【目次】
・【ホルモンバランスの乱れ】チェックしてみよう
・【ホルモンバランスケア】原因を知ってケアしよう
・【おすすめの対策】漢方薬・食べ物・サプリなど
【ホルモンバランスの乱れ】チェックしてみよう
【1】ホルモンバランスを調べる方法
教えてくれたのは… 杉山力一先生
[杉山産婦人科グループ3院の理事長。医学博士]
ホルモンバランスが整っているかどうかは、採血して「排卵しているかどうか」を調べることで確認できます。採血は生理中に行うのがおすすめ。
【2】ホルモンバランスの乱れで起こりやすい症状
『近年の女性は特に、子宮環境が悪化しているといわれています。ホルモンバランスが乱れると、生理不順や不妊といった子宮の機能に関することだけではなく、肌荒れ・むくみ・イライラ・頭痛・下腹部や腰の痛み・長引く疲労といった日常生活への影響が出てくることも』(杉山力一先生)
【3】PMSや妊娠超初期の症状にも
ホルモンバランスが乱れる生理前はニキビが悪化しやすいことはよく知られていますが、ほかにはどんな症状が考えられるのでしょうか?
「ホルモンバランスの乱れは、生理前(PMS)や妊娠超初期にも生じるため、下記のような症状が起こりやすくなります。
1. 倦怠感・眠気
2. 吐き気やむかつき
3. 乳房の張りや痛み
4. イライラする・怒りっぽくなる
5. お腹が張る・腹痛が起こる・便秘になる
ほか、頻尿・少量の出血・生理中の経血量が少ない・おりものや生理のニオイなど」(杉山力一先生)
【4】低血圧の人の場合
教えてくれたのは… 増富健吉先生
[国立がん研究センター研究所 がん幹細胞研究分野分野長。医学博士]
朝が苦手・なんかだるい・立ちくらみがひどい… といった症状が気になる、血圧低めの女性。
1. 体重は増えるのに血圧は低いままで元気がでない
2. 毛が抜ける
3. 肌の色素沈着が増えてきた
上記のような症状がある場合は、内科でホルモンバランスを診断してみるのがおすすめです。
【ホルモンバランスケア】原因を知ってケアしよう
【1】女性の体調は変化する
漢方では、女性の体調は7年周期で変化するという考えがあります。ライフスタイルが多様化している現代女性。晩婚・晩産化による女性ホルモンの乱れやストレスから、この周期のサイクルが乱れている女性が増え、それが子宮力の低下につながることも。
子宮が正常に機能しているからこそ、女性は自分らしく健康で輝いた毎日を送ることができるのです。
【2】ホルモンバランスの乱れにつながりやすい原因
「ホルモンバランスが乱れる原因としては以下のようなものが考えられます。
・過度なダイエット
・過度な運動
・栄養不足
・睡眠不足
・ストレス
・太りすぎ
・冷え など
ホルモンバランスの乱れは、女性ホルモンのエストロゲンが過剰に分泌されるということ。エストロゲンの過剰な分泌は、乳がん・子宮筋腫・子宮内膜増殖症・子宮体がんなどのリスクを高めます」(杉山力一先生)
【おすすめの対策】漢方薬・食べ物・サプリなど
【1】漢方薬
教えてくれたのは… 成田亜希子先生
[一般内科医。日本内科学会・日本感染症学会・日本公衆衛生学会所属]
■加味逍遙散(かみしょうようさん)
女性ホルモンの乱れによる、症状の改善にも有用とされる漢方薬。生理前や心の不調による不眠・ストレスによる頭痛が気になる人にもおすすめです。
■桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
生理不順・生理痛をはじめ、女性ホルモンの変動による精神的な症状や、頭痛・めまい・肩こり・便秘などの身体的な症状の改善に効果があるとされている漢方薬です。生理前に便秘になりやすい人にもおすすめ。
【2】食べ物
「卵子の質を高め、妊活にも役立つ食材を紹介します。
■豆類などの大豆製品
大豆製品に含まれているイソフラボンは、女性のホルモンバランスと同じようなはたらきがあり、卵子の老化や酸化を抑えることがイランの研究チームによって報告されています。女性ホルモンはもちろん、自律神経のはたらきも安定に導く食材です。
■ビタミンB6
マグロ・カツオ・サンマ・鮭などに多く含まれるビタミンB6はエストロゲン(※)の代謝をサポートして、ホルモンバランスの乱れによる“イライラ・不快感”の改善をサポートします。
※PMSの代表的な症状である“イライラ・不快感”は、排卵後にプロゲステロンとよばれる女性ホルモンが分泌され、ホルモンバランスが乱れることから起こっています。その“イライラ・不快感”は、もうひとつの女性ホルモンであるエストロゲンの代謝を良くすることで改善される場合があります」(杉山力一先生)
■サプリを摂取する際の注意
「バストケアに特化したサプリは女性ホルモンに強く作用するため、ホルモンバランスが不安定になり、めまいや頭痛・吐き気などの副作用が起こりやすいリスクがあるため注意が必要です。
そのようなバストケアのサプリには、ダイエットにも役立つ成分がブレンドされていることもあります。特に“整った栄養バランス”が必須の妊活中は、摂取を避けるようにしましょう」(杉山力一先生)
【3】サプリ
▲アンティーム オーガニック パリ|シークルドゥ
PMS(月経前症候群)やプレ更年期に関連する症状の改善を目的とした女性のためのサプリメント。レディース・マントルとチェストツリーは、女性の月経前症候群と月経周期に関連する不快感を和らげるのに役立ち、ビタミンB6はホルモン活性を調節するのに役立ちます。
【4】ハーブ
▲エルボリステリア|タンチュメール メリッサ
女性の日々のリズムをサポートする、カフェインフリーのハーブ浸出液。生理痛が気になる人におすすめです。
【5】適度な運動
「運動でカラダを適度に動かすと、ストレスや不安の原因となる自律神経やホルモンバランスの乱れを改善させたり、生理周期が安定するなどの効果が期待できます。
■おすすめの運動
・ウォーキング
・ストレッチ
・ヨガ
筋肉量が増えることで基礎代謝量も高められます」(杉山力一先生)
TOP画像/(c)Shutterstock.com