規則正しい生活と、不規則な生活… 体に何か影響がある?
リモートワークが増える中、夜更かしして寝坊してしまう日も。でもそんな時にだるさを感じる人も多いのでは? やはり規則正しく過ごすべき?
「早寝早起きは三文の徳」ということわざもありますが、実際のところはどうなんでしょう?
今回は、「最強の医師団が教える 長生きできる方法」(アスコム)の著者の一員でもあり、認知症治療の権威 繁田 雅弘先生に聞いてみましょう。
■繁田先生に質問! 早寝、早起きは本当に体にいいですか?
繁田先生:みなさんは「規則正しい生活」にどういった印象を持つでしょうか。質問では早寝・早起きについて言及されていますが、安定した生活リズムさえつくれるのであれば、仮に昼夜逆転していたとしてもなんら問題はありません。
一方で、日ごとに就寝時間や起床時間が違ったり、睡眠時間の長さもバラバラだったり、毎日のリズムが変わったりすると体にかかる負荷も大きくなりますので、そちらのほうが健康面においては悪影響を及ぼします。
夜更かしするのであれば、徹底的に毎日夜更かししてください。夜の街でお仕事をされている人や夜勤中心の働き方をしている人が健康になれないかと言われれば、まったくもってそんなことはありません。
夜更かしというと聞こえは悪いかもしれませんが、習慣として確立されているか否かのほうが重要で、あくまでも自分の生活に合わせた一定のリズムをつくること、それが「規則正しい生活」だと認識してください。
■繁田先生に質問! 就寝時間が遅くなっても、同じ時間に起きるべき?
繁田先生:そういった場合でも、次の日の起床時間だけは守るようにしてください。
これは睡眠衛生論としても提唱されていますが、優先させるべきは就寝時間ではなく、強いて言うのであれば起床時間です。
なにがあっても同じ時間にさえ起きてしまえば、おのずと夜は眠くなり、いつもどおりのリズムに戻れるはず。生活のリズムを崩さないことが、ひいては健康的に生きていくことにもつながりますので、起床時間を決めれば長生きできると言ってもいいかもしれないですね。
起床時間を一定に保つことは、脳の機能を保つことにも一役買ってるので、脳の休む時間と働く時間をしっかり決め、同じ時間に同じ事務作業をする事で、生活リズムを整える生活しましょう。
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同じ時間に起きるって、大事なんですね!
長いお休み期間は、ついつい不規則になりがちです。でも、できれば毎朝同じ時間に起床して、正しい生活リズムで過ごすことが休み明けの仕事を辛くしないコツかも♡
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お話を伺ったのは…東京慈恵会医科大学精神医学講座主任教授・繁田 雅弘先生
東京慈恵会医科大学精神医学講座主任教授。ノーベル生理学・医学賞選考委員会のある、スウェーデン・カロリンスカ研究所元研究員。とくに物忘れタイプの軽度認知症に対し、森田療法を駆使して早期治療にあたり成果を上げている。また、自身の生家を(若年性から高齢者までの)認知症のケアハウスとして、認知症についての啓発講習会、企業研修を行う場として開放している。