社内の配置転換や、損害賠償を求める民事裁判、相手を罪に問う刑事裁判も進めやすくなります。
そのような交渉事を行うのが怖い場合は、一刻も早くその人や会社から逃げ出すのが得策です。