血圧の悩み… 国際医療福祉大学糖尿病・代謝・内分泌科学教授 坂本先生が回答!
筆者も血圧が高く、テレビなどで紹介されている事を試してはみるものの、なかなか成果がでていません。効果的に血圧を正常値へと導く方法はあるのでしょうか?
今回は、「最強の医師団が教える 長生きできる方法」(アスコム)の著者の一員でもあり、世界標準の糖尿病研究の旗手の坂本昌也先生ににお伺いしました。
■坂本先生に質問! 血圧がなかなか下がりません。どうしたらいいでしょうか?
坂本先生:血圧の大敵は睡眠不足。しっかり睡眠をとりましょう。数年に一度ガイドラインが改訂されるうえ、糖尿病などの合併疾患ごとに基準が異なりますが、現在は75歳未満の成人の方は上130、下80、75歳以上の方は上140、下90が基準値とされており(家庭で血圧を測る際は各値から5を引く)、上下ともに基準を上回っていると高血圧と診断されます。
高血圧は万病のもとで、心筋梗塞、脳梗塞、脳出血に直結し、腎臓病の発症リスクを高め、最悪の場合は大動脈解離や大動脈破裂など命にかかわる病気を招くこともある、非常におそろしい症状。当然、基準値を下回ることが望まれます。
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睡眠が大事なんですね。最近、寝不足ぎみな筆者、早寝早起き、心がけていきます。でも、他にも血圧を下げる方法はないのかも、ちょっと気になります。
■睡眠の他には、血圧を下げる方法はありますか?
坂本先生:血圧を下げるためには食事の塩分を控えることがいちばん! ですが、そもそも日本食は塩分の多い料理ですし、コンビニ飯や外食によって、どうしても塩分過多になってしまいがち。食事でコントロールするのはかなりハードルが高いと思います。
減塩食が難しい場合は、しっかり睡眠をとるようにしてください。血圧の大敵である睡眠不足を解消すれば、おのずと血圧は下がっていくでしょう。
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万病のもととなりうる高血圧を防ぐには、睡眠と減塩が基本! 年末年始、筆者自身も食生活や生活習慣が乱れがちですが、気を引き締めていきます!
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文/藤本昌士
お話を伺ったのは… 国際医療福祉大学糖尿病・代謝・内分泌科学教授・坂本 昌也先生
国際医療福祉大学三田病院内科部長・地域連携部長。国際医療福祉大学糖尿病・代謝・内分泌科学教授。高血圧、高血糖値、高脂血症のトリプルリスクを診る総合診療能力の高い内科医。昨年2月には10万人の患者データから、実は証明されていなかった「糖尿病は冬に悪化する」という事実を世界で初めてエビデンスをもとに発表した。