【目次】
・【おさらい】睡眠時間について大事なこと
・【タイプを確認】朝が苦手な人の特徴
・【タイプ・シーン別】早起きするための対策
・【食べ物・飲み物】リフレッシュ&リラックスにも
【おさらい】睡眠時間について大事なこと
【1】やっぱり早寝・早起きが理想?
「早寝早起きは三文の徳」ということわざもありますが実際は?
教えてくれたのは… 繁田雅弘先生
[認知症治療の権威。書籍『最強の医師団が教える 長生きできる方法』の著者の一員]
「規則正しい生活」とは、“早寝・早起き”という印象がありますが、安定した生活リズムさえつくれるのであれば、仮に昼夜逆転していたとしてもなんら問題はありません。
一方で、日ごとに就寝時間や起床時間が違ったり、睡眠時間の長さもバラバラだったり、毎日のリズムが変わったりすると体にかかる負荷が大きくなります。健康面においては“リズムの乱れ”の方が悪影響を及ぼしやすいのです。
夜更かしするのであれば、徹底的に毎日夜更かししましょう。夜更かしというと聞こえは悪いかもしれませんが、習慣として確立されているか否かのほうが重要。あくまでも自分の生活に合わせた一定のリズムをつくり、それが「規則正しい生活」なのだと認識してください。
【2】睡眠時間は毎日同じであることが理想?
もしも就寝時間が遅くなった場合、いつもと同じ睡眠時間を確保するべき?
「そういった場合でも、次の日の起床時間だけは守るようにしてください。優先させるべきは就寝時間ではなく、強いて言うのであれば起床時間。これは睡眠衛生論としても提唱されています。
なにがあっても同じ時間に起きる。起床時間を決めさえすればおのずと夜は眠くなるため、いつもどおりのリズムに戻れるはず。生活のリズムを崩さないことが、ひいては健康的に生きていくことにもつながるので、長生きできると言ってもいいかもしれないですね。
起床時間を一定に保つことは、脳の機能を保つことにも一役買っています。脳の休む時間と働く時間をしっかり決めて、生活リズムを整えましょう」(繁田雅弘先生)
【タイプを確認】朝が苦手な人の特徴
【1】低血圧
低血圧のときは文字通り「テンションが上がらない」。そう、血圧が低いとなんとなく元気が出ないんです。
教えてくれたのは… 増富健吉先生
[国立がん研究センター研究所 がん幹細胞研究分野分野長。医学博士]
若い女性を中心に多い、血圧の低めの人たち。ただ、低血圧症というと医学的には「病気」ですので、ちゃんと検査して、原因を調べておく必要もありますが、ここで書いている「血圧が低い」話は、はっきりした病的な原因もないのに血圧低めであることの、悩ましい症状と予防のお話です。
低血圧の人たちは、なんとなく“元気のない”イメージ。というのも、「朝が苦手」「起きられない」「なんか、だるい」「立ちくらみ」などの悩みを抱えていることが多いからです。
後の章で紹介する対策をしっかり確認しましょう。
【2】夜型人間
朝起きるのが辛く、夜になるにつれて元気になるという方は、もしかしたら「夜型人間」かもしれません。
≪夜型人間の特徴≫
・朝がとにかく苦手
・時差ボケに強い
・夜21時以降に集中力が高まる
朝8~9時台に始業して17~18時台に終業という、一般的な勤務スタイルで働く夜型人間は、一種の“時差ボケ状態”で過ごしていることになります。その場合、海外出張などでの時差ボケも、比較的適応できる人が多いでしょう。
※どのタイプも当てはまらない・分からないという人は、専門家に相談するのがおすすめです。
【タイプ・シーン別】早起きするための対策
【1】低血圧の場合の対策
「“正常な血圧を維持”するためにできることをチェックしましょう。
≪日常で意識すべきこと≫
・塩分をとる(とりすぎはNG)
・1日3食たべる
・タンパク質をしっかり摂る(血管内に水分を引き寄せる)
・運動をする(筋肉を使うと血のめぐりが良くなる)
・起床時に手足を動かす(血のめぐりを良くする)
※体重は増えるのに、血圧が低くて元気がない・毛が抜ける・肌に色素沈着が増えてきた、などの症状あれば、一度内科でホルモンバランスを見てみましょう」(増富健吉先生)
【2】夜型人間の場合の対策
“朝型人間にシフト”するためにできることをチェックしましょう。
≪日常で意識すべきこと≫
・毎日決まった時間の早起きを心がける
・起床後すぐに日光を浴びる(体が活動モードに切り替わる)
・日中は意識的に頭や体を使う(脳を働かせる)
・夕方以降の、睡眠を妨げる行動を控える(ブルーライトやカフェイン摂取など)
体質を変えることは難しいですが、生活スタイルは自分でコントロールすることができます。もしかしたら「私は朝が苦手だ」というのは自分の強い思い込みかもしれません。実は「起きられないのがツライ」のではなく、「早く起きなきゃと格闘している時間がツライ」ということも。
【3】暑い夏の対策
睡眠時間や質が不十分になりやすい夏は、朝から疲労を感じた状態になる“朝バテ”になることも。
教えてくれたのは… 池谷敏郎先生
[池谷医院院長。医学博士]
夏は暑さによる寝苦しさにより、他の季節と比べて睡眠時間が短い季節です。質の高い睡眠をとって、“朝バテ”にならないように意識しましょう。
≪安眠の環境を整える≫
・冷房をうまく活用する
・ゆったりした衣服を着用する
・寝る前の水分補給
≪睡眠の質を高める≫
睡眠の質を上げるためにGABAを摂取することもオススメです。GABAは、穀物・野菜・果実などに含まれるアミノ酸。交感神経の働きを抑えて副交感神経を優位にしたり、ストレスをやわらげることで安眠効果が期待できます。
【食べ物・飲み物】リフレッシュ&リラックスにも
【1】大豆もやし
大豆を発芽させた大豆もやしはGABAをはじめ、大豆イソフラボン・食物繊維・ミネラルなど様々な栄養素が含まれている上、低カロリー&手軽に食べられるスーパーフード。
寝る30分前GABAを摂取して睡眠の質が高まったという研究もあるので、夕飯に大豆もやしを1パック(200g)程度食べると、睡眠の質が高まることが期待できます。
【2】ホット豆乳
\教えてくれたのは…/
漢方アドバイザー・国際中医薬膳師:大木さと子さん
東洋医学の観点で、豆乳には大豆と同じく腸の機能を整える作用のほか、貧血・低血圧の改善させるサポートも。朝の目覚めが悪い人は、朝ごはんと一緒に温めた豆乳を飲むのがおすすめです。
【3】ハーブティー
もともと低血圧気味なのに加え、冷えにも弱いという、Oggi専属読者モデル:片田亜莉紗さん。特に寒い時期の早起きが苦手だそう。
そんなときは、お気に入りのハーブティーをお気に入りのマグカップで飲むのがマイブーム。リラックスできるうえ、美容に嬉しいハーブが含まれていたりすると、なんだかお得な気分に♪
≪紹介のハーブティー≫
[写真:左]グランプロ|グランホワイト ハーブティー
[写真:右]グランプロ|コラーゲン フェイシャル ハーブティー
「心も体も温まるハーブティーでほっと一息ついて、マイペースに“規則正しい生活”を続けています」(片田さん)
TOP画像/(c)Shutterstock.com