【目次】
・【なぜ眠い?】生理のたびに眠気に悩まされる理由
・【睡眠の質を高める方法】夜しっかり眠ることが先決
・【おすすめの漢方薬など】食べ物・飲み物でバランス調整
【なぜ眠い?】生理のたびに眠気に悩まされる理由
【1】もしかしたらPMSなのかも?
教えてくれたのは… 杉山力一先生
[杉山産婦人科グループ3院の理事長。医学博士]
PMSは「月経前症候群」とも呼ばれ、主に女性ホルモンの変化によって様々な症状が起こります。また、ホルモンの変化だけではなく、生活習慣の乱れやストレスなどが重なることで、症状を引き起こしやすくしたり、症状が重くなったりするとも言われています。
【2】PMSの症状を確認
女性ホルモンが乱れることで、どのような症状が起こりやすくなるのでしょうか?
1. 倦怠感・眠気
2. 吐き気やむかつき
3. 乳房の張りや痛み
4. イライラする・怒りっぽくなる
5. お腹が張る・腹痛が起こる・便秘になる
このような症状は、同じくホルモンに乱れが生じる「妊娠超初期」にも起こることがあります。とにかく眠い・体がだるいときは、後ほど紹介する対策を試してみましょう。
【3】寝ているはずなのに眠いことも
生理時は基礎体温が高くなる傾向があります。なかなか寝つけなくなったり、しっかり睡眠をとっているつもりでも眠りが浅いため、日中に眠くなるというケースも。ホルモンバランスが乱れると、睡眠サイクルや睡眠の質に影響を与えることがあるのです。
「PMS」と聞くと“生理前のイライラ”のイメージが強いかもしれません。しっかり睡眠がとれていない・仕事に集中できないことで、よりイライラしやすい状態になることも考えられます。
【睡眠の質を高める方法】夜しっかり眠ることが先決
【1】有酸素運動・ヨガ
「ジョギングなどの軽い有酸素運動を行っている人の方がPMSの症状が軽いというデータがあります。手軽にできる有酸素運動としては、スクワットや、階段に足を交互に乗せる・降ろす動作を繰り返す運動などがおすすめ。
カラダ全体のめぐりが活性化しストレスを解消するため、どんどん女性ホルモンのバランスが安定してきます。
ヨガなど適度な運動を習慣にすることで筋肉に負荷がかかるため、心地よい疲労からぐっすり眠れるようになり、睡眠の質が徐々に向上していきますよ」(杉山力一先生)
【2】体温調整
冬はもちろん夏でもエアコンのききすぎなど、身体が冷えないようストールやカーディガンなどで身体の保温を心がけましょう。常に身体が感じている感覚を意識することが大切です。
【3】睡眠時間を乱さないこと
眠いからといって、寝だめしたり一日中寝るのはNG!
教えてくれたのは… 遠藤拓郎先生
[スリープクリニック調布 院長。睡眠学会認定医師。日本精神神経学会 精神科専門医]
睡眠の質を上げるには、決まった時刻に寝て決まった時刻に起きることが大切です。そうすることで、ホルモンや体温の調整のリズムが、決まった時刻に合うように調整されて睡眠の質が上がります。
また、最も熟睡できる時間とされているのが「午前0時〜午前6時」の間。睡眠をその時間帯に近づけるようにするのもおすすめです。
仕事中など、眠くてどうしようもない時は15分の仮眠をとった方がいいのですが、難しい場合は「睡眠の質を高める対策」を取り入れて、夜にしっかり眠れるように整えましょう。
【おすすめの漢方薬など】食べ物・飲み物でバランス調整
【1】漢方薬
教えてくれたのは… 成田亜希子先生
[一般内科医。日本内科学会・日本感染症学会・日本公衆衛生学会所属]
自律神経が高まりやすい生理前。なかなか寝つけないときは、自律神経のバランスを整える「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」や「加味帰脾湯(かみきひとう)」などの漢方薬がおすすめです。
「睡眠薬は依存性や副作用が心配」という人は、それらの心配が少ない漢方薬を試してみるのも良いでしょう。
【2】なつめ
\教えてくれたのは…/
漢方アドバイザー・国際中医薬膳師:大木さと子さん
胃の機能を養い「血」を補ってくれる作用を持つ棗(なつめ)は、女性にオススメしたい漢方食材のひとつ。寝つき・寝起きが悪いときに取り入れてみましょう。
【3】ホルモンバランスを整える食材
「女性ホルモンは、“増やす”よりも“整える”ことが重要です。前提として、朝昼晩の3回の食事をしっかりとること。女性ホルモンのバランスを安定化させるための栄養成分を常に補うことができます。
■女性のホルモンバランスに良いとされている食材
・ビタミン:野菜・フルーツ
・ミネラル:魚類・肉類
・タンパク質:乳製品・大豆食品・肉類・魚類
・イソフラボン:大豆製品
・乳酸菌:乳製品・発酵食品
・食物繊維:キノコ類・山菜・緑黄色野菜・根菜
上記の栄養成分が含まれた食材をメインに、食事内容のバランスを見なおしましょう」(杉山力一先生)
【4】スパイス白湯
「身体を冷やさないこと」は生理期間を心地よく過ごすためのポイントになります。おすすめなのはスパイス白湯。
≪スパイス白湯とは?≫
白湯にスパイスをブレンドした飲み物のこと。白湯を飲むよりもスパイスによる保温・温感作用が高まり、生理期間の下腹部の痛みや頭痛・カラダのこわばりを穏やかに解きほぐしてくれる効果が期待できます。
≪おすすめのスパイス≫
・サフラン → 妊活や生理期間を穏やかに過ごすため、世界各国の女性が愛用し、眠りの質を高める効果が期待できます
・シナモン → 血行を促進し、各臓器の機能を高めます
・クミン → 胃腸のはたらきを整え、生理期間に感じやすいむかむかや不快感を緩和します
体内の余分な老廃物・毒素のデトックス作用もある「スパイス白湯」で、温活を始めてみましょう」(杉山力一先生)
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